森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺一樹でございます。今日は前回に引き続き、前回あれですよね、ディストリビューターの、既存のディストリビューション・チャネル、ディストリビューターに満足ができていない企業が多いですよと。その中で、今のディストリビューターとの取り組みのボトルネックであったり、今のディストリビューターの競争力の可視化みたいなところの重要性、何が問題になってシェアが上がらないんですかって、どこがどう具体的に問題なんですかっていうことを可視化していかないと改善策って見つかりませんよねというお話を前回させてもらって。
今回は、じゃあ、ディストリビューターがね、今のディストリビューターのボトルネックを理解して、そこを改善していくということができればね、もちろんそれが一番早いやり方、改善のやり方。一方で、対競合と比べてシェアって決まるわけですから、競合のシェアを1%取るから自分のシェアが1%増えるという話でね。競合との競争力が50も60も開いていたら、これはやっぱり既存のディストリビューターではなかなか難しいという判断になるので、新しいディストリビューターをということになるわけですけども。当然ね、新しいところと、じゃあ、お付き合いを始めてすぐに成功するかっていうことはやっぱり分からないし、そこの不安を拭えないとなかなか現状から大きく変えるなんていうことは現実問題できないので、そこを丁寧に時間をかけながらやっぱりまた可視化していくということはすごく重要で。
ディストリビューターのリストづくりをするんですよね。ロングリストからショートに絞っていくんですけど、結局、ディストリビューターってね、決して大きくて強ければいいなんていう話ではなくて、自分たちが今、何を求めているのかっていうのがね、これは日本企業にとって一番重要で、どうしたいんですかと、短・中・長期でね、それに応じてディストリビューターって選んでいかないといけない。これは日系企業の悪い癖なのかもしれないですけど、現地のローカルの人材採用もそうなんですけど、「とにかく優秀な人材を採用したい」と。「優秀の定義は?」と言うと、「いや…、優秀」というね、いまいちぼんやりしたまま優秀。でも、そうではなくて、伝統小売を攻略するための要員が必要なんだとかね、あと、マーケティングの要員が必要なんだとか、ジョブディスクリプションが明確にあって、それに合致した、出来過ぎても駄目だし、出来なさ過ぎても駄目で、合致した人材を採用しないといけないので、それが「優秀」ということなんですよね。ただ闇雲に優秀ということではなくて。ディストリビューターもそうで、ただ闇雲に優秀、大きいということですよね、優秀ということはね。そういうディストリビューターは、やっぱり皆さんよりもね、より長く、より多くの物量を取り扱っているプリンシパル、つまりはメーカーとの取引がすでにあるので、結局、皆さんの商品を本当にどれだけ本気でやってくれるかというのは分からなくて。どれだけ強いチームがあてがわれるのかというのも分からないし。向こうも本気にならないですよね。
そうすると、自分たちを、まず己の可視化みたいなところって、すごい客観的な可視化というのはすごく重要で。自分たちって、ほかのね、消費財メーカーなら消費財メーカー、同じカテゴリーのメーカーと比べてどうなんだっけと。向こう3年5年どれぐらい売ろうと思っているんだっけと。ここのボリューム感がディストリビューターにとって魅力的かどうなのかというところがすごく重要で。これがやっぱり魅力的じゃないよねと、このボリュームはと。ただ、日系の大手だし、ネームバリューは魅力的だね、取りあえず付き合っておこうかぐらいの話だと、やっぱりエースは来ないし、本気で力が入るというのも、なかなか僕は見てこなかったので。そこってね、すごく重要で、自分たちがどういう規模の事業をしようとしているのか、そして、何を目指して、どこに目的や目標を置いているの?というところを客観的に見て、それを魅力と思ってくれるところとまず組むということはすごく重要だし。
もう1つの観点から言うと、自分たちが実現したい、自分たちが例えば配荷したいお店とか、売りたい企業とかね、そういうところと今現状取引があるかないかということはすごく重要でね。どれぐらいの取引があるかって。だって、取引がないのに、新しく新規で取引口座をつくるって、これは1年かかりますよね、最低でもね。なので、やっぱりそういうところから見ていかないと。ターゲットをまず明確にするって、この番組でも何回も言ってますけども、ターゲットを明確にして、そのターゲットに売れるディストリビューターが重要なんですということが、まず、あるわけですよね。一方で、自分たちがやろうとしているボリューム、それを魅力的と感じてくれるディストリビューターでなければならないということも1つ大きな要因かなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。また皆さん、次回お会いいたしましょう。