森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も前回に引き続きのお話をしていきたいなというふうに思うんですが、視聴者の皆さんから寄せられた質問の回答をしているわけですけども…。
前回ね、日本企業の問題、問題が分からないんじゃなくて、問題を問題として認識してないことが問題なんですよというお話をして、そういう企業は結構多いですよと。ここが問題なんだけど、そこを問題だと捉えられていないケース。違うところが問題だと信じて止まないというケースは決して少なくなくて。だから、製品が良ければみたいな話、1Pに偏ってしまうという話なんですけどね。もちろん、前回もお話した通り、日本企業は優秀だし、日本人は優秀なので、なんとなく、なんとなく分かってるんですよね。ここが問題なんだよねって、なんとなく分かってるんだけど、それがね、心の底からそうだっていうふうに信じ切れてないというか、分かりきれてないというね、こういうケースもあるんですけど。
その根源って、やっぱり僕は調査不足だと思ってて。もう絶対にね、調査しないと駄目なんですよね。インプットを入れなかったら、アウトプットという質の高い仮説は絶対に出てこないし、仮説の質が低かったら、それを実践したときのアウトカムは良い話には絶対ならないわけですよ。「あー、俺は分かってるから」と言ってやるんですけど、なぜ日本だと皆さん成功してるかっていう話なんですけど、それは長きにわたる経験と、知識と経験とそれを裏付ける歴史がね、もう相当の細かな粒度と解像度の高い情報として社内にインプットされてるので、調査なんていうことをわざわざやらなくたってね、だいたい勝手が分かってるわけですよ。だから、「こうしたらああなる、こうすればこういうふうにいく」っていう仮説が高度なレベルで出るわけですね。なので、その仮説が少々、仮説っていうのは絶対ずれるので、ずれても、その仮説を修正しながら前にどんどん、どんどん、進んでいけるって、これが国内の市場。
これが新興国市場になると、経験も少ない、知識も少ない、情報も少ない、いろんなものが少ない中でね、これね、経験とかってね、もうね、ある程度やっぱり時間を投資しないといけない、労力を投資しないといけないし、知識ってね、これもやっぱり投資しないといけない。調査をたくさんすることで、その時間を早回しすることができるんですよね。だから、僕はずっと「調査をしたほうがいい」ってずっと言ってて。闇雲にいろんな調査をする必要もなくてね、やるべき調査のポイントっていうのはすごく限られてると僕は思っていて。消費者系だってね、産業系だってね、消費者だって、ファネルを使った定量の調査、定性の調査で、産業系の調査だって市場環境、競争環境、いろいろありますけど、やっぱり見るべきポイントっていうのはあって、シェアにどれだけ直結する調査をやるか。無駄な調査をたくさんやってるっていうケースもすごく見てきてるので。とにかくやるべき調査を絞るっていうことをね。予算がいっぱいあるんだったらね、やったらいいですけど、そんな調査をやったって、バイアスだらけだし、何の真実も見えないよっていうような調査をやってたりとか、そこの調査をやってもシェアにはなかなか直結してこないんで、かなり遠い話ですねっていうような調査をやってみたりとか。やっぱりそこは経験がものを言う。
ポジショントークじゃないですけども、アジア、ASEAN、私の周りになんとなく存在して35年以上ですかね、自分の事業として20年以上、でも、すべて分かってるとは申し上げませんが、それなりにお役には立てると思うので、ぜひね…、なんか宣伝みたいになって嫌だな。(笑)すみませんね。いや、「たまには宣伝しろ」って言われるんですよ、社内でね。なので、でも、そうは言ってもね、われわれもお引き受けできる数も限られてるんでね、そんなに大きな会社じゃないですから、もう、期初にある程度、今年1年、ここと、ここと、ここと、ここを支援していこうって決めてバーッと走るので、なんでもかんでもできるというわけではないものの、何かあればぜひご連絡いただければと思います。すみません。宣伝みたいなことを言ってしまって。でも、Q&Aの回答なので、そういう会社さんはやっぱり多いかなと、調査は僕は重要だと思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。