森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日はいい天気ですね。僕、朝5時半に起きているんですけど。5時半に起きて会社に結構早く来るんですけどね、静かでね、いいんですよね。今、その早く来た、そんな時間で、窓からね、外を見ているんですけど、まだね、朝陽がまぶしくてね、この虎ノ門ヒルズの朝陽が入ってくる側なのでブラインドを下げてるんですけど、ブラインドを下げた向こうに太陽があるっていうのが分かる、何て言うんですかね、いい感じだなっていう。(笑)どうでもいいよね。何の話だっていう、すみません。すみません、気分が良くてくだらない話をしてしまいました。今日の話ですけども、前回、再参入戦略の話をしてたんですよね。なので、その続きで、そうだ、ラップアップをしましょうということだったので、思い出した、その話を引き続きやっていきたいと思いますけども、対象は、ベトナム、インドネシア、フィリピン、VIP、製造業、FMCG、食品・飲料・菓子・日用品等の消費財メーカー。B2Bのリスナーさんがいらっしゃったら、自分たちの事業に置き換えて聞いていただければなというふうに思います。
再参入戦略は2つのパターンがありますよと。かつて出ていて、1回撤退して、もう1回再び出るというケースと、それから、かつて出て、そこからあまり思い通りの成果になっていないんだけど、一応ずっと出続けて、今、再びギアを入れるために再参入戦略を描く必要があるっていう。このいずれのケースにおいても、失敗の要因を客観的に見て、何が問題で成果が上がっていないのかっていう事実にしっかりと触れる、見るっていうことはものすごい重要ですよ。それを改善しないと、再参入戦略なんてね、勝てる再参入戦略なんてつくれませんよ、というお話を1回目にしたんですかね。だから、敗因分析をさぼらないでくださいと。敗因を自分のこう…、とにかく敗因を軽視しているケースというのもあるし、敗因を自分都合で勝手に解釈をして、そうしているケースというのも非常に多いです、というのが前々回のお話ですかね。
前回は、その敗因をしっかりと分析した上で、じゃあ、次に戦略をつくる上でね、前提条件が勝手についてくるというケースを非常にたくさん見てきていて、こういう進出形態じゃなきゃ駄目とか、こういうふうにやらなきゃ駄目みたいな、いやいや、それは何を根拠に言っていますかみたいなケースというのは非常に多くて。前提条件を取っ払って再参入戦略をつくらないと、その前提条件が再参入戦略を阻害しているというケースを非常に多く見ていて。前提条件をつけている人は、何か論理的な根拠がそこにあるかと言うとね、意外に、意外にそこまで深い根拠はなく、その前提条件がつけられているというケースを僕はたくさん見てきたので。前提条件をまずつけずにフラットに考えていくということはすごく重要ですよと。例えば、分かりやすく言うと、前回、値段が高かったので売れなかったんですとか、前回は生産拠点を出してしまったのでコストが多くて採算が合わなかったんですとか、前回はパートナーが悪かったのでうまくいきませんでしたみたいなね、こんな安易な失敗の要因分析なんてあまりにもお粗末なので、それだとまた同じことになるわけですよね。パートナーが悪いというのは、どこがどう具体的に悪かったのかという話だし。パートナーって、相手だけの話じゃなくてね、こちらのコミュニケーションの取り方、接し方、活用の仕方、管理育成の仕方、これも含めてパートナーとのやり取りなので。じゃあ、こちら側の体制はどうだったの?っていうことも1つそうですしね。金額も高過ぎたって言うんだけども、じゃあ、今回、金額を安くすれば本当にそうなんですかみたいなところもね。特に中間流通や小売に行ったときに、前回この商品は出ましたよねと、ただ、棚落ちしましたねと、なくなりましたよねと、なんで今回また再び売れると言えるんですかっていうことは必ず聞かれるんですよね。敗者復活戦ってすごく大変で、そこがしっかりと説明つかなかったら、小売はそれを棚には置いてくれない。小売はね、リスティングフィーを取ると言ったって、売れるものを置きたいですから、そこはすごく重要ですよと。そこが1つ理解をしないといけないので、まず、敗因の分析をしっかりやってくださいねと。じゃあ、敗因の分析が終わって再参入戦略をつくるときに、前提条件を取っ払ってまず考えないと駄目ですよと。前提条件を取っ払って、フラットに考えていくというのが重要と。
考え方、組み立て方としてね、やっぱり僕、重要なのはターゲットと4P・4Cだと思っていて、ターゲットが誰なの?ということを、まずもう明確にする。めちゃめちゃ明確にする。これが消費財の場合は、消費者がまず1つレイヤーですよね、一番重要なレイヤー。その次の小売っていうレイヤーもすごく重要で、ほとんどの場合は自分たちの商品を買ってほしい消費者が接点を持っている小売、これはオンのマーケット、オフのマーケット、業務用市場、一般小売、近代小売、伝統小売、オンライン含めて、どの小売の、どの棚に、どう並べたいの?というところまでしっかりとターゲティングするということはすごく重要で。それを実現するための方法がどうなんですかっていうことが、4Pで言うところのプレイス、4Cで言うところのコンビニエンスになるわけですよね。プレイスって自分たちがどこで売りたいのかって、4Pっていうのは企業側の観点、一方で4Cというのは消費者側からの観点なので、企業がここで売りたい、近代小売で売りたい、でも、消費者から見たら、近代小売だけじゃコンビニエンスじゃないんだよねと。伝統小売でも売ってなきゃコンビニエンスじゃないよね、みたいな話ですから、どちらかと言うと、4Pよりも4Cの観点で考えていくということはすごく重要で。これを組み立てると。ターゲットに対して4C・4Pが最適化されていたら、商品は継続的に売れ続けるので、ここをやっぱり追及していくっていう。この4P・4Cも自分都合で勝手な解釈をせずに、客観的に見ていくということはすごく重要で。これがしっかり最適化できているのに商品が売れないなんていうのはマーケティング理論上はあり得ないので、基本的には問題はターゲットと4P・4Cの中にあるというふうに考えてよろしいと思います。
今日はちょっと長くなってしまいましたけど、これぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。