森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日もね、前回長いことしゃべってしまって、引き続きお話をしていきたいと思いますが。
前回、だから、ディストリビューターの椅子取り合戦がもうかなり進んでいるので、ベリーベストはなかなか難しいよねと。その中でベターなものを見極めて絶対評価で見ていってくださいねということでお話をしました。絶対評価で絞り込んでいって、前回、絶対評価の話をしたと思うんですけど、絶対評価で絞り込んでいったときにね、どんどん、どんどん、消去法で消えていくわけですよ、絶対条件が満たされていないものは消えていって、最終的に3社とか5社とか候補が残って、そこで初めて相対評価という別の評価軸を持ってくるんですけど。ここでの評価軸って、基本的には、今までは絶対評価でスキルセットを見てきたわけですよね。例えば、B2Cだったら小売への提案力とか配荷力、伝統小売への配荷力、新興国とかだとね。あと、ディストリビューターで最も重要なのは資金力とかっていう話ですよね。B2Bだったら、僕は、1つが営業力、1つが資金力、もう1つが対応力、対応力というのはアフターサービスを含めた対応力。B2Bの場合はアフターメンテナンスなんかが必要になるようなことも多いので、これらをスキルセットというふうに呼んでいるんですけど、こういう絶対的に必要なスキルがあって。
でも、最終的にこの絶対評価でスキルセットをクリアしているんだから、スキルはもういいんですよ。そうすると、じゃあ、この3社~5社をどうやって相対比較するかと言うと、マインドセットなんですよね。結局ね、最後はマインドなんですよね。ディストリビューターって華僑、今、2代目から3代目みたいな中でね、3代目に進んでいるところはなかなかあれですけども、多くが華僑で、やっぱりどういうオーナー社長の人柄でね、どういう思想を持っていて、どういう熱量で皆さんの商品を取り扱おうとしているのかというね、ここがやっぱりないと、どんなにスキルセットが高くても、一緒にやっても絶対成功しない。もうもう今まで、僕、20年間で、「これ結構いいなと思ったんだけども、社長との握りがいまいちだったんだけど、でも、ここはスキルがすごいから、いいや、こことやろう」と言ってやって成功したことがない。一方で、「スキルがちょっと足りないんだけども、社長の熱量が凄まじいからこことやろう」と言って一緒にやったほうが圧倒的に成功している。もちろんね、スキルが足りなさ過ぎると、どんなに熱量があっても、これは駄目なんですよ。なので、バランスが難しいんですけど、でも、このマインドセットというのはやっぱりすごく重要で。オーナー社長と会わずしてディストリビューターを決めるなんていうのは論外だし、これ、華僑はファミリービジネスでね、ディストリビューターというのは、ワンマン経営で社長が右と言ったら右ですから。彼らは自分たちのファミリーのお金を投資しているのでね、ある意味本当にもうファミリービジネスなんですよ。ファミリービジネスの強い形態なので、社長と話せていなかったら、途中でね、せっかくいろいろやったのに話が180度変わるなんていうことは全然普通にあるので、そこはしっかり理解をするということが大変重要ですよというお話でございます。
なので、前回からの整理でお話をすると、この一番最初、3つの強固な販売チャネルをつくる上で重要な3つのことの最初の発掘選定の中で重要なのは、まず絶対的に必要な能力を明確にすると。その絶対的に必要なスキルセットを持っているところだけを残していく。ほかを消去法で消していくと。必ずしもでかいところが自分たちに合っている、財閥だからいいということではなくて、今の自分のステージと、5年先に自分たちが行きたいステージ、ここの状況の中で「一番合っているところはどこ?」ということで見ていく。10年先を見るというのはね、これは至難の業なので、僕はね、5年先、新興国って本当に市場のトレンドの移り変わりが速いので、5年先を見ながら10年先を見るというね、「何を言っているんだ、おまえ」という話なんですけどね、ちょっと感覚値で申し訳ないんだけど、僕はいつも5年先、コアは5年先を見て、目のフォーカスしない部分で10年先を見るというね、それでディストリビューターを決めないと駄目なので、絶対評価で。最終的に残った母集団を相対評価で、スキルセットよりもマインドセットで決めていきましょうねと、オーナー社長としっかり会話してくださいねと。さらに、これは今、「誰と」やるかと、売るかという話をしていますけども、「誰と」売るかの前に誰に売るのかということはすごく重要なので、この「誰に」売るかということを徹底的に議論してくださいと。この「誰に」売るかが明確に決まれば、「誰と」売るかなんていうのはそこに絶対に売れる。売れる確率が1%でも高い相手と売るということが正解なので、でかい相手じゃないし、実績のある相手でもないし、自分たちが売りたい相手に、1%でも高い可能性で売れる相手と売るということが重要なんですよというお話でございました。
以上になります。次回は、じゃあ、これでディストリビューターを選びましたと。選んだ相手と実際に契約交渉をしていくというところのお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。