森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、輸出型チャネルビジネスについてお話をしようかなというふうに思っております。
輸出型チャネルビジネスについて話したことって、たぶんそんなに多くないですよね。まず、ここ最近はたぶんなくて。輸出型チャネルビジネスって何?ということなんですけど、新興国市場の展開って、大きく分けて2型あるんですよね、2タイプあって…。ステージですね。ごめんなさい。型じゃなくて、2つのステージがあって、1つが輸出で新興国展開をやっているステージですね。これは日本から輸出をして売っていると。だから、現地法人をつくらずに輸出でやっているパターンと、あと、現法をつくってやるという現法ステージの会社。この現法には生産工場をつくる場合もあれば、販売拠点だけの場合もあるし、それは日本から商品引っ張るのか、どこか第三国でつくっているものを引っ張って現地法人で販売するという、こういう現法をつくってやるのか、輸出でやるのかっていう、この2つのステージがあって。
基本的にはね、現法をつくったり、工場をつくるということは、それは投資をするということなので、イニシャルでマイナスができる、なおかつ、現地の法人が採算が取れるまでは赤字が垂れ流れるということになるので、どちらかと言うと、輸出である程度経験を積んで、市場性を見て、この市場だったらいけるだろうと、ある一定のレベルの売上まで来たときに、より大きなシェアであったり、より大きな利益を求める、もしくは、より競争優位に立つために現法ステージに移行していくという、こういう流れなんですよね。だから、輸出から始まって、現法ステージに移動していくという。これ、大手の製造業さんを見ていてもまちまちです。中国は現法でやっているけど、ASEANの例えばフィリピンは輸出でやっていますよとかね。ASEANの中でもタイ、インドネシアは現法だけど、なんとかは輸出ですよみたいな。なので、基本的には今後新興国市場での売上を上げていく、海外市場での売上を上げていくということは、今、輸出でやっているところを、どんどん、どんどん、現法ステージに変えていくっていうことになるんですけど、これ、売上が変わっていないのに、成長していないのに、現法ステージに変えても、これは赤字がずっと垂れ流れてくるので、生産工場をつくってもね、結局、日本の国内市場のための、安くつくるためのね、日本より安くつくるための生産拠点としての進出じゃないかと、現地の市場取れていないじゃんという話の活用になってしまうので、基本的には輸出でしっかりビジネスをつくるという、こういう二段構想になっていて。
よくこの番組でお話しているのは、現法ステージの話ですよね。特にB2Cなんかの話、FMCGの話をするときに、伝統小売っていう言葉がよくこの番組で出てくると思うんですけども、近代小売だけじゃなくて、伝統小売も獲っていくということは、言ったら輸出では伝統小売ってあんまり関係がなくなるんですよね。なぜならば、輸出をするという時点で、日本で100円で売っているものを、関税諸々入れて250円とかで売るわけなので、そもそも伝統小売には置けないよねということになってしまう。特種なね、いわゆる来客時の茶菓子目的の詰め合わせクッキーとして売れる伝統小売も一部の高級住宅街の中にはあるので、そういうところ以外はね、なかなか売れないんですよ、輸出でやっているときは。
一方で、B2C、FMCG、食品なんかで言うと、業務用というね、ホレカと言われる、ホテル、レストラン、カフェの略なんですけど、そういう業務用市場も出てくるので、基本的にはステージを分けて戦略って考えていかないといけなくて。現法のステージには現法のステージのやり方があるし、輸出のステージには輸出のステージのやり方がありますよと。
この番組では、結構、現法ステージで苦労しているメーカーさんが多いので、特に食品・日用品・菓子・飲料などのFMCGのメーカーに向けての現法ステージのお話をしているケースがあるんですけども、ちょっと何回か、シリーズに分けて、今後は輸出型のビジネスのほうにちょっとお話をしていこうかなと。
なので、今日の話は2つのステージがありますよと。輸出のステージと現法のステージ、2つあって、だいたいどの国でも新規で参入すると輸出ステージから始まって、最終的には現法ステージに行くんですと。なので、大手の食品メーカーでも、現法ステージでやっている国もあれば、輸出ステージでやっている国もあるということで、2つのステージが混在しているという、そういう状態なんですよね。
うちのセミナーでもね、やろうかなと思っています、この輸出型チャネルビジネスの基本ということで、輸出ビジネスをメインにしたお話を。なので、またその案内もしますけど、ちょっと一旦、今日は時間がきてしまったので、今日は2つの違うステージがありますよというところのお話でとどめておきたいと思います。また次回ゆっくりお話をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。