森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、実は昨日バングラデシュから帰国をしまして、シンガポール経由でバングラデシュに言っていたんですけど。バングラデシュ半分、シンガポール半分の1週間、久々にこんな長期で出張したんですけどね。いつも僕は2泊なんですよね、海外出張って。子どもに会えなくなるのが嫌なので、基本的に2泊で帰ってきてまた飛ぶという、こういうスタイルを子どもができてからは続けていて。僕が海外出張行くのもね、本当にお客さんが現地に行くというときに一緒に行くという機会が圧倒的に多くて。あまり現地のうちのスタッフなんかが調査をやったりしているところについていくと、「細かなことを口出すから来ないでほしい」だと思うのであまり誘ってもらえなくて、どちらかと言うとお客さんが行くときに一緒に行くというケースが多くて。今回はとある、弊社にとって大変大切なお客様と一緒に行ってきたんですけど、ちょっとね、あまり内容はお話しませんけど、久々にバングラデシュに行って、だいぶびっくりしたというのが今回で。
以前というのがね、もうだいぶ前だったのであれだったんですけど、バングラデシュもちょうど2020年とか21年に1人あたりのGDPが初めて2,000ドルを超えたとかっていうことを言われていて、すごいなというふうに思っていたんですよね。今は平均で2,500ドルぐらいあるので、ASEAN6とかに比べるとだいぶまだまだなんですけど。
その前にバングラデシュってどこにあるの?ということなんですけど、インドの右上のほうにあって、何て言ったらいいのかな、インドの右上にあるので、地図で言うとね、ちょうどインドに囲われている感じで四角い、ダッカが首都で四角い国土の中心にあって、下が海なんですけど、非常に大きな川が何本も流れていて、あの辺のエリアってそうですよね。もともとインドからパキスタンが独立して、そのパキスタンからまたバングラデシュが独立してということで、そんなに歴史が長い国ではないんですけど、非常に親日な国で、インドに行くと、あまり日本人は相手にされていないかなということをいろんなシーンで感じますけれども、バングラデシュは日本好きであるというのをすごく非常に感じる国で、非常に親日です。日本のODAもすごく積極的にやっていて、今は第3ターミナルかな、ものすごい近代的な大きな空港を日本のODAで建てていたり、あちらこちらで日本の国旗のシールのついた、空港の中とかもね、スキャンする機械ありますよね、X-rayの機械、ああいうのも結構日本のシールがついていたりということで、非常に日本のODAが進んでいる、そんな国なんですけど。
まあまあ、何を感じたかと言うと、ASEAN6に比べると、もちろん今現状でまだまだなので、中長期で市場を見ていかなきゃいけないということは当然なんですけど、僕が20年ぐらい前に見た中国の地方とか、ASEANのVIP、特にVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンみたいな状況になりつつあるなということを肌で感じることができましたので、近いんだろうなというふうに思っています。1人あたりのGDPが平均して4,500とか5,000ぐらいになってこないとなかなか消費財メーカーの出番というのが苦しい戦いにはなるんですよ。完全に、もう今も近代小売って数百店舗、400店舗ぐらいしかないんですよね。うち1社で300何十店舗持っているみたいな話なので。生鮮食品とか以外の日用品とか、そういったものはまだまだ流れも悪いし、数百店舗ではもうどうにもならないので、当然伝統小売という話になるんですけど、伝統小売もやっぱりなかなか本当に、本当のTraditional Tradeですよね。ASEANのTraditional Tradeよりもまだ2段階ぐらいTraditional Tradeなので、本当になかなか大変な市場で、中国製とかね、そういうちょっとノンブランドのわけ分からない系の商品が結構入ってきていて、アフリカほどとは言いませんけども、だいぶ近いものがあって。でも、もうまもなくなのかなと、今ぐらいからやっぱり下地をつくっておかないと駄目だよねというのは非常に感じたので、そういう意味ではね、バングラデシュはそろそろやっぱり真剣に対峙していかないといけない市場なのかなということを感じました。消費財の分野はですね。
