森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、ASEAN6の小売市場についてお話をしていきたいなというふうに思います。前回、SMTのS、シンガポールのお話をして、今日はSMTのM、マレーシアのお話をしていきたいなというふうに思います。
マレーシアなんだけども、シンガポールというのはマレー半島の先っちょにある国なので、その上ですよね、シンガポールの上の国で、だいたい国土で言うと、日本よりもちょっと小さいぐらい、10%小さいぐらいなんですよね、マレーシア。なんですけど、人口はね、最新のマレーシア統計局のデータ、2022年のデータで3,260万人なので、非常にASEANの中では人口が少ない国であるというのが1つ。マレー系の人たちが70%住んでいて、ここにはね、先住民の人たち15%ぐらいを含むんだけどもマレー系、あと、中華系も2割強ぐらいいて、あとインド系が7%ぐらいいるという、そんな市場ですよということで。インドネシア同様ね、ハラルが非常に重要になってくると。中華系、2割強の中華系を狙ったビジネスだけだとなかなか難しいので、結構ハラルが必須の市場になってくるというのは1つありますと。僕のイメージは、インドネシアのイスラム教徒の人たちよりも、マレーシアのほうが若干保守的というか、そんなイメージはあるので、食べ物に対するハラルの必須度合いというんですかね、それはマレーシアのほうが高いんじゃないかなという印象がちょっとあります。もちろんこれは人によるんですけども。
このマレーシアの市場の特性なんですけど、小売市場希望はね、12.8兆円でございますので、シンガポールが5.8兆円で一番小さい、ASEAN6の中ではね。なので、マレーシアというのは2番目に小さい市場であると、ASEAN6の中では。当然、人口が少ないんでね、あれですけどもね。でも、当時ね、僕がシンガポールに住んでいた1980年代とか90年代に比べると、マレーシアのこのプレゼンスというのは本当に上がって、当時やっぱりちょっとマレーシアとかマレー人というと肉体労働者みたいなイメージがやっぱりすごく強くて、シンガポールの高層ビルをつくるのは全部マレー人だったりしていたんですね、工事現場とかで働いているのは。でも、今、マレー人はそんな仕事しないので、基本的にマレーシアも肉体労働はその他の諸外国からの出稼ぎ労働者によるあれが多いので、非常にマレーシアは先進国、特にクアラルンプールなんて完全なる先進国なので、すごいなというイメージを持っています。小売市場の話なので、あまりマレーシアの話はあれですけど、だいたいマレーシアの小売市場って、6:4ぐらいで近代小売が6割で伝統小売が4割というような市場で、弊社のスパイダーの最新の推計だとだいたい20万店ぐらい、20万店ぐらいの伝統小売が存在しているというので、他のVIPとかに比べてやっぱり伝統小売の数もそんなに多くはないですけど、でも、20万店というのは非常に大きいので、1つポイントとしてはあるのかなというふうに思います。
観光客もここに来て非常に増えていて、やっぱり近隣諸国への波及が非常にシンガポール同様に大きくて、年間2,580万人ぐらい観光客が来ているんですよ。なので、観光客も結構ばかにできない市場であるということですよね。私がぎりぎりいた1990年とか、GDPって440億ドルぐらいだったんですけど、今って3,647億ドルなので、まあまあ本当に10倍とは言わないですけど、それに近いぐらいの経済成長をしていて、1人あたりのGDPも1990年代は2,442ドル、USドルだったんですけど、今、マレーシア全土で平均でならして1万1,414ドルなので、大変豊かな国ですよと。タイだって全土でならして7,807ドルだし、インドネシアなんか4,136ドル、フィリピンなんか3,485ドル、ベトナムなんか2,715ドルなので、マレーシアって本当に先進的なASEANなんですよ。SMT、シンガポール、マレーシア、タイの順番でね、シンガポール、マレーシアは2番目に非常に豊かな国なので、輸出で結構富裕層を狙っていくんだったら、もしハラルがなければマレーシアってなかなか面白い市場、3,000万、4,000万人のね、3,200万人…、4,000万人じゃなくて3,260万人の人口がクアラルンプール、特に富裕層はクアラルンプールに集まっているわけですから、そこを狙うという意味では非常に面白い市場であるということなんですけど、ハラルがあるので結構ややこしいのはややこしいですよというのがオーバービューですよね。
小売に関しては、主要の小売プレイヤーはやっぱりロータスがスーパーマーケットなんかも1番で、ロータスが非常に幅をきかせてますよと。日本のイオンが最も成功しているのがマレーシアじゃないですかね。非常に大きいです。あと、ジャイアント、エコンセーブとか、そんなところが、あと、ザ・ストアですね、が主要5大スーパーマーケットというようなところかな。コンビニエンスストアに関してはセブンイレブンが2,400店舗ぐらいあるし、あと、99スピードマートっていうところが2,000店舗ぐらいあるんですよね。あと、どこだっけな、メスラが800店舗ぐらいあって、ペトロナスのガソリンスタンドに併設されているコンビニなんですけどね、そんなのがあって。あと、KKスーパーマート、これが570店舗強ぐらいあって、あとマイニュースですね、これが540店舗強ぐらいあるというような市場なので、そんなような市場ですと。
ただ、近代小売を全部合わせても6,600店舗、弊社が主要近代小売と捉えているところ、スパイダーが主要近代小売と捉えるところで6,600店舗なので、一方で伝統小売が20万店あるので、まあまあそんな市場構成になっていますよというのがマレーシアでございます。
ちょっと時間が来てしまったので今日はこれぐらいにしておきますけども、次回ね、この主要小売をもう少し整理してお話をしていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにして、また次回お会いいたしましょう。