森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、最近、缶コーヒーを20年ぶりぐらいに飲みまして、20年ぶりというのは言い過ぎかな、15年ぶりぐらいに飲みまして、おいしいなと感じて、缶コーヒーを飲みながらちょっと妄想していたんですけど、そのことについてお話をしたいなというふうに思います。
私ね、20数年前、大学生だったときに缶コーヒーを飲みまくったんですよね。当時好きだったブランドがブルーマウンテンとかね、ボス、ボスのレインボーとか、そういう、一時期はね、まだ、コーヒーというよりかはカフェラテ的なのが好きだったときは、ボスのベージュの缶でカフェラテみたいのがあったんですよ、カフェオーレみたいなやつが、甘いやつが、それすごく好きでね。ちっちゃいときは親に「まだ駄目よ。飲んだら」とかって、「背伸びなくなるよ」とか言われながら、UCCの缶コーヒー、甘いやつですね、茶色と赤と白の。最近あるのかな、あんなの。あれをこう飲んで。たまにASEANでも見るんですよ、アジアでも見るんですよ、UCCのね、昔の。「おー、懐かしい」とかって思って飲むんですけど、あまりの甘さにびっくりするというね。ただ、僕、コンビニでね、お客さんのところに行くのにちょっと早く着き過ぎてしまって、けど、スタバに入る時間もないなと。かといってこの15分、ここの寒いところで待っているのも嫌だなと。じゃあ、コンビニに入ってちょっと暖まろうかなと思いながら。でも、コンビニに入ってトイレだけ使って何も買わないのは申し訳ないから、ホットのところにあったホットコーヒーを買って、うちの東、取締役の東と一緒に飲んだみたいなね。久々に飲んだら、「うわ、おいしい!」というのがそうで。そのコンビニの中でコーヒー飲みながら、「おいしいね」って言いながら妄想にふけっていたんですけど。
この日本のベンディングマシン、自動販売機、外国人が日本に来たときに、自動販売機と一緒に写真を撮ってインスタに上げたりとか、とにかく自動販売機を見て喜ぶわけですよ。そこにね、カラフルな自動販売機にいろんな飲み物が入っていて、お金入れたり、携帯でピッとやったら飲み物が出てくると。これにものすごい感動をするのを見ていてね、僕、自動販売機、ベンディングマシンを使った飲料の販売手法って、日本の飲料メーカーのめちゃめちゃ強い強みだと思っていてね、なぜこれをもっと世界でやらないのかなっていう。20年前だったら、いやいや、ベンディングマシンごと持っていかれてしまいますとか、お金がどうですとか、いろいろあったんだと思うんですけど。このビジネスモデルってまさに流通チャネルそのもので、しかも独占的な、こんな素晴らしいものはないよなと。言ったら、新興国市場における伝統小売がベンディングマシンなわけですよね。今だと、ちょっと僕も詳しくないですけど、飲料メーカーがあって、その下に販社があって、その下にたぶんいっぱい配達とか自動販売機を回る人たちがいて、それを補給して、みたいなことをやるんだと思うんですけど、そういうのがまさにASEANのディストリビューターになってくるんだと思うんですけど。もうすでに欧米のコカ・コーラとかペプシコがあれだけはびこって棚を獲っている中でね、日本の飲料メーカーは苦戦しているわけですよ、アジア新興国市場で。別にグローバルレベルでどこへ行っても飲める日本のジュースやソーダや何かなんてないですから、もう本当にシンガポールの高島屋だったら売っているとか、そういうレベルですよ。基本的に伝統小売に行ったら、どこでも入っているなんていうのはなくて。これって今の欧米の飲料メーカーが築いてきたチャネルを後追いしてつくっていくって、同じように、彼らは型がありますから、チャネルの、その型に近付けてつくっていくって、まあ10年15年かかる話だと思いますよ。言ったら、20年ぐらいかかるかもしれない。
それに対してROIをどう計算するかですけども、このベンディングマシンを使ったビジネスモデルって、まずバズり方が全然違うから、マーケティングを大きく変えると思うんですよね。だって、もう今さら伝統小売に売っているコカ・コーラとかスプライトを見て消費者が喜ぶかと言ったら、喜ばないわけじゃないですか。ただ、本当に純粋に喉を潤すという機能でしかなくて、今の流通は。けど、この自動販売機流通がたぶん投入して一定期間は、彼らにとって購入体験の楽しみを提供できるわけですよね。今の自動販売機ってネットと接続されていて、いろんなことができる、ゲームがついていたりいろんなことができる、こういうのにいちいち喜ぶ。
今、アジアでもそうですけど、欧米でもそうですけども、僕たちが子どものときに流行ったガチャガチャ、企業によってはガシャポンと呼んだり、呼び方がいろいろありますけども、そういうものが非常に流行ってきていると。コンテンツも面白いし。中に入っているものがいいですよね。面白いですよね。僕の子どもはガシャポン見つけると、うわーっと言って、ガーッと走っていって、わけ分からない鍋のガシャポンをやったりとかするんですよね。いや、動物のガシャポンやってサメが出てイエーイと喜んでいるのは僕は分かるんですけど、鍋のガシャポンとか家具のガシャポンをやって喜んでいて、ままごっこみたいなことを、男の子なんですけど、5歳なんですけど、やっているのとかを見て、「あー、そう。この家具とか鍋で喜ぶんだな、子どもは」とかって思って、だから、変な、僕から見たらしょうもないものが出てくるんだけども、それで喜ぶみたいな。でも、それが20個30個とかぶわーっと並んでいて、それに来る。これってすごくて、ガシャポンメーカーにとっての流通チャネルの型なんですよね、このものが。このベンディングマシンをバンバン出して、それが型になっていて。これと同じことでね、自動販売機もね。
15年ぐらい、20年ぐらい前に確かね、そういう時期があったんですよ、自動販売機をどうやってこのモデルをASEAN、新興国に出していくかって。あの時期は早かったかもしれないけど、今まさにね、ものすごい面白いんじゃないかなって。これ、自動販売機の1つあたりの製造コストもたぶん落ちるし、これだけ日本の飲料メーカーと欧米の先進的なグローバルの飲料メーカーの差が開いてしまっているだけにね、そこのあとを追っていくぐらいだったら、自分たちの強みである自動販売機の事業をもう1回再構築して、ブラッシュアップしてアップデートして市場に投入していくというのはなんか面白いなと思って。実はこの日本の市場の中には、ASEANで通用する宝がね、かつてのいわゆる栄光がもう古びてわれわれにとっては何でもなくなってしまったようなものを、もう1回ちょっとブラッシュアップしてアップデートすれば光り輝くものになるんじゃないかななんて単純に思っていて。もちろんね、客観的に精査したわけでもないし、調査したわけでもないし、調べたわけでもないので、なんとなく僕が感覚値で感じたことなので、何か可能性あるんじゃないかなって妄想していたんですよ。時間になったのでお客さんのところに行ったということで、あくまで私のコンビニでの10分程度の妄想のお話を共有しましたので、本当にベンディングマシンの事業がアジア新興国で成功するかどうかは調べてみないと分からない。
というところで、今日はここまでにしたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。