森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日で最後ですね。強固な販売チャネルの構築方法シリーズの最後の管理育成ということで、1回で管理育成を話し切れるかどうかはちょっと自信がないですけど、お話していきたいと思います。
そもそも強固な販売チャネルをつくる上で重要なことって3つありますよと。1つがディストリビューターの発掘選定で、2つ目がディストリビューターとの契約交渉、3つ目が今回の管理育成ということで、この前に発掘選定と契約交渉はやってきているので、今日はその話はしないで、管理育成にいきましょうということでお話をします。まあまあ、いざ、ずっとずっとあって契約を締結しましたというあとの話ですよね。この締結契約、ディストリビューターの選定で、僕は成功可否の5割が決まると、5割6割決まりますよと。一方で契約交渉をどうやるかと、どういうテクニックで、どう進めるかによって、基本的にはもう8割方、成功がここでもう決まってしまうんですよと。じゃあ、管理育成、あと2割じゃないかということなんですが、この2割がやっぱりすごい重要だし、80点か100点かって全然違うしね。あと100点が天井ではないので、120点130点、この管理育成で伸ばすことはできるので、基本的にはこの管理育成というのは本当に重要ですよということでお話をしていきたいなと。
管理育成って何なのかと言うと、多くの日本の製造業はね、契約までが全てなので、契約したらあとは待つだけという、こういう概念にあるんですよね。基本的には、半年に1回とか数カ月に1回の定期訪問で、ディストリビューターの言うことをそのまま鵜呑みにして、結果指標の確認をしているという、こういうことになってしまっている企業というのは決して少なくなくて。日本から出張で現地に行ってディストリビューターにいろいろ案内されるんですけど、結局、連れていかれている先というのは、ディストリビューターが見せたい、一番よくできている、自信のあるところ、こういうところにしか基本的には連れていかれないんですよね。だから、本当に問題があるようなところとか、対策を打たなきゃいけないようなところ、そういうところには全然連れて行かれないので、基本的に偏ってしまうんですよね。こういう問題に気付けている企業もいれば、うまくいっているんだと気付けてすらいないというケースだってあるので、基本的にディストリビューターを決めて任せて終わりという話ではないですよね。
任せて終わりだと、うまくいって、万に1つうまくいっているときは全然いいんですよ。もう、行け行けと。特に新興国市場なんていうのはね、国内の市場とか欧米の市場に躍起になっているときに、新興国なんてどうでもいいよという時代がずっとあったわけで、勝手にやっておいてくれと、問題だけ起こさないでくれみたいなね、そういう時代があったわけですけど。今はやっぱりマーケットの中心が新興国に移ってきていて、グローバルサウスを中心とした市場をどう取り込んでいくのかということになってきたときにね、やっぱりお任せだと結果指標になってしまうんですよね。結果どうだったということで対策が打てない、結果指標の追っかけをしているだけなので。なので、いかに管理育成に介在していくかということが重要で。じゃあね、今まで言っていた発掘選定とか契約交渉のプロセスなしに、いきなり管理育成だけやりますよと、今までまったく管理育成してきてなかった企業がね、いきなり管理育成しますよって、これもまたおかしな話で、だから、これは3つセットで非常に重要なんですよということでお話してるんですけども。
まあまあ、今回は、この発掘選定、契約交渉もこの番組で私が申し上げてきたとおりにやったという前提で、じゃあ、管理育成をしていくわけですけども、何を管理するの?って、KPIだけなんですよ。契約交渉のときにKPIを決めてますから、そのKPIだけをしっかり管理をしていく。多くの場合、消費財の場合は、僕はもう、間口しか管理しない、ストアカバレッジがどうだということしか管理しないので、基本的にディストリビューターにお願いしたいのは、ストアカバレッジ、特に伝統小売のストアカバレッジを伸ばしてくれということなわけですよね。設定したエリアのストアカバレッジが、週でどれぐらい伸びているのか、月でどれぐらい伸びているのかということで、その1個あたりの伝統小売の商品の陳列位置が、どこに決めた、3SKUだったら3SKUがしっかり置かれているのかという、ここの確認しかしない。じゃあ、それ、1店舗あたりの売上をどうしていくかというのは、これはメーカーのプロモーションの話なので、マーケティングの話なので、ディストリビューターにどうこうという話じゃないわけですよね。だから、ここの管理をするということ。
乖離が絶対に出るので、うまく伸びませんと。ストアカバレッジが、当初、週に例えば何百店とかって決めてたのが、半分しかいきませんと言ったときに、どうやって対策できますかということがすごく重要で、どこに問題のボトルネックがあって、何をすればそれは解消できるのかって、これをディストリビューターと一緒にやるから管理できるわけですよね、彼らをね。管理する側と管理される側って、管理されるなんて誰だって嫌ですから、やっぱりこういうところで尊厳をしっかりとつくっていくということはやっぱりすごく重要で。乖離に対する対策がどうやって打てるのかということもすごく重要だし。
あと、キーマンの育成。育成というのはキーマン育成のことを言っていて、基本的には商品知識とか、セールスの研修会とか、そんなことは当たり前にやるんだけども、キーマンをどうやって育てていくのかと、ディストリビューターの中にね。彼らが、自分たちの商品に熱量を持ってくれる人が必ず現れてくるんですよね。その人たちが積極的に売ってくれてて、その人たちを中心に商品が伸びていくというケースを僕はいっぱい見てきているし、その人たちがそのディストリビューターを辞めたあともね、実は独立してその人たちが新たにディストリビューターになったりとかっていうケースもあるので、どれだけ、キーマンというのはファンとなるような、セールスですよね、こういう人たちを育成できるかということはすごく重要なので。ディストリビューター単位で見るということも重要ですけども、その中のキーマンをやっぱりしっかり掴んでいくという、熱量的なキーマンもそうなんだけども、ポジション的な、ここのキーマンをしっかり握っておかないと状況がおかしくなるとかっていうこともしっかり把握した上でキーマンを握るということは大変重要ですよというお話でございます。
意外に、取りあえずバッと話せたので、またちょっと話し切れてないところもあるので、また次回、続きをやりたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。