森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も、輸出型チャネルビジネスの基本ということでお話をしていきたいなというふうに思います。前回に引き続きですね。
前回ちょっとお話をしたのが、3つのことを気をつけてくださいねと。どの国、都市に出るかということを決めるときに、まず、その国のレギュレーションをまずしっかりと調べないと、そもそも輸入しては駄目よと、輸出しては駄目よということになるので、レギュレーション。あと、市場の成熟度。市場が成熟していないとやっぱり日本食に引っ張られるような食品というのは、市場がある程度成熟していないと難しいですよね。だから、レギュレーションをクリアして、成熟度もある程度高くて。競合の状況というのは、これは別に競合がいては駄目だということではなくて、競合いてくださいということで、競合がうまくやっているところには市場がそれなりにあるので、そういうところを狙っていきましょうねと。あと、為替と景気は絶えず気にしてくださいねというお話をしました。
今日は、実際に輸出型でやる、消費財のね、ビジネスにおいてもね、新興国市場における消費財のビジネスにおいて、他の飲料とか食品とか菓子とかっていうのは基本的に日本食に引っ張られない、例えばスパゲティーとかね、調味料でもマヨネーズとかケチャップというのは、これはもうグローバル市場で使われているものなので、あまり引っ張られない。一方で、醤油とかみりんとかお酢みたいな話って、使う国が限られています。いわゆる東アジア中心だし、中国の醤油と日本の醤油は違うし、中国のお酢と日本のお酢も違うよねということを考えると、やっぱり日本の醤油はお寿司の醤油だし、刺身醤油として使われるけども、中華の醤油としてはなかなか使われなかったりとかっていうこともあるので、マーケットが小さくなってしまうんですよね。日本食になればなるほどマーケットは、当然ながら、一般的な飲料とか、食品とか、日用品とか、菓子、文具、一般的な調味料に比べるとだいぶ小さくなってしまうと。その究極が、和菓子なんかそうですよね。例えば羊羹とかね、最中とかっていうと、もうこれは最中とか羊羹をそもそも食べたことある人というのが圧倒的に少ないし。じゃあ、現地でそれを食べるのかと言うと、それもまた圧倒的に少ないので。
日本食というのはその次ぐらいに、今流行っているとかいろいろ言いますけど、マーケット全体の比率から見たら小さいですよと言っていることなので、市場規模としては小さいと。なので、できる限り、市場が成熟しているところに向かっていかないといけない。日本食ブームとか日本文化の人気が高い国を狙うということがすごく重要で。自分たちのマーケティングも、その市場全体の流れに合わせてマーケティングを這わせていくってね、輸出なのでできることは限られているわけですよね、マーケティングをやるにしても。だとすると、大きな流れが本当に日本食とか日本文化の人気、ブームの方向性に向いているというところに這わせないと、これ、ブームが逆張りになっているところに這わせていったって、これはもう難しいので、市場全体の流れを1社でつくることはできないので、基本的にはこの大きな流れに這わせるということがすごく重要で。どの国やどの地域で日本食ブームとか日本文化人気というものが大きく伸びているのか、伸びそうなのかということを見極めながら、あくまで大きな流れに這わせると、マーケティングを這わせるということがすごく重要ですよということでございます。
なので、国選び、もっと言うと都市選びということがすごく重要になりますねと、輸出でやる場合はですね、特に日本食に引っ張られる場合は。これが菓子とか、飲料とかっていう場合は、基本的には日本のブームとか関係ない、マーケットが大きいというところをベースに狙っていけばいいので。同じ輸出型でも、日本食に引っ張られる商品と引っ張られない商品ではやり方が大きく違いますよというお話でございました。
それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。