森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。森辺一樹です。今日も引き続き、ベトナムの市場についてのお話です。前回、前々回とね、ベトナム市場攻略のポイントということでお話をしていますが…。
3つありますよと、南北問題の話をしましたね。南北問題。それから、前回がセールス機能がないよと、ディストリビューターはセールス機能ないですよと。基本的には伝統小売をやらないといけない市場であると。近代小売はマストで、伝統小売をやらないといけない市場である。66万店の伝統小売に対して近代小売は8,000、9,000店舗ぐらいしか主要どころがないので、基本的にはウィンマートとかコープマートとかゴーとかメガマートとかイオンとかロッテマートを獲るには、基本的にはそこでの存在感がないと伝統小売で売れませんから、基本的には近代小売が先なんだけども、伝統小売は重要だよと。
じゃあ、ディストリビューターに頼って近代小売をやるって言ってもね、結局、近代小売とどれだけメーカーがコミュニケーションを取れるかなんですよね。自分たちの商品を、どの棚の、どの位置に、どういうふうに並べて、どういうふうにキャンペーンに参加したりしなかったり。価格もまちまちだしね、A社からはこれぐらい取るけど、B社からはこれぐらい取る。日本企業、日本のメーカーなんていうのは基本的にはカモネギ扱いされているから、リスティングフィーだって高いし。シェアが高ければ高いほど安くなるし、低ければ低いほど売れないので彼らもたくさん取りたいわけですよね、回転が良ければ。だから、卵が先かニワトリが先かみたいなところはあるんだけども、メーカー自身がしっかりと、僕は、小売とコミュニケーション取らないと、基本的には近代小売で安泰なポジショニングを継続し続けるということは、僕はもう難しいと思っているので、まず一つそこがありますよと。
じゃあ、ディストリビューターはどこで使うんですかという話なんですけども、基本的には伝統小売で使いますよと。その伝統小売で使うディストリビューターがセールス機能がないと。「えっ、じゃあ、あなたたち何なの?」と、デリバリーボーイなわけですよね。なので、基本的にはセールスの部隊を自社で持たないといけないし、ディストリビューターにセールスをつけていかないといけない。つけ方というのは、自分たちで雇って派遣するパターンもあれば、基本的にお金はこっちが出してディストリビューターに雇わせるというね。なんだけども、雇わせるときのセールスマンの面接は全部こっちでやったほうが良くて。結局これってセールスマンの数なんだけども、数と質ってすごく重要で、数が足りなくても駄目だし、質が悪くても駄目。基本的には質に関しては経験者を雇っていくということはまず必須なんですよね。未経験者を雇ったら2週間で辞めますから。基本的には経験者であるということと。あと、私たちは日本企業だから、他の企業よりもインセンティブが低いですとか、お給料が低いですとか、こんなことはセールスマンにとっては何の関係もない話なので、基本的にはやっぱり業界平均みたいなところでしっかり出していかないと駄目っていう。そこでしっかりとつなぎ留めるというか。業界平均以下のもので来るってね、それは質の悪い人しか来ないし、やっぱり不満は溜まりますよね。そのうちうまくサボって、要らない子たちだけが残って、本当に優秀な人たちは辞めていくというのをたくさん見てきたので。基本的にはやっぱり報酬は業界平均、これは会社がまだ儲かっているとか儲かっていないとか、これは雇われる社員にしてみたら全然関係ない話なので、そこは引き合いに出さないほうがいいですよと。
あと、よくありがちな採用が、「とにかく優秀な人」と言うんだけども、優秀な人ではなくて、やらせるジョブディスクリプションに合致した人を雇うということはすごく重要で。伝統小売に配荷するのに優秀な人間なんて必要ないんですよね。伝統小売のオーナーさんがだいたい店に来るのといったら、お昼前後ぐらいなんですよ。その辺の近所でご飯食べて、店先にちょっと立って、2時3時には帰ってしまうみたいなね。あとは親戚にお店任せているとか、バイトの子にお店任せているとか、そういう話なので。このタイミングを狙って店のオーナーとしっかり関係構築して、ひいきにしてもらえる、そういう愛らしい性格の子を雇うということはすごく重要だし。あとね、地元には地元の人間をあてていくということはすごく重要で、自分たちが生まれ育っている場所というのがあるわけですよね。例えばホーチミンの中でも何区で生まれ育っている、そしたら伝統小売のおばちゃんも、「前からこの子知っているわよ」みたいな、そういうケースというのは結構あって。そこにちゃんとあてていくということはすごく重要なので。ここもすごく小さなテクニックがいっぱいあるんですよね。こういうものをしっかりあてて、セールス部隊を自社並びにディストリビューターの中に適度に置いていく。
あと、ディストリビューターの選定も、これはすごく重要で。やっぱり筋の良い30代とか40代前半のオーナー社長のディストリビューターというのはあって。ここはやっぱりすごい筋がよくて、こういうところを積極的に選んでいく。そうすると、、そういうところはセールスというものに対するとか、マーケティングに対する理解があるので。「私は運ぶだけです」みたいなね、Tシャツ着ないで、ビール腹出して、短パンでビーサン履いて荷物運んで「おいっ」と言っている50~60代のおじちゃんのディストリビューターとかもいっぱいあるんですよ。でもね、そこにセールスとかマーケティングの話をしても、それは理解させるのは無理なので。やっぱり筋の良いディストリビューターをしっかり見つけていくということ。でも、こういうところって結構もう、欧米のあそこがもう使っているとか、いろいろあるので、その中で彼らとしっかり商談していく。彼らもまだまだ伸びたいと思っているので、結構そこはまだまだチャンスはあるかなというふうに思います。なので、ベトナムの市場は、とにかくこの3つを中心に戦略を組んでいくということが大変重要になるかなというふうに思います。
ちょっと概要をオーバービューでバーッと3回にわたってお話しましたけども、次回以降ね、VIP、ベトナムをやったので、ほかの、インドネシアとか、それからフィリピン、タイなんていうのもやっていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また皆さん、次回お会いいたしましょう。