森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、日本の製造業のアジア新興国市場への展開における根本的な課題がどこにあるのかというお話をしていきたいと思います。
僕、こんな仕事を20数年やっていて、それなりにたくさんの製造業の課題を見てきたし、それを一緒になって解決をしてきたという経験の中ですごく感じているのは、日本の製造業はアジア新興国市場において決して課題解決能力が低いということはまったくなくて、むしろそれは著しく僕は高いと思っていて、課題に対してそれを解決をしていくという能力には非常に長けていると。一方で、課題認識能力が低いというふうに感じています。つまりは、もっと平たく言うと、課題がどこにあるのかということを探すことが苦手で、一方で課題をいざ課題だと認識してしまったら、それを解決する能力というのは非常に高いというふうに考えていて。われわれが今まで1,000社以上の企業を支援してきていますけど、それらの企業が、課題があるのでご相談に来られて、結局その課題がどこにあるのかということが、なんとなくぼんやりしか見えていないので、ここかもしれないし、ここかもしれないし、こうかもしれないとか。あと、課題があることにすら気づいていない、ただ、一方で結果に満足していないみたいな、そういうケースが結構あって。
そんな中でいろんなやり取りをするときに、われわれは診断をさせてもらうんですよね。非常にライトに最初に診断をさせてもらって、特にチャネル周りの診断を。海外販売チャネル診断という、われわれの独自のノウハウで組んでいる診断プログラムがあるんですけど、そのサービスを受けてもらって診断をしていく。特にチャネル周りの診断をしていくんですけど、多くの場合は8割9割方やっぱり販売チャネルに問題があって。じゃあ、それが具体的にどういう問題なんですかっていうことが明らかになって。じゃあ、それをどうやって対処しますかということを提示させてもらって。そうすると、お客さんはお客さんたちで、それを自分たちで、自分たちの達成し得る時間軸でどんどん改善していく。この能力には長けているんですよね。ただ最初の、そもそもチャネルに課題がやっぱりあったのかということを明確にするということと、じゃあ、具体的にチャネルのどこがどうまずいのかということを可視化することと、じゃあ、その悪いところをどう改善する必要があるのかという基準値の部分ですよね、どこまで改善すればいいのかと、対競合に対してなのか、対市場に対してなのかね、そこがやっぱりなかなか難しいところなので。課題をしっかりと認識できれば、全然優良というか、強いと思っていて。
じゃあ、なぜそうなのかと言うと、やっぱり競争環境がまず絶対的に変わってきている。この30年間で競争環境って劇的に変わりましたよね。その昔、日本企業しかつくれなかったものがアジアの企業でもつくれるようになってきているので、基本的には良いものをつくっていれば売れるという状況ではないので、競争環境は大きく変わってしまったし。あと、もう1つは、やっぱり日本の国内の市場とか欧米の市場が今まですごく重要でね、その市場ではあらゆるものが整っているわけですよね。チャネルもある、完璧なものが整備されているし、製品だって、プロモーションだって、ノウハウだって、オペレーションだって、市場や顧客や中間流通からの信頼だって、すべてが整った状態で物事をやっているので、そんな根本的なところに課題なんてないんですよね。もっとマーケティングの下流の最前線のところに課題があって、そこでのきったはったで売上をどう上げる、シェアをどう上げる、もしくは新たな製品開発のもっと川上の部分で、じゃあ、次の世代の、次世代の新製品どうする、新商品どうするみたいなところで課題がある。だから、そんな販売チャネルとかね、そういった根本的なところにあまり課題がないので、認識できないというのは当然のことで。
やっぱり弊社でも、この海外販売チャネル診断をお勧めをしていくんですけども、そこに課題があるという認識すら持ってないというケースが非常に多いので、それをやってどんどん解決をしていく、「やっぱりそうだったのか」というときのね、喜んでいるお客さんの顔が僕は好きでこの仕事をしているんですけど。でも、このエピソードで言いたかったのは、決して課題を解決する能力は低くないんですよと、それよりも、課題を課題だと認識する能力が、能力というか、そこが苦手であるということで、いざそれを弊社が提供しているような診断サービスで認識してもらえれば、皆さん課題はどんどん解決できるし、解決を今現状しているので、日本の製造業というのはまだまだアジア新興国市場でシェアを伸ばせるんだろうなということを日々感じておりますというお話でございました。
ちょっとポジショントークみたいなふうになってしまったかもしれないですけど、そんなことは微塵も考えておりませんので。ということで、ぜひね、皆さんも何かシェアや売上に問題を抱えていると思っている方がいらっしゃれば、弊社のホームページでも少し海外販売チャネル診断のご紹介をしていますので、覗いてみてください。何かあればいつでもお気軽にお問い合わせください。以上でございます。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。