ちょっと差し支えない範囲でお話をすると、やっぱり寒いよね、バングラデシュは。寒いというのはエアコンの温度設定がやっぱり異常で、ASEAN以上に異常で、もう寒過ぎ。飛行機の中から寒かったんですけど、もう本当に長袖が必要ですよと。結構、計画停電をいまだにやっているんですよね、ダッカなんかも。でも、これはエアコンの温度設定を16℃とかになっているわけですよね。せめて23℃にしろと思うんですけど、これを25~26℃にすれば、26とは言わない、24~25℃にすれば計画停電やらなくていいんじゃないかなっていうぐらいに寒いということでした。飛行機なんかをものすごく冷やすのは、やっぱり寒いのが好きっていうのもあるんですけど、本当か嘘か知りませんけど、冷やしておかないと体臭が臭ってしまうから冷やすんだということを言ってましたけどもね。なるほどな、そうなのかなというね。どこだったかな、香港かな、昔、香港人に「なんでこんなにバス寒いの?」と言ったら、「お金払ってバス代にエアコン代が含まれてるから冷やさないと損じゃないか」というのと、あと、「冷やしたほうが空気がきれいなんだ」と言っていたんですよね。広東省の、これは中国人だったかな。「えっ、空気のきれいは冷やしたとか冷やしていないとか関係あるのかな」と思ったんですけど、そういうふうに感じるというね、新鮮な、フレッシュエアに感じるというふうに言っていたので、それと同じようなことなのかもしれないですけどね。そんなことで非常に寒かったということと。
あとね、僕、面白かったんですけど、Uberが結構浸透しているんですよ、もうすでに。普通ね、バイクとかがやっぱり先に来るんですよね。ASEANを見ていても、インドネシアでも、タイでも、ベトナムでも、どこでもそうですけど、もう渋滞もひどいし、バングラデシュも同じように渋滞もものすごくひどくて動かない、もうめちゃくちゃ状態ですよね。なので、やっぱりバイクの移動というのが中心になってくるんですよ。Go-Jek(ゴジェック)とかGrab(グラブ)もバイクのいわゆるシェアリングエコノミーの手段として使われているんだけども、車のUberが浸透していて、バイクよりも、バイクを通り越してUberに移行しちゃった市場なんですよね。これもなかなか面白いなと思って、うちの現地の子に聞いていたら、女性が男性運転手を触れないわけですよね。バイクだとどうしても運転手の前をつかまえますよね、抱きつくというか。後ろを持つというのもそうなんですけど、なんかね、手を後ろに回して後ろを持っていると、なかなかジグザグに運転されたりすると危険なので、基本的には前の運転手に抱きついて乗るという、前の運転手をつかまえておくという乗り方だと思うんですけどもね。女性の場合はまたがれないので、たぶん皆さんも女性がそういうバイクの後ろに乗ってるときに、ASEANで見たことあると思うんですけど、横乗りするというんですかね。横乗りするときってどうしても後ろのこのバーを掴めないので、前の人を掴んでいるというシーンをよく見ると思うんですけど。それができないわけですよ、宗教上ね、触れないので、触ったりしたら、男のほうも「なんで触るんだ」とびっくりしますから、基本的にはそうですと。そうすると、バイクを通り越してUberに移行したという、新興国ならではのリバースイノベーションと言ったらいいのか、リープフロッグと言ったらいいのか、そのミックスみたいなね。こういうところにやっぱりビジネスチャンスってあるよなとかって思いながら、市場を見ていたんですけども。バングラディッシュ、これから今までのスピードとは違うスピード感で成長していくんじゃないかなというふうに思うので、消費財メーカーはそろそろ準備を、もちろんね、ベトナム、インドネシア、フィリピンが先ですから、そちらの状況が落ち着いたら、インド、バングラ、この辺を着手をしていく必要があるんじゃないかなというふうに見受けられました。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。