東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、今日はゲストをお迎えしているのですけれども、ご紹介いただいてよろしいでしょうか?
森辺:山岸ロハンさんをお招きしております。ロハンさん、どうぞよろしくお願いいたします。
山岸ロハン(以下、山岸):よろしくお願いします。
東:では、ロハンさんのプロフィールを簡単にご紹介させていただきたいと思います。山岸ロハンさんは株式会社インフォキュービック・ジャパンの代表取締役でございます。1974年生まれ、趣味はピアノです。留学のため渡米し、ミネソタステートユニバーシティのMankatoを卒業。1998年より米国にて検索エンジンマーケティングに従事。世界中に検索エンジンマーケティングのプロフェッショナルネットワークを構築。2002年、米国にてインフォキュービック・LLCを設立。他言語のウェブマーケティングに関する情報発信を続けている。別に海外SEO、SEL、日本語版とデジタルマーケティングインエイジアということで、英語版がございますということです。
森辺:ロハンさん、どうぞよろしくお願いします。
山岸:よろしくお願いします。
森辺:ロハンさんの、インフォキュービックという会社は簡単に言うと、ウェブ周りのいわゆる他言語化とか、グローバル支援みたいな、そういうことをやっている会社という、そういう認識でよろしいのですかね?
山岸:そうですね。メインの業務は海外向けの検索エンジンのマーケティングですね。
森辺:SEOとかSEMとか。
山岸:あとは最近ですとアジア向けのFacebookの広告の出向とかそういうところをやっておりまして、当初ははじめ海外向けの検索エンジンマーケティングだけだったんですけれども、やはり日本の企業さんで中々まだ海外向けのウェブサイトにあまり力を入れられていないというところが結構多くて、最近は海外向けに特化したウェブサイトの構築というのを一緒にご提供しています。
森辺:日本の大企業さんの海外の現地法人で、ウェブサイトが最近はないところはないですけど、10年ぐらい前だと無かったりして、今でも日本の本社の日本語のウェブサイトは非常に立派なのに、海外の法人のウェブサイトだけ英語のやつとか中国語のやつとか、繁体字、簡体字のバージョンで非常に簡素なものだったりするケースがあってもったいないなという気がすごくするのですけど、そういうものを最適化していきましょうというご支援をしている、そんな感じなのですか?
山岸:結構今までの日本企業の海外サイトって、せっかく日本語ページ作ったので、少しは海外のコンテンツもないとっていうのが結構多くて、たとえば2、3ページだけ作るとか。デザインも全然日本みたいにお金をかけないとか、そういうのが多くなっていますけれども、最近になっていよいよ海外からビジネスを増やしていかなくちゃいけないとなったときに、今のままだと中々広告だけやってもうまくいかないんですね。でいうので、最近はやはりウェブサイトをリニューアルして、海外向けを強化するというのはかなり去年ぐらいから増えてきていると思いますね。
森辺:先ほどお話にあったFacebookも消費材系の企業さんなんかだと外資系の消費材メーカーさん、たとえばP&GとかユニリーバのFacebookってファン数が何十万ファンとかっていて、同業者の日本企業のFacebookサイトと比較をすると、結構寒い状態になっていたりというのがあって、かなりそっち方面にいわゆるグローバル企業と言われるところは相当投資をやっぱされているのだなとすごく感じてはいるので、消費材の世界なんか顕著ですよね。
山岸:やはり日本でソーシャルメディアってすぐに売り上げにつながるかって観点から議論することが結構多いのですけれども、ソーシャルメディアというのは売り上げというよりもファンをつくるとか顧客とのネットワークのコミュニケーションツールなので。たとえばアメリカとかだとGEとか、GEとかああいうサイトでもトップページにFacebookとかTwitterのリンクをつけたりとか、中々日本の製造業界でそこまでやるとこってないんですよね。あとは、海外でピンタレストという写真の共有サイトがあるのですけど、GEはそれもやっているんですね。結構、GEは大きなものを作ったりするので、綺麗な写真を撮ってユーザーに見せたりとか、なのでかなりソーシャルメディアは位置付けが日本の企業さんと、特に欧米の企業さんというのは違うんじゃないかなと思いますね。
