森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日は、弊社スパイダー・イニシアティブ株式会社を私がどのようにしていきたいのかということについて、少しお話をしようかなというふうに思っております。
ご案内しております通り、7月1日に弊社は本社を虎ノ門ヒルズ森タワーに移転をしましたと。虎ノ門ヒルズと言うと大きな立派なビルですから、皆さん、「うわー、すごいね!」と言うんですけど、おそらく虎ノ門ヒルズの中で一番小さなテナントじゃないかなというふうに思うので、そんなにたいそうな賃料を払っている…、確かに坪あたり高いですけど、あれでもないですし。さすがにシェアオフィスではないですけど、普通のテナントですけど、そんな大したことではないですよというのが1つと。「ますますこれから拡大をしていって、さらなる成長を」なんていうふうに言っていただくんですけど、成長というか、拡大成長はもちろんそうなればいいなと思っていますし、ある一定水準においてはそうならなければいけないというふうに思っていますけども、私はそんなに拡大成長…。もちろんね、この10数年間ずっと右肩上がりに成長はしてきているので、引き続き成長はしていくと思うんですけどもね。ただ、そこって全然一番に考えていなくて、どちらかと言うと、弊社って本当に限られたお客様が、本当に弊社を必要としてくださる限られたお客様のために10年20年お付き合いをしている、私の前の売却した会社からお付き合いをしてくださっているお客さんなんかもいらっしゃるので、一番長いお客さんだと20年付き合っているんですよね。スパイダーを設立して今13年ぐらいになると思うんですけども、設立当初から付き合ってくださっているお客様ももう10年以上、13年近く付き合っていただいているので。僕もね、20代とか30代の頃は「とにかく規模だ、拡大だ!」みたいな、そういう時期がありましたけども、私も今年50ですから、あまりそんな「拡大して」みたいなことは思っていなくて、どちらかと言うと、僕は「なぜスパイダーをやっているんだっけ」みたいなことを考えたときに、一番やっぱり自分が「仕事をしていて良かったな」っていう瞬間って、お客さんとの報告会をやっぱり1つ大きな瞬間で、この間もあったんですけども、お客さんのためにいろんなことを調べて、「こうすべきだ、ああすべきだ」という提言をするというのが大まかに言うとわれわれの仕事ですけども、そのときにお客さんが「そうだったんだ」と、「なるほど。そうだよね」と言って、ものすごい喜んでいる、満足気な顔というね、喜んでいるというか、われわれが出した成果に対して非常に満足気な顔をされているのを見て、「ああ、本当にうれしいな」という、自分の中から何かが出ているのをすごく感じるんですよね。喜びホルモンみたいなのが出て、その顔を見ているとね。そこがやっぱり僕はすごく一番重要で。
うちの会社のMVB、ミッションとか、ビジョンとか、バリューみたいなところにも書いているんですけど、「僕らのミッションって何?」と言ったときに、やっぱり企業のマーケティング課題を解決すること、よりよい未来に貢献していくという、そういう会社になりましょうと、これがわれわれの使命だよねって定義していて。ビジョンに関しては、自分たちが比較的近未来に目指している姿って、やっぱりアジア新興国市場におけるマーケティング活動で「スパイダーだよね」と言ってもらえるようなね、そんなビジョンを持っていて。その中で僕たちがお客さんに対しても、社内もそうですし、社内外に対して社員1人1人が大切にすべきと感じている価値観というのは、1つはやっぱり自由でありたいという、これはもう僕も、僕は自由をすごく大切にしているので、社員の働き方に関しても自由出社を認めているし、ダブルワークも認めているし、かなり自由度は効いていると思うんですよね。その代わり責任はしっかり果たしましょうと。単に自由だけだったらね、それは勝手にどこか外へ行ってやってくれと、自分でやってくれという話なので、責任と。あと、結果がすべてなので、プロセスがうんぬんとかっていうのは見ませんよと。結果を良くするためのプロセス改善は重要視しますけども、基本的には頑張った、そんなのは知らんという、そこはある意味厳しく、その代わり徹底的に自由にという、たぶん普通の会社で言っている自由よりも本当に自由なので、そういう意味ではね、価値観を大切にしていて。なので、拡大させようと思うとね、こういうものをある程度犠牲にというかね、重要度を下げてやっていく。商売ですからね、お金を儲けよう、稼ごうと思ったらいくらでもやりようはあって。けど、それってやっぱりミッションとかビジョンとかバリューがついてこないので長続きしないし、いずれというか、比較的早いタイミングでやっぱり天井が来ちゃうので、「拡大拡大」と言っていても、結局究極の拡大にはつながっていかないし、持続的な拡大にはつながっていかないので。やっぱりこのミッション・ビジョン・バリューを大切にして、僕が報告会で、「ああ、お客さんからこの表情出た」っていうのをね、このためにやっているので。中間であんまりいい表情を得られなかったのに、最終で挽回していい表情を得られたとかね、そういうケースもいろいろあると思うんですけど。やっぱりそういう会社になりたいので、本当に自分たちのことを必要としてくれるお客さんのために長く付き合っていく。そんなたくさんのお客さんを取っていって、新規でどんどん受けてってあんまり考えてなくて、なので、弊社には営業マンが1人もいないんですけども。なので、そんなふうに考えていて。虎ノ門ヒルズに入ったので、=拡大してどんどんみたいなことを期待されて、祝福的な意味も込めて言ってもらうんですけど、「そんなことはないですよ」というふうに説明をしていて。本当にね、10人近くの方に今回の移転でそんなふうに言われたので、きっとそう思っている人もいるのかなと思って今回ちょっとこのエピソードでお話をしていますけども。そんなことは全然考えておりません。結果としてついてくればね、それはそれでいいことだと思うので。それよりも自分たちのミッション・ビジョン・バリューを大切にして、重要なのはお客さんの満足気な顔を見るということがやっぱり僕は大切なので、長くつきあっていくという会社をつくりたいなというふうに思っています。その結果、成長がついてくればいいなというふうに思っております。
ということで、なにやらまた、全然マーケティングとは関係ない話になってしまいましたけども、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。