森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、再参入についてちょっとお話をしていきたいなというふうに思います。
市場はASEANにしておきましょうかね。やっぱりASEANがね、最近ご依頼としても非常に多いので、タイ+VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピン。ベトナム、インドネシア、フィリピンでの再参入はやっぱりASEANの中だと一番多くて。新興ASEANですよね、基本的に難しいので。対象は製造業ですけど、特に食品・飲料・菓子・日用品等のFMCGの事例を使ってお話しようかなというふうに思います。一方で、B2Bの製造業にとっても、まったく関係ない話かと言うとそうではないので、B2Bのリスナーさんがいらっしゃったら、自分たちの事業に置き換えて聞いていただければなというふうに思います。
食品・飲料・菓子・日用品・文具等々のVIP市場、特にベトナム、インドネシア、フィリピンにおける再参入戦略の構築、そんなことに迫られている企業というのは非常に多くて。1回過去に出て撤退して、今まさに再参入をするというケースと、すでに出ていて、そこからずっと出ているんだけども、決して良い状況にないという中でどうしていくかみたいな、そんな2つのタイプがあると思うんですよね。そんな中で再参入の戦略をつくるお手伝いをしていて非常に感じるのが、やっぱりね、客観視できていないという、失敗の要因をどれだけ客観視できるかっていうことが、再参入をするための新しい戦略をつくる上で本当に重要で。そこを変えないと結局また同じことの繰り返しになるので、どれだけ真実を客観的に見て、失敗の要因を探れるかっていうことが、僕はすごく重要だと思うんですよね。その真実に行き着くと、その真実を、じゃあ、改善するための対策を考えられるようになるので、戦略自身が前向きに変わっていくわけですよね。
ただ、その真実の特定、可視化、調査みたいなところをやっぱり…、ポイントがずれてしまうというんですかね、ポイントがずれているケースもあれば、そこがまだまだ重要だというふうな理解にない企業というのは結構多くて。なぜならば、先人がやったことなので、前の担当者、もしくは前の前の担当者、もしくは前の前の前の担当者がやった話で、時代背景や市場背景も違うので、もういいやみたいなケースって結構あって。それよりも、今、じゃあ、現状を見たときに自分はどう捉えるかって考えたときに、決して自分はそのVIP市場のね、ベトナム、インドネシア、フィリピン市場の専門家でもないのに、その答えが初めから自分の中で何かある程度あってしまって、もしくはその答えというのは上から下りてきているものなのかもしれないけども、そこをベースにいろんなことが組み立てられるので、本当の真実とは1つ離れたところで物事が進んでいくというシーンをね、結構たくさん見てきたんですよね。われわれはそれを正すのが仕事なので、遠慮なく、「それだと無理ですよ。なぜならばこういう事例があって、こういうふうに失敗しているから」とか、「おそらく、それでいくとこういう課題にぶち当たりますよ」とか、そんなことを提言していくわけなんですけど。やっぱり、そこをすごく感じるし、そういうシーンを見るので。
再参入戦略において、まず重要なのって、前回なぜ駄目だったのかっていうところの要因をね、出来る限り真実を客観的に見るということはすごく重要で、結構、各社さん、前回の失敗要因について、まったく分からないなんていう企業はなくて、分かっていて、答えはあるんだけど、その答えが都合の良い答えに変わってしまっているというケースが非常に多くて、本当にそうなんでしたっけと、だとすると、なんでそんなことにそのとき気づけなかったんでしたっけみたいなね。非常にシンプルな要因で片付けてしまうというケースが非常に多いので、そこはね、再参入戦略をする上で大変重要ですよと。失敗をした要因を客観的に可視化をして、本当の真実に行き着くというね、ここがないと次の戦略なんてつくれないので、ここは1つ本当に重要なポイントだなというふうに思います。
今日は時間がきてしまったので、これぐらいにしたいと思います。また次回、皆さんお会いいたしましょう。