東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、引き続きロハンさんをお迎えしているのですけど、今回はどういったお話を?
森辺:インフォキュービック・ジャパンのロハン代表取締役をお招きして、今回はグローバルSEOについてロハンさんの知見をお話いただきたいなと思っております。ロハンさん、どうぞよろしくお願いします。
山岸ロハン(以下、山岸):よろしくお願いします。
森辺:このSEOなのですけど、私も過去に会社で当然SEO、SEMの対策は打っていて、色々な企業、業者さんにお願いして月に何十万とか100万とかそういうお金を払って、結構長い期間やったことがあるのですけど、当時被リンクの数を増やせばどうだこうだとか、Yahoo!のランキングが社長これだけ上がりましたよとか、Yahoo!のランキングこれだけあげましたよみたいなご説明を受けるのですけど、僕が、興味があるのは問い合わせが増えたか増えていないかとその1点で、ランキングがいくらあがろうとそんなことはどうでも良いみたいなのがあって、結構SEOってのは大変だしお金がかかるというのが印象として残っていて。これも検索エンジンの主たちがアルゴリズムをどんどん変えてくるので、それの追っかけっこをしながらいかに検索エンジンの上位にあげるかと。結局検索エンジンの上位に出ないということは、インターネットに存在していないということになるわけではないですか。そうすると当然問い合わせレートも下がりますよと、そういう話だと思うのですけど、これってグローバルで見たときにどんな感じなのですか?同じ感じなのですか?それとも何か違いがあるのですか?
山岸:前回のお話の中で、世界は結構Googleのシェアが高いという話をしたのですけれども、Googleに関して言うとたとえば言語が変わってもアルゴリズムの仕組みとかっていうのは、あまり大きくは変わりません。言語の処理の仕方は言葉によって違いますが、何が重要かというのはやっぱり基本的に統一されていると。先ほどお話があったように、検索エンジン対策というとリンクをたくさん貼ってランキングをあげるみたいなっていうのがあったのですけど、これは結構日本でもそうですけど、欧米ではこのモデルは結構死滅してしまって。なぜかというと、検索エンジンがどんどん賢くなってきて、いわゆる騙されないというか、となってきているのです。今はあまりいわゆる検索エンジンスパムと言うのですけど、そういうことをやってしまうと、検索エンジンのインデックスから、たとえば1年はずれちゃうとか、一生戻ってこないとかとなってしまうことがあるのです。なので、世界的に考えても検索エンジンスパムというのは、もうやるべきではないというのがありますね。
じゃあ次にどうすればいいかということなのですけれども、そもそも検索エンジンが何を求めているかっていうところに立ち返りますと、リンクが多いサイトが良いということよりは役に立つ情報をお客さんに届けられるかというのがやっぱりメインなのですね。そうなってくると、やはりコンテンツ。先ほど、英語向けのサイトでコンテンツが非常に少ないという話をしましたけれども、そのコンテンツが少ないと結局検索エンジンの上位表示も非常に不利になってきているのですね。なので、そういう意味でウェブサイトを考えるときに検索エンジンとユーザー両方にとって有益な情報というのを作っていくと。それはどっちがメインかというと、やっぱりユーザー側ですね。そこをしっかり作っていかないと。
よくこんな例を言うのですけど、童話というか「ウサギとカメ」みたいな、があるのですね。結局検索エンジンの対策でコンテンツを作るという作業って確かに時間もかかるし、作ったから明日からいきなりお問い合わせが来るわけではないのですね。でもリンクというのは今まで貼れば結構数ヶ月で結果が出たりとか、それはもうウサギなのです。最後は結局カメに負けてしまうと。なので、今後、今からでももちろん遅くはないと思うのですけれども、自社のウェブサイトに対して地道にコンテンツですね。読みたい情報というのを意識して投資をしていけば、長い目で見たときに非常に強い、検索エンジンに対して強いサイトというのが出来上がっていくことになりますね。
森辺:そうすると結局中身が重要だということですよね。
山岸:そうです。昔はそこまで検索エンジンも読めなかったので、リンクという指標を使って判断していたのですけども、どんどん頭がよくなって、この記事を書いたのは誰なのかとか、この記事を書いた人は権威があるのかとか、そういうところをやっぱり見るようになってきているのですね。そうすると、やはり昔の検索エンジン対策のやり方とは大分変わってきてはいますね。
森辺:なるほどね。最近あれですもんね、広告でも追っかけてきたりしますからね。色々なことが進歩してってるわけなのですよね。今日本のたとえば御社のお客さんとかで、検索エンジン対策をグローバルで積極的にやっているというのは、どんなイメージなのですかね?日本企業がいったいどれくらいグローバルSEOに投資をしているのか、少ないのかそれとも世界的に多いのか。御社の事情じゃなくても全体的に。
山岸:結構SEO対策だけをやるというよりは、サイトを作るときにセットで最低限SEOに必要な項目をやるというのは結構増えていますね。あと、検索エンジンのマーケティングというと、SEO対策とリスティング広告というのがあるのですけど、やっぱりリスティング広告を選ぶほうが圧倒的に多いです。なぜかというと、特に海外展開とかした場合にそのキーワードが必ずしも当たっているかは未知なわけなんですよね。そんなときにSEOをやってしまうと結果が出るのが3ヶ月、6ヶ月で、ではこのキーワードは役に立たないと分かってからじゃやっぱ遅いわけです。そういうときにリスティング広告をやっていればどのキーワードがあってもすぐ分かってくるので、先にリスティング広告をやって、実際お問い合わせにつながるキーワードっていうのをちゃんと確認した時点で、そこからSEOに流れるという流れは少しずつ増えてきていますね。
森辺:確かにそうですよね。リスティング広告だったら上の枠にペタって出てくるわけで、クリックさえなかったらお金取られないですからね。なるほど、そういうことなのですね。米国と中国とアジアと欧州と4つのでっかい市場があるわけではないですか。国事に違いみたいなのはあるのですよね?
