森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺一樹です。今日も少しディストリビューション周りのお話をしていきたいなというふうに思います。対象はFMCGが中心になりますかね、食品・飲料・菓子・日用品等の、文具も含めてですかね、FMCG周りの消費財メーカーさんを対象として、ASEANのケースが想定としては一番多いですかね、やっぱり最近、もうここ10年近くね、ASEAN…、10年は言い過ぎかな、7年6年ぐらいはやっぱりASEANが非常に弊社としてもね、ご依頼の対象地域ではあるので、特にタイ+VIP、タイとベトナム、インドネシア、フィリピンみたいなところが非常にご相談・お問い合わせとしては大変多いので、その辺りを対象にお話をしていきたいなというふうに思います。
ディストリビューションの話なんですけど、課題を感じている企業には2タイプあって、1つは中小企業さんで、海外展開やってはなくないけども、そんなに大々的にやれてないですよと。生産拠点としては中国とかベトナムに持っているものの、海外の輸出に関してはそんなに大きなボリュームやってないというような企業さんと、あともう1つは大手の消費財メーカーですよね。どちらかと言うと、こっちのほうが弊社の場合は8割ぐらいで、2割ぐらいが中小企業さんからのご相談というケースが多いんですけど。こういう大手はね、もうほとんどの国に自分たちの拠点があって、生産拠点・販売拠点があって、現産現販をしていますよと。大手と言ってもね、ほとんどの国にあると言いましたけども、輸出でやっている国もまだあるんですよね。タイは自分で生産拠点あります、インドネシアもあります、ベトナムもあります、フィリピンが輸出やってますとかっていうケースが非常に多いのかなというふうに思います。フィリピンにね、生産拠点を持っている企業ってそんなに多くないので。合弁でやっているケースもあれば、独資でやっているケースもあるし。前者と後者の課題感なんですけど、目的はね、両方とも商品を売りたい、同じ目的なんですよね。ただ、中小企業さんの場合と大手の企業さんの場合だと売りたい量というのが全然変わってくるわけですよね。言ったら、出したい利益の額が変わってくるので、当然、求めているものが変わるということは、その求めているものを達成するための販売チャネルのつくり方も大きく変わってくるわけですよね。
どっちから先に説明しようかな。じゃあ、中小企業さんのほうから先に説明すると、中小企業の場合はやっぱりどの国も網羅的にというのは難しいので、選択と集中ってね、ほんとにそうだなと。頭で理解していても、なかなか体で理解するというのはね、そうなってみないと分からないんだけども、結局、大企業と中小企業の差って何?って言うと、一番は経営資源、人・モノ・カネ・情報が、使える人・モノ・カネ・情報が少ないと。じゃあ、その使える人・モノ・カネ・情報をいくつもの国に分散してしまったら、それぞれの国での経営資源がさらに少なくなるので、持ち得る経営資源を一番難易度の低いところに充てていくということはすごく重要で。その国でね、マーケットシェア5割獲りましょうとか、そういうふうに言っているわけではないわけですよね、中小企業の場合はね。まずは1億やれたらいいなと、そして数億、最終的には10億20億やれたらいいなというのがおそらく消費財関連の中小企業のターゲットとしているところだと思うんですね。
そうすると、やっぱり最初、難易度の低いところを選ぶというのはすごく重要で。タイ+VIPとかだと、やっぱりタイが比較的やりやすい事例なのかなと。私どもの会社でもね、タイは多いので。大企業ももちろんそうですけど、現地にすでに拠点を持っている大企業もありますけど、輸出でやっている中小企業さんもあるので、タイから始めるというのがたぶん順当なんじゃないかなと。なぜならば、VIPはね、結局、最終的には伝統小売を考えないと十分に利益が出ないんですよね。一方で、タイは近代小売だけでも十分に利益が出ると。そうすると、近代小売にどうやって押し込むか、ねじ込むか、というのがすごく重要で。いっときね、流行った、日本のドラッグストアに取りあえず売りましょうみたいなね、日系のにおいのするスーパーに売りましょう、みたいな。結局、今、蓋を開けてみたらね、それじゃ全然儲からないじゃんと言ってみんな撤退してしまったりね、小売店自体が撤退したりなんていうことがあるので。もうタイは、この番組でもね、何回か前のエピソードで話しましたけども、セブンイレブン一択なので、CPにどれだけ商品を入れるかということで、ディストリビューターを選ぶというよりかは、小売との折衝をする。自分たちで当然ね、チャネル、ルートがないので、セールストークみたいになってしまって嫌ですけど、われわれみたいなところを使って押し込んでいくということがたぶんやり方、早いやり方になるのではないかなと思いますけども。ディストリビューターを選んで云々というよりかは、基本的には小売ですよ、というお話になると思います。
ちょっと時間が来てしまったのでね、また次回、少し続きをお話したほうがいいかなと思うので、また次回ちょっとお話をしていきたいと思います。今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。