森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。日本企業がアジア新興国市場で成功するためには絶対にインプットが必要なんですと、調査しなさ過ぎですと、市場環境、競争環境、流通環境、何も分かっていないじゃないですかと。その上で非常にチープな失敗というか、こんな失敗であれば事前に想定ができたはずという失敗をしているケースがたくさん見られるし、日本企業の失敗事例ってほぼすべて共通している失敗事例なので、やっぱりインプットの少なさというのが非常に大きく影響していますよねと。インプットが少ないということは仮説が甘くなるということで、仮説が甘くなるということは、その甘い仮説をいくら実行しても、良いアウトカムには、成果にはつながらない、結果にはつながらないということなので、インプットを非常にたくさん入れましょうねという話をしてきていて。
もう1つ、逆算の思考で常に物事を考えましょうというお話を前回からしていて。日本企業はどうしても積み上げの考え方なので、前年の積み上げを今年度やるし、今までやってきたことの延長線上でこれからもやろうとする。ただ、この新興国市場って劇的に変わってきていて、10年前と今とまったく違うわけですよね。それを何十年も、20年ぐらい前からやっているディストリビューターを同じように使ってね、今、本当にそれでいいの?って、そもそもディストリビューターの競争力だって大きく変わってきていて、30年前から付き合っていますと。でも、30年前には良かったのかもしれないけど、今はどうなんですかということを、もう1回、じゃあ、客観的に見たときにね、業界何位のディストリビューターと付き合っているんですかと。そのディストリビューターの競争力ってどれぐらいですかみたいなところをぼんやりしたまま、とにかく長く付き合ってきているので、これからもやろうみたいな。それで本当に客観的に見たときに、このポジションのこういう競争力を持ったディストリビューターなら勝てるなということがあるのであればね、それでよろしいと思うんですけども、そうではないのにだらだら付き合い続けるというケースが非常に多かったりして。当然、中途半端に売上があるとね、なかなかそれを切り替えていくというのはリスクなので、大変だと思うんですけど。でも、そこを残しつつ、新たなチャネルをつくっていくというようなことをやっぱりやっていかないと、なかなかその先には進めないし。だから、3年5年10年ぐらいで自分たちが到達すべき地点のイメージをやっぱりしっかり持つ必要があって。10年はイメージでいいと思うんですけど、3年5年ぐらいと言うと、かなりしっかりとしたイメージ以上のもの、数値的なものをやっぱり備えて、じゃあ、そこに行くために、今、何をやるべきなのかということを逆算してやっていきましょうねと。
欧米の先進的なグローバル企業にずっと話を聞いてまわると、自分たちがこの国でどうなりたいのか、今はどうあるのかということが非常に明確にあって、いわゆる経営陣の頭の中に。それを今いる場所から次の向かうべき場所に行くためには何をすることが重要なのかっていうこともちゃんとあって。それが期間でちゃんと区切られているので、逆算すると、今はこういうことをしないといけない、来年はこういうことをしないといけないということが明確になっているので、取りあえず頑張りましょうみたいな話はあまり聞こえてこないんですよね。そこは非常にさすがだなという、シェアの高い会社はすごいなということを感じる次第ですけども。でも、やっぱり何事においてもインプットを増やすということと、インプットがすべてですからね、基本的に少ないインプットでどうやって、インプットって武器ですから、調査をして得た情報、競争環境とか市場環境のこのインプットって武器なので、これを自分たちの経験値と掛け合わせてアウトプットしてアウトカムにつなげていくわけなので、インプットがなければ全部ないみたいな、もうラックになってしまいますよね。万に一つ当たったとしても、それは再現性がないので、インプットを徹底的に入れるということと。
あともう1つは逆算で考えるということをやっぱりしっかりするということは僕は非常に重要かなというふうに思うんですよね。僕も偉そうなことを言っていますけど、人生前半はだらだら生きてきたなという気がするんですよね。気付くのが遅いタイプなのでね。最近思うのは、人生って10年を8回繰り返すことなんだなと思っていて。人生100年時代とか言っていますけど、あんなの絶対に嘘で、100歳まで元気でピンピンしながら100歳でピタッて死ぬなんていうことはなくて、だいたい80年じゃないかなと、今、テレビでいろいろ見ていたらですね。懐かしい人が亡くなりましたというニュースなんかをテレビで見ていると、10年を8回繰り返すと。最初の10年は0~10歳までってあんまりこうね、子どもの頃なので、母親父親に左右される人生になってくるし、後半の70~80とかっていうのもゆっくり余生を過ごしたいということになってくるので。そうすると、10年を6回繰り返すことなんだなというふうなことを考えると、20代とか30代のときに、自分なんて一生生きていると思っているから、当然、去年の積み上げでしかなくて、自分の置かれている環境に応じて自分の成長というのがあるわけで、その環境は親が用意してくれたり、歳が上がってくると自らその環境に飛び込んでいったりするわけですけども、そんなことで成長していくんだけども。僕も今年50になるわけですけども、そうなってくると、残りあと2発かと、10年を2回繰り返すしかないとなってくると、ものすごく逆算思考になるというか。これは、先進グローバル企業の話をさんざん聞いてきたというのもあるし、自分が歳を重ねたということもあるんでしょうけども、でも、それを、いつぐらいかな、30後半か40ぐらいのときから意識をして、逆算をして、紙に書くじゃないですけども、携帯のメモに残すと、何歳のときにこうなる、何歳のときにこうなるみたいな。うちの事業計画書、会社の事業計画書には、僕の年齢とか、役員のね、取締役の年齢が書いてあって、10期のときに何歳になっていて、20期のときに何歳になっていて、30期のときに何歳になっているみたいな。だから、そうしていくと、より逆算の精度が上がったっていう。結果として見てみると、確かに20代~30代で得た成果よりも、30後半ぐらいで僕は逆算を意識するようにしたので、20代とか30代のときよりも、この40から、もうすぐ50になりますけど、そこの成果のほうが圧倒的にアウトプット、アウトカムが出ているので。それは当然なんですけどね、30~40と、40~50というとね、それは何十年も生きてきた中での今なので、そっちのほうがパフォーマンスが良いというのはあるんだけども、パフォーマンスの上げ幅がやっぱり全然違う。もう何十倍も上げ幅が上がっているので、そういう意味では逆算って重要だななんて思ったりしています。
全然関係ない話を後半してしまいましたけども…。カットしようかな。すみません。以上になります。皆さん、また次回お会いいたしましょう。