森辺:そうなのですね。日本の会社で確かにFacebookとかTwitterを一部上場の大企業で表に出している会社って、消費材系の会社でプロダクトサイト、いわゆる商品メインのサイトでそういうのは見るかもしれないですけど、コーポレートサイトでこういうのを出しているってのはあまり見ないですね。
山岸:やはり日本はお国柄か分からないのですけど、炎上しやすいのです。海外の人ってみんなで集まって何かをというのはあまりないので。もちろん悪いネガティブな情報とか出るのですけど、日本は1回火がつくと非常に早いスピードで2チャンネルとかを通して伝わってしまうので、多分そういうのも中々ソーシャルメディアに踏み切れないというところもあるんじゃないかなと思います。
森辺:まずはホームページというところなのですかね。
山岸:そうですね。やはり、小さな規模とかの、たとえば以前も弊社は日本の企業さんで、アメリカでラーメンを出店するというので、それはFacebookページとか作りましたけど、そういう小さな規模とかであれば場合によってはFacebookページだけでファン作りというのもコスト的にもかからないので良いですけれども、特にやはり製造業とか一般的なビジネスをやっぱりFacebookだけでは中々大変じゃないかなと。
森辺:これロハンさんが書いている「ウェブマーケティングで世界を制す、海外事業SEM」という本なのですけど、これは翔泳社ですよね。その中で第8章に面白いページがあったので見ていたのですけど、日本企業のグローバルサイトということで日系BPコンサルティングが評価した日本企業においてのグローバルサイトの評価が最も高いのはって、ランキングが9位まで出ているのですけど、富士通、富士フィルム。それから三菱電機、Canon、村田製作所、川崎重工、エーザイ、ダイキン、武田薬品、Nikonとランキングがあるのですけど、これ面白いですよね。富士通がグローバルサイトに熟知しているというのが。
山岸:そうですね。それ2、3年前ぐらいに日経BPさんがやった調査なのですけれども、上場企業をリサーチしたときに、そもそもグローバルサイトとして重要な機能があるウェブサイトは1割ぐらいしか満たなかったという。ほとんどの企業はまだ日本の企業はグローバルサイトの準備ができていないと。その中で富士通さんのサイトが日経BPさんのリサーチの中では点数が高くて。やっぱり実際にそのサイトに行って見るのですけど、サイト全体が極端な話、日本向けに全く作っていないのですね。日本というのは世界の中の1個の国としてあるような位置付けで作っているような感じがしますので、非常にクオリティがやっぱり高かったなという風には感じましたね。
森辺:確かにグローバル企業と言われるような、外資の企業さんはグローバルサイトが充実していて、その下に各国ごとの独立したサイトなのか言語で選んでなのか、そんな作りになっていますものね。結構意外だったのが、SONYとか入っていそうなのだけど入っていないっていうのと。
山岸:これやはり製造業界がほとんどなのですよね。川崎重工とか。
森辺:全部製造業です。
山岸:ですよね。なので、意外に他の業界に比べると製造業界さんってウェブの取り組みが遅いと言われるところがあるのですけど、大手のところは一般に海外向けのB to Cとか以上にウェブサイトに投資をしているようですね。
森辺:ですよね。結構B to Bが、B to CもやっているのだけどB to B系の会社は村田製作所さんとか、川崎重工とか入っているじゃないですか。だから、結構日本の消費材、日用品みたいなところはもっと出てくるのかなと思って。意外に。なるほど。
海外展開の支援をしていて、サイトって必ずあるステージでぶつかるのですよね。サイトだけピカピカにしてっていうのは本末転倒なところがあるのですから、ある一定のステージになるときに、やっぱりしっかりとしたグローバルサイトだったり、SEO、SEMでFacebook、Twitterの施策なんかを打っていかないといけないなという壁にぶつかるのですけど、結局この1番メインになってくるのが大企業の場合サイトになってくるじゃないですか。こんなグローバルサイトはNGよ、みたいなのってあるのですか?
