森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、またマーケティングと全然関係ない話なんですけど、僕がここ最近ね、気になっている童話のお話をしたいんですけど…。
浦島太郎なんですけど、皆さんも『浦島太郎』の話はよくよくご存じだと思うんですけどね、僕、子どもにずっと寝る前に、まだ小さいんでね、絵本を読んでから寝るという話をこの番組でもしたことがあったと思うんですけど、絵本を読んでいて。クリスマスだったかな。去年のクリスマスか何かに、うちの弟が僕の息子に「日本と海外の童話全30巻シリーズ」みたいな、そういうのをくれたんですよね。結構、本を読んでいると、日本の童話って何が言いたいのかちょっといまいちよく分からなくて、すごい難しいなと。奥深いというのか、難しいというのか、『はなさかじいさん』とか、『舌切りすずめ』とか、あと、『鶴の恩返し』とか、なんかね…。一方で、ヨーロッパのやつは、『三匹のこぶた』とか、あと、『ジャックと豆の木』とか、読みくらべてみるとね、非常にアメリカの童話ははっきりしていて、ヨーロッパもまあまあ結構回りくどいかなと思うんだけど、日本の童話が一番ちょっと「何が言いたいんだっけ?」というね、読んだあとちょっと切なくなっちゃうというか、考えちゃうというか、そういうのが多くて。
例えば『浦島太郎』なんですけど、僕も小さい頃母親に読んでもらったのを思い出して、当時ね、「なんでだろう?」と、「浦島太郎、何も悪いことしてないのに、なんでこんな目に遭うんだろう?」と、「これ、何が言いたいの?」って。あらためて僕、思い出してね、当時の記憶がね、「何が言いたいんですか、『浦島太郎』の童話って」っていう。ストーリーって、起承転結がやっぱりないと駄目だと思うんですよね。その起承転結がね、いまいちぼやっとしているというか。
『浦島太郎』のストーリーを簡単にまとめると、海を歩いていた浦島太郎が、子どもたちがカメをいじめているので、そのカメを助けて海に返してあげましたと。そしたら、カメが翌日、お礼で竜宮城に連れていきますと。竜宮城に連れていってもらったら、乙姫様と女の子がいっぱいいて、おいしい料理で3日間楽しくワイワイやりましたと。自分の両親が心配なので、浦島太郎は3日遊んで帰りましたと。帰ったんだけども、実は300年経っていて、両親も村もなくなっていたという、そういうお話で。最後、別れ際に乙姫に渡された、「決して開けてはいけない」と言われた玉手箱を開けたら、煙が出てきておじいさんになっちゃったっていう、そういうストーリーなわけですよね。
これ、一体何が言いたいの?って、僕、小さい頃もずっと思っていて。それを子どもに読んでいても、またそれを思っていて。要は、えっ、人を助けちゃいけないの? 人を助けたら不幸になるの?っていうことなのかなとも思うし。玉手箱を開けちゃいけない。開けちゃいけないって言われたものを開けるとこうなるみたいなね。いや、だったら最初からそんなもの渡さないでっていう話だし、なんで乙姫様はそんなものを渡したんだろう?みたいなね。そもそもカメを助けてやったのに、竜宮城に行って3日間遊んだら300年になっちゃうの? ちょっと何が言いたいんだろうと思って。
息子に伝えるのに、ね、例えば『三匹のこぶた』、「やっぱり家はちゃんとレンガでつくらなきゃ駄目だよね」と、「泥でつくったらすぐ壊れちゃうし、木でつくっても燃えちゃうし」とかって、これは教えやすいじゃないですか。でも、『浦島太郎』って、これ、聞いた子どももどう思っているんだろうなとか思いながら、うーん…とこう悩んでおりまして。
一体、『浦島太郎』は何が言いたかったんだと皆さんは思いますか? もしかして、ハニートラップに気をつけろっていうことを言いたいのかな、なんてふと思ったんですけど、そんな話を子どもにするわけもないので。『浦島太郎』はほんとに奥の深い話だなというふうに思います。これからも引き続き考えて答えを見つけていきたいと思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。