森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続き、再参入戦略についてちょっとお話をしていきたいなというふうに思います。対象はFMCG、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカーで、対象国はVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンを中心にお話をしていきたいなというふうに思います。B2Bのリスナーさんがいらっしゃいましたら、自分たちの事業に置き換えて聞いていただければなというふうに思います。
VIP市場、ベトナム、インドネシア、フィリピン市場の再参入ですけど、比較的、消費財メーカーは多いですよね、この市場。なぜならば、まずVIPは非常に市場が多いと。ベトナムで1億弱、インドネシアで3億弱、フィリピンで1億強ということで、ここだけで約5億人の市場であると。非常に親日でもありますし、今、エマージングな、新興ASEANと私は呼んでいますけども、大きな市場なので、非常に注目が注がれているというのがここ10年ぐらいは特にそうかなと。消費財メーカー、大手なんかはもう皆さん出ていますよね。進出、工場を持って合弁でやったりとか、いろんな形態で出ているケースがあって。もちろんね、まだフィリピンなんかは輸出でやっていますよというケースもあるし。そんな中で、再参入と言ってもね、かつて出ていて1回撤退して、今、再びまた進出をするというケースと、あと、かつて出て、そこからあまりいい成果は上がってないんだけど、一応出続けていて、今、再びギアを入れるために再参入を、もう1回戦略を描き直すという、2つの再参入があるわけですよね。こんな企業からのご相談が非常に多くて。
前回のエピソードで、前回の敗因、もしくは今まだ出続けている企業だとね、今現状、何が問題なんだということを、いかに客観的に捉えて、真実を見れるかということが、今の課題を突破する非常に重要なポイントですよと。なんだけども、かつての敗因を非常に軽視しているシーンというのを、僕はたくさん企業の中で見てきて、また、自分たちに都合のいいような解釈で敗因を分析しているというケースもたくさん見てきたと。それだとやっぱりまた同じ失敗を繰り返しているという、同じ国で2回、3回目の、3度目の正直なんていう企業って結構あるのでね。なので、それってやっぱり敗因分析がちゃんとできてないんですよね。自分たち都合の敗因で考えてしまっている。だから、真実を見てくださいねと、敗因を分析するということは本当に重要ですよというのが前回お話をした。だって、その敗因を変えていかないと成功しないですから。特に日本企業の場合は1人の人がずっとやっているわけではなくて、替わっているわけですよね、4~5年で担当者が。だから、毎回同じ敗因に行き着いてしまうみたいな。いや、3回同じことをやっているじゃないですか、みたいなケースも少なくないと。そんな中で、敗因をしっかり特定するということが重要であるというのが前回の話で。
今回お話したいのがね、じゃあ、次の再参入戦略をつくるときに、方向が決まっているというケースとか、あと、ここは変えられないんですみたいなね、前提条件がいくつかついてくるというケースがあって。これもね、やっぱり最初から全部取っ払った上で、真っ白な状態で描いていかないと、大きな過ちをおかすことになる。例えばなんだけども、今、ジェット機の競争をしているのに、いや、乗る飛行機はプロペラ機なんです、セスナなんですとかね、そういう前提条件がついてしまうんですよね。ちょっと例えが悪いですね、僕のね。例えば、何だろうな、時速100キロで進む競争なのに、安全運転重要なのでうちは40キロしか出せないんですとか。とにかくいろんな前提条件がついてて、それが進出の形態とかね、進出のパターンに前提条件がついているというケースは結構あって。じゃあ、それは何がそういうことになってしまっているのかと言うと、部内での思い込みとか、あと、上がそれをそう言っているとか。でも、上は言っている本人はよく分かってないからただ言っているだけで、それってしっかり論理的に説明をすれば、その考え方って変えられる話でね、むしろそれを変えていくのが下の仕事だったりもするんだけども。なんかもう、条件はこれですみたいなケースを見るというのも非常に多いので。もちろん上、もっと言ったらその上の上とかの人たちは、最終的には前提条件なんかどうでもよくて、成功するかしないか、稼げるか稼げないかっていう、もうそこしか見てないわけですから、やっぱり重要なのって、どうやったら利益がしっかり継続的に上がっていきますかっていう真実だけを考えたときに、よく分からない前提条件をベースに再参入戦略をつくると、やっぱり限られてしまうわけですよね。全部の壁を取っ払った上でフラットにして考えて、最終的に前提条件に寄せるというんだったらまだ分かりますけど、そんなケースは結構ありますよと。
ちょっと今日は時間になってしまったので、これぐらいにしたいと思いますけども。もう少しね、来週、次回、ラップアップをしていきたいなというふうに思います。それでは今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。