森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺一樹でございます。今日も、製造業向けのお話です。B2C、B2B、どちらでも構わないと思います。対象は、アジア新興国市場、アジアに限らずですが、最近はやっぱりタイ+VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンが非常に多いので、その辺を想定したお話になるかなというふうに思います。
少しね、前回のお話と近しいのかもしれませんけど、前回ね、私がいろいろ先進グローバル企業、日系企業、ローカル企業を見ていく中でね、ディストリビューターの選定が間違っている会社は、現地のローカル社員の採用に関しても間違いをおかしてしまっているケースが少なくないですよというふうなお話をしたと思います。基本的には、漠然と大手のディストリビューターとかね、実績のあるところとか、漠然と優秀な社員みたいな、ローカル社員みたいなね、そういうかたちで進めている会社ってなかなかいい結果には出てないですよねと。自分たちがどういう目的があって、その目的に合致しているディストリビューターなのか、どこに売りたいのか、そこに売れるのか、何をやらせたいのか、それができるのか、それを基準にディストリビューターも社員も採用していかないと、なかなか難しいですよねという話を前回して。
でね、結局、ディストリビューターはもちろん管理育成をしていくし、社員も教育をしていくんですけど、根本的な部分って絶対変えられないんですよね。例えばディストリビューターの社風を変えるってね、30年その社風でやっている会社の社風を変えるって、相当な力を相当な年数かけないと、そんなの変わらないですよね。力っていうのは、資本そのものを変えていかないといけないわけですから。それって不可能っていうか、そんなことそもそもしないわけじゃないですか。そうすると、相手を変えようとするよりも、今求めているものに合った相手を選ぶっていうことのほうが、圧倒的に有効な手段なので、やっぱりディストリビューターを変えようとすればするほど、これはもめることになるのでね。管理育成はもちろんしていかないといけないんだけど、こっちのやり方に合わさせるっていうようなことを私は管理育成しているのではなくて、決めたKPIを、シンプルなね、シンプルなKPIを定点的にやれてるかやれてないかを両社で確認し合うっていうことが管理なので。管理される側とする側みたいな話じゃなくてね、お互い契約のときに決めたKPI、私たちの両社の目的はこうですと、目標はこうですと、じゃあ、この目標を達成させるためのKPIはこれですと、じゃあ、これができているかを毎週毎月確認し合いましょうと、これがうまくできていかなくなると、当然目標も目的も達成できないので、そこに両社協力して対策を打っていきましょうっていう話なわけですから。これを管理と言っている。
育成というのは、他のブランドの商品よりも、自分たちのブランドの商品を売りたいって、セールスマンね、末端のセールスマンが思ってもらってなんぼなわけですから、そういう活動をね、それは製品教育もそうだし、自分たちの商品ってどういう思いでつくられているのかっていう、フィロソフィーに近いような部分とか、ビジョンに近いような部分、そういったものを理解してもらうこともそうだし。これも一方的に分かって分かって分かってって理解させるのではなくて、やっぱりギブアンドテイクなので、報酬。宗教じゃ駄目なんですよね。分かって分かって分かってなんていうのはひとりよがり過ぎるので。ちゃんと自分たちの考えを話をして、それに共感をしてもらうということはもちろん重要なんだけど、一方で、やってもらいたいことがしっかり達成できたときにしっかりインセンティブを出すというね。お金は出せないけど分かってみたいなね、そんなの日本国内でしか通用しないので、そういうのはなかなか難しいですよということですから。本当に決めてしまってね、あーっていうところを変えようとする力って本当に大変だし、ディストリビューターの変更はできないとは言いませんと、これは別にもっとやったらいいし、駄目だと分かっているのに変えることによるリスクにやっぱりリスクを考えてしまって、なかなか現状を変えられないで徐々に衰退していくみたいな企業もたくさん見てきたので。間違ってしまってたんだったら、それは修正していかないといけない。
僕も、結構、平和主義なので、ドラスティックにバーンと変えてね、やっていくなんていうやり方はあんまりお勧めはしてなくて、特に日系企業の経営スタイルに合わないので。そうすると、いかに補完をしていきながら、リスクをある程度のところまで小さくして、そのタイミングでスイッチングをするみたいなことをよくやるんですけど、ディストリビューターをパッパッと替えてしまうと、1回売上がドーンと落ちるので、棚から1回落ちたらね、B2Cなんて、またその棚に入るのも結構しんどいですし。B2Bだってね、1回…。B2Cなんて欠品したら大変ですもんね。B2Bもね、やっぱり同じなので、そこは状況に応じてやっていくわけですけども。なので、選ぶっていうこの選定、ディストリビューターも人材もね、非常に重要なポイントですよ、というお話でございました。
じゃあ、これぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。