山岸:結構弊社もお客さんに会う際に、色々な、たとえば製造業界さんのサイトとかを見るのですけれども、日本語サイトと比較したときにあまりにもコンテンツが少ない。恐らく少ない理由は、たとえば翻訳のコストがかかるとか色々な原因があると思うのですけれども、ただ1番難しいところは日本側からするとページがないよりは1ページでも2ページでもあったほうが良いという風にあると思うのですけれども、海外の人から見たときに、この何千万の機械を売っているときに、このページのレベルでというやはりブランドを知らず知らずに失っちゃうのですよね。それが1番気付かないのが1番怖いというのはあります。
森辺:自分たちの分からない言語だから、どういう風に書いてあるのかとか、多分日本語以上に気にしないのかなという気がしていて。日本語だと語尾とかもちろん誤字、脱字はそうだし、表現の仕方とかものすごくこだわられているから、ものすごく丁寧に作られているじゃないですか。けど、いわゆる他言語になってくると、そこをやっぱり気がまわらなくなるというか、急にあまり関心をもたなくなるというか、確かにコンテンツがものすごく少ない。
山岸:少ないですし、あとは翻訳も本当にピンからキリまで、本当に安く済ませようと思うと極端な話、機械翻訳というのがありますし、あとは一般の人がするクラウド翻訳という、すごく安いのです。そういうのをやるのはありますし、あとは本当のプロの翻訳があって、それの上にローカリゼーションというところまであると思うのですよね。どこに翻訳を使うかというのは予算にもあると思うのですけれども、やはり特に欧米とかになると文章が結構羅列されているサイトって結構多いのですね。日本はどちらかというとイメージを見せて、直感的にって多いのですけど、やはり結構欧米の場合は文章をしっかりと読んだりとかというときに、たとえば機械翻訳ですとあまりよろしくないですし、たとえば機械翻訳は実はGoogleも翻訳を持っていますけれども、Google自体も検索エンジンのスパムになるような質の悪い文章になる可能性があるから、ウェブサイトはお勧めしないよという風に、Googleのサイトにも書いてあったりとか。
森辺:いくら進歩したと言っても機械翻訳はちょっと。
山岸:そうですね。だから、たとえば全部が全部ものすごい高品質な翻訳っていうと、コストがも高くなってしまうので、たとえば普通に翻訳をしてトップページと商品のページだけコピーライティングを入れるとか、そういう工夫をされるだけでも全然。それはそのアクセス解析を見ていれば結局見られているページと見られていないページって結構メリハリができてしまうので、見ているところだけの文章にたとえば投資をするとか、そういうことをすると良いんじゃないかなと。
森辺:なるほど。結局外国の人が作った日本語で間違っているのを読むときに、こんな間違いしているのかと見るじゃないですか、海外にいくと。あれを会社としてたとえば規模の大きい会社であればあるほど、上場している会社であればあるほど、さすがにそんな間違いを他言語ですると我々が変な日本語を見てあっと思うような同じ感覚で外国の人はえっと思うわけじゃないですか。そうするとそれがブランドを下げることになるので、中小企業はとりあえず予算を最小限に抑えるために自動翻訳を使うという選択肢をとるというのは別として、ある一定度の社会的責任の大きい企業というのはしっかりしたものを作っていかなきゃいけないと、そういうことですよね。
山岸:やっぱり世界中からそのサイトは見られているわけなので、結構見えていないところの影響は大きいはずなのですね。なので、その辺のところは非常に大事じゃないかという風に思いますね。
森辺:とりあえず作るみたいなことは、どうだという風に思っていたのですけど、やはりまさにそういうことなのですよね。
山岸:恐らくこれはウェブサイトを作るだけではなくて、海外展開をするっていうことにもつながると思うのですけど、やっぱり海外展開をする必要性は今年、去年、来年というよりは5年後、10年後だと思うのですよね。そのときの準備をいつするかというだけだと思いますので、そういう意味でちょっと半年だけ海外チャレンジしてダメだったらやめようとやめてしまったら企業によっては5年後ない企業もあるかもしれないわけですよね。なので、そういう意味でやっぱり細く、長くでも少しずつ前に進んでいくというのが大事ではないかなという風に思います。
森辺:分かりました。ロハンさん、ありがとうございます。
山岸:ありがとうございます。
森辺:また引き続き、企業の海外展開をウェブ周りでどう支援していくかみたいなお話をお聞かせいただければと思います。どうもありがとうございました。
山岸:ありがとうございました。