森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日からインドネシアのお話をしていきたいと思います。SMT、シンガポール、マレーシア、タイが終わって、VIPに入ってきて、ベトナムが前回で終わって、今回からVIPの「I」のインドネシアですね、インドネシアのお話でございます。
インドネシアの市場ということで、まず、インドネシアは一番最初に頭にパッと浮かぶことって、人口の多さをまずちょっとしっかりと認識する必要があって。インドネシアってASEANで最大で2.7億人いるんですよね。VIPってなぜ魅力なの?と言うと、これから中間層がまだまだ爆発的に拡大するからだよと。中でもインドネシアが3億弱で、ベトナムが1億弱、フィリピンが1億強という、この1、1、3の人口、これが非常に魅力的で。インドネシアの場合は2.7億人いて、そのうちの87%ぐらいがイスラム教徒なんですよね。これは何を言っているかと言うと、もうハラルが必須ですよと。インドネシアの市場に行くときはハラルが必須ですよというのが1つ。その他、キリスト教が10%ぐらいいますけども、ヒンズーも1%と、1.7%ぐらいだったかな、いますけど、基本的にはもうハラルなくして何もないみたいな、そういう市場なので、基本的にハラルの取得が大変重要ですと。
インドネシアの小売市場規模の特徴としては、まず市場規模をちょっと見ていきたいんだけど、2022年の最新のデータで41.2兆円、これは当時136円のときに算出しているので、今の為替で言うと50兆弱ぐらいあるのかなというふうに思います。日本の小売市場規模が150兆円ぐらいなので、3分の1ぐらいの市場規模があるのかなと。ちなみに、ASEAN全体で言うと、150兆円弱…、150兆円ぐらいあるのかな、今の為替で。だから、日本の小売市場規模とASEAN6の小売市場規模というのは変わらなくて、その中でも3分の1を占めているのがインドネシアですよというのが1つですね。
イスラム教徒が非常に多い、2億8,000万のうちの8割以上がイスラム教徒なので、87%がイスラム教徒なので、基本的にはハラルがマストですよ。ハラルってね、実はどういうふうな意味かと言うとね、イスラム教の教えにおいて許されているという意味なんですよね。何をするにも、彼らの行動とか言動すべてはハラルか否かというところが非常に重要で、ハラルというのは許されているということの1つで、実際に神に許されているからハラルなんですよね。神に許されてないものというのは何て言うかと言ったらハラムと言うんですよね。ハラム。ハラルが許されているもので、許されていないものはハラムと言う。どっちか分からないものはシュブハと言うんですよね、シュブハ。でも、どっちか分からないものは基本的にはハラムというふうに捉えられるので、基本的にはハラルでないとなりませんよというのがインドネシアの非常に大きな特徴の1つです。ということと、もう1つがやっぱり何と言っても伝統小売447万店存在する伝統小売の存在。結局ね、小売なり、中間流通事業者なり、メーカーなり、誰と話をしても、インドネシアは伝統小売の攻略なくしてシェアの獲得なしと、利益の獲得なしということはみんな口を揃えて言うので、インドネシアでハラルと伝統小売というのは、これはもうマストでクリアしなきゃいけない問題。だって、2億8,000万人いるうちの87%がイスラム教なのに、ハラルを取らずに何しに行くんですかという話になるので、やっぱりそこは1つですよね。近代小売が3万6,000店舗ぐらいしかないのにね、一方で伝統小売が447万店あって、近代小売も3万6,000店舗のうちの3万3,000店舗はアルファマートとインドマレットのこの2強コンビニだというふうになったらね、もう伝統小売を獲らずして何を獲るんですかということなので、基本的にはハラルと伝統小売というのがこのインドネシア市場獲得の最も重要な2つのキーワードであるということになります。
次回以降ね、もっと小売を少しかみ砕いてお話をしていきたいなというふうに思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。