森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、久々にフィリピン市場のお話をしたいと思います。対象はFMCG、食品・飲料・菓子・日用品・文具等の消費財メーカー、FMCG並びにその周辺の消費財メーカーが対象になります。
フィリピン市場なんですけどね、ちょっと話をする前に、最近フィリピンが治安がすごい悪いみたいで、ここ、結構10年とかで一番悪いというね、状況みたいで。うちのローカルのスタッフからもいろいろ聞いていて、うちも「日本から出張へ行く人は気をつけてください」という通知は出してるんですけどね。銃で脅されて、物取りが結構メトロマニラ市内で流行ってるというので、「夜は出歩くな」という話を社内でもしてるんですけど。ほんとにね、皆さんも行かれる際には、ちょっとフィリピンだけは。僕も空港降りたら、フィリピンはね、ほかのASEANとは違って少し気を引き締めるというか、そういうところがあって。やっぱり銃が簡単に手に入るので、それが厄介だなという。ピストルってね、向けられるとほんとに怖くて、結構足がすくむってこういう感覚なんだというあれで。物取りでね、銃を持ち出すってね、やってるほうもおっかなびっくりやってるから銃をわざわざ持ち出すわけで、球入ってないケースとかもあるんでね、あれなんですけど、間違っても抵抗しないようにということで、もう銃を向けられたらすべて出すということで、抵抗はしないということで、皆さん覚えておいてもらったらと思いますけど。そうですね。あと、バッグね、あまり持たないほうがいいですよね。僕、海外へ行ったとき、バッグなんか絶対持たないので、日中ね、企業訪問するときiPad持ったり、書類が入ってたりするケースもあるので持ってますけど。でも、ずっとハイヤーで移動するわけですからね、車を借りてね。だから、車の中に信頼できるドライバーが、ずっと会社で契約してるのがいて、そのドライバーが、車に置いてね、外、例えばちょっと伝統小売を見るとか、ちょっと外で何かご飯を食べるというときも、もうバッグは車の中に置いていくので、とにかく持ち歩かない。夜、出歩くときにね、肩掛けバッグを結構日本人は肩からかけてて、遠目から見ても「あ、日本人だ。あの5人」とかね、「あの3人」とかっていうのは、結構僕らでも分かるから、フィリピンの人からしたらもうめちゃめちゃ分かりやすいので、バッグを持たないというのは結構重要なポイントで。何、そんなにいっぱい入っているんだろうなみたいな、僕もバッグ持ってる人に「何入ってるんですか?」って確認したら、財布とハンカチみたいな、それ、ポケットに入れとけばいいじゃないみたいな。僕、財布も持ってないんでね、そう。なので、「バッグは極力持たない」というのが新興国の鉄則でございますので、皆さん気をつけてフィリピンに行ってらしてください。ということで、すみません、余談はこれぐらいにして、フィリピン市場のお話ですが…。
ここ最近…、最近というかね、この番組でも何回もお伝えしてますけど、やっぱりタイとね、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンが非常にご相談としては多い。特にこのVIP、ベトナム、インドネシア、フィリピンは、マーケットとしてのポテンシャルが大きいということでね、特に消費財メーカーからのご相談が非常に多いですけど。フィリピンも1億人以上の人口がいてね、平均年齢は20代中盤前後ぐらいの市場で非常にポテンシャルがあると。意外に生産拠点としての進出がフィリピンは少なかったので、馴染みがないというところからね、フィリピンに課題を抱えている企業さんというのは結構あって。フィリピンのFMCGに参入するときの重要なポイントみたいなお話をしていきたいなというふうに思うんですが…。
3つポイントがありまして、1つはやっぱり3大小売の存在が非常に大きいと。これはSMとピュアゴールドとロビンソンズなんですけど、この3大小売が財閥系、タイクーン系ということでね、非常に大きいんですよね。経済の7~8割は財閥が牛耳っているというふうに言われていて、フィリピンね。この3大小売の影響力というのは市場経済そのものにも大きなインパクトがあるし、近代小売単体としても大きなインパクトがあるし。また、伝統小売が、2つ目の重要なポイントなんですけど、80万店以上あると言われている伝統小売、この伝統小売に対する影響も非常に大きくて。結局、「SMで売られてますか?ピュアゴールドで売られてますか?」というのが、伝統小売のオーナーさんにとってね、商品を取り扱う・取り扱わないの判断基準になるので非常に大きいし、ピュアゴールドなんかは、B2Cの消費者向けの商品、ビジネスもやっているけど、対伝統小売向けの問屋の業務もやっているので、面白い構造なんですよね。フィリピン独特の構造で、日本で言うと、駄菓子屋がイオンから商品を仕入れるみたいなね。イオンも駄菓子屋に積極的に商品を供給してますみたいな、こんな面白い流通構造はなかなかないので、それ含めて3大小売と伝統小売が非常に重要であるということと。あと、主要3島あるんですよね。フィリピンって縦長にね。首都があるのが一番上のルソン島という島で、ここが一番でかい市場ですと。2つ目が、真ん中のセブってね、島が無数にあってセブ島、皆さん行ったことあると思うのでよく分かっていると思いますけど、ここはビサヤス島と言うんですけど、諸島ですよね、いっぱい島がある、ここが2つ目の島。3つ目の島が一番下のダバオがあるミンダナオ島と言って。これだけ多くの島があるので、いかにルソン島のメトロマニラを落とすかということと、セブ、ダバオを中心とした、ビサヤス、ミンダナオ島へのディストリビューション・ネットワークを構築していくかということがめちゃめちゃ重要になるんですよね。なので、フィリピン市場における重要なポイントはこの3つになると。
それぞれをちょっと詳しく説明していきたいんですけど、もう今日は時間なのでこれぐらいにしますけど、次回ね、この3つをそれぞれ解説をしていきたいと思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。