森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、タイの小売市場についてお話をしていきます。FMCG、消費財ですね、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財向けのお話で、タイの小売市場でございます。
前回、タイの小売市場でセブンイレブンと、それからロータスを持つCPグループのお話をして、非常に大きいですよという話をして。今日はセントラルグループ、もう1つの。2強なんですよね、タイはCPとセントラルなので。このセントラルについてお話をすると、これもタイの大手財閥の1つで、小売から不動産、ホテル、観光、金融、多岐にわたる事業を展開している、いわゆる財閥コングロマリットですと。
小売に関してはね、百貨店、スーパーマーケット、ハイパーマーケット、コンビニエンスストアなども事業展開しているんですけどね、結構ね、CPもそうなんですけど、オンラインショッピングにも力を入れているようなイメージがあるなと。セントラルグループの特徴は。不動産開発が得意なので、ショッピングモールをボーンとつくって、そこにオフィスビルとか、住宅とか、ホテルとか、そういうものを誘致して入れていくというイメージなので、どっちかと言うとこのデベロッパーから入っていくという、小売単体をやるというよりかは、不動産の開発でぼこんとやるというのが非常に強い印象がありますかね。ホテルなんかも持っていますし、結構、複合型のね、ショップピングモールと併設したような複合型のホテルとかを結構やっている、そんなイメージです。ここは、ビッグCとかね、こういうところはこのセントラルの傘下の小売になるんですけど、非常にやっぱりセブンイレブンをCPが持っているのでね、小売と言えばCPのほうが強いイメージを受けるんですけど、でも、ビッグCとかも持っているというのがこのセントラルの特徴です。このCPとセントラルの2強によってタイの市場というのは牛耳られていて、どっちかとやるという選択を迫られると思うんですよね、メーカーとしては。自分たちの商品がコンビニで売れる商品なんだというのであれば、CPしか選択肢はないし、そうではないのであれば、どういう条件でやれるかということをCPとセントラルと話しながら判断をしていくというのが重要なのかなと。
タイの小売市場の特徴としてはね、やっぱり当たり前なんですけど、首都バンコクに富が集中していますよと。1人あたりGDPとかを見ても、タイ全体で見ると7,800ドルぐらいなんですけど、バンコクだけで見ると2万ドルを超えているので3倍近いですよね。経済規模はね、タイのGDPの、バンコクの経済規模ってタイのGDPの50%、約半分の富がそこに集まっているわけですから、やっぱりバンコクをやるというのはROIを考えても非常に重要であるということが言えるというふうに思います。観光客もやっぱり非常に多くて、4,000万人弱ぐらい観光客が来ていて、最近話題になっている、コロナで一旦観光客がガーンと減ったんですけど、またそのあと観光客が盛り返してきているので、バンコクだけじゃなくてね、プーケットとか、チェンマイとか、サムイ島とか、パタヤとか、クラビとか、そういういわゆるリゾート地なんかもあるので、そういうところもGDPの約2割ぐらいかな、占めていますから、そんなところが非常に観光地としても強いので、その他の国への波及をしっかり考えていくと。もちろんASEAN圏内でのこの人・モノ・カネ・情報の行き来というのは非常に多いですし。なので、まあまあ非常に重要な国でありますよと。
小売の整理ですけど、1社目は、まずロータスがきます。タイのスーパーの一番大きいロータス、CPグループですね。これはもう全土展開をしていますよということで、まあまあ、ありとあらゆるものが売っていますというのがCPですね。あと、次がビッグC。ビッグCがやっぱりその次で。ビッグCは、エコフレンドリーな取り組みにも、結構CSRというか、そんなところにも力を入れていて。3番目がマクロ、いわゆる業務スーパーですよね、会員向けの業務スーパー、日本で言うところのコストコみたいなやつですよね。こんなのがありますと。これもCP傘下ですね。次がね、4番目がトップス。トップスも、これも結構古くて、1980年代に創業されているので、僕がシンガポールにいたときの前ぐらいにちょっとできたっていう、そんなのがあると。あと、イオンも頑張っていて5番目がイオンなんですよね。バンコクに限定してスーパーマーケットとCVSの業態を合わせて50店舗弱ぐらいかな、展開しているというのがスーパーの状況です。
コンビニに関しては、前回も申し上げた通り、セブンイレブンが圧倒的で1万3,000店舗以上ありますよと。2番目がファミリーマートなんですけど、1,000店舗足らずなので900店舗ぐらいなので、ちょっともう全然お話にならないと、比較にならないと。あと、次がCJエクスプレス、これが720店舗ぐらいあって、ローソンが140店舗ということなので、圧倒的にセブンの市場というのがこのタイですね。
ちょっとね、近代小売と伝統小売に関する考察についてお話をしたかったんですけど、時間がきてしまったので、もう1回タイをやりましょうかね。次回もう1回タイを、すみません、やっていきたいと思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。