山岸:もちろん検索エンジンは国によって違いますけれども、特にSEOとかも競合の数が違いますね。やっぱり英語、アメリカとかの英語圏というのは競合がすごい多いですけれども、たとえばベトナムとかというと競合が少ないです。ただ、それSEOもそうですけれども、リスティング広告とかで考えると、競合が多ければ多いほど入札価格ってどんどん上がっていくわけなのですよね。なので、まだたとえば東南アジアとかで競合が少ないキーワードとかはいっぱいあるので、実際今は結構買い時です。やはり3年、5年放っておくと世界中の企業がアジアに投資する際に当然広告とかやってくるので、そこで競合になるより同じキーワードの価値を安く仕入れたほうがやっぱりいいと思いますから。
森辺:そういうことなのですね。確かにそれはそうですよね。アジアはこれからという話ですものね。
山岸:まだまだですね。アジアの中でも日本は結構インターネットとかネットが発達している国の1つなので、日本を中心に考えると結構怖いと言いますか、たとえばウェブサイトの例でもそうなのですけれども、どういうデザインとかって結構凝るじゃないですか。でも海外展開を考えたときにサーバーとかも結構大事なのですね。日本で見ていると、たとえばフラッシュとかものすごいサイトで全然ストレスがなく見れるのですけれども、あれをそのままベトナムの人に見せたら遅くて表示されないわけなのですよね。そういうところをやはり気を使っていかないといけないというのがありますよね。
森辺:なるほど。そうすると全部SEMの領域に入ってくるのですか?
山岸:SEO対策が今まで単純にランキングをあげるだけで考えられていたのですけれども、検索エンジンにいいようにウェブサイトを見せるっていうのは、たとえばページを表示するスピードも大事ですし、先ほど話したコンテンツも大事なので、SEO対策っていうのはただ単にランク上げというよりかは、ある程度ユーザビリティも考慮したマーケティング手法というか、という風に考えていく必要があるんじゃないかなと思います。
森辺:ウェブサイトを見せるスピードもいいサイト、悪いサイトと検索エンジンは判断する?
山岸:スピードもありますし、他のサイトから文章をコピーして来るとするではないですか。それってやっぱり価値がないわけですよね。そういうのはダメですと言ったりとか、結構。以前あったのですよ。要するに、コンテンツが良いものがいっぱいあればいいのであれば、他のサイトからいっぱいコピーしてページをいっぱい作ってしまえば価値があるだろうという風にやはりやるわけです。そうすると、結局同じようなコンテンツをユーザーに見せても、検索エンジンからしたら評価が下がっちゃいますよね。同じコンテンツで何回検索しても出てくると。そんなので、やはりそういうところがだんだんなくなってきたりとか。なので、少なからずですけれどもウェブページの速度、表示速度が遅いというのはユーザーに不利益を与えるわけですよね。ユーザーの不利益を与えることは検索エンジンとしてするべきじゃないという判断が、アルゴリズムがありますので、そういうものが結構ありますよね。
森辺:企業さんがグローバル展開をしていく中で、単にウェブを英語化するとか中国語化するとか他言語化するということではなくて、SEOを考えてそれをベースにどうウェブサイトを作るかということを考えないと、全く意味のない他言語サイトが出来上がるということにもなるわけですよね。
山岸:そうです。やはりSEOは色々日本でネガティブなイメージとかあったりもするところもあるとこもあると思うのですけど、やっぱりインターネットを使っていく中では無視できないというか、無視すると非常に大きなロスになってしまうというのがやっぱりありますよね。
森辺:なるほど。中国とかってどんな感じなのですか?
山岸:中国は、弊社は中国にもパートナーがいるのですけれども、中国はバイユーという検索エンジンでして、SEOになるとやはりGoogleとも結構違っていまして、Googleはリンク対策がすごく厳しいわけなんですね。でも一方中国ではそこまで厳しくなかったりとか、いわゆるリンクをお金で買うという行為って、Googleは基本的に全部ダメなのですけど、意外に中国ではそれがまだまかり通ったりとか、状況が結構違いますね。
森辺:中国らしいと言えば中国らしい。
山岸:それはありますね。やはり全然検索エンジンが違うと。だから中国もそうですけど、たとえば韓国ですとネイバーとか。ラインとかで有名なネイバーという会社があるのですけど、あそこの検索エンジンって非常に長いのです。検索結果が10ページくらいあるわけなんですよ。その中で色々な記事が出てきて、いわゆるSEOの場所はページの真ん中のほうに3枠ぐらいしか出ないのです。であれば、韓国に対してSEOの対策って非常にリスクが高いです。3位に入らないと2ページ以降なので、ほとんど見られないんですね。なので、弊社も韓国向けでプロモーションをしたいというお客様に対してSEOはお勧めしないのですね。リスクが。もちろん1位、2位、3位に入ればいいですけど、やはり確実に入るという保証ってサービスではないですから、それよりはいわゆるリスティングの広告ですよね。そういうのを出稿したほうが良いという提案をしたりします。
森辺:なるほど。そういうあれがあるのですね。このロハンさんの書いている「海外SEO、SEM、ウェブマーケティングで世界を制す」にもそれは紹介されているのですよね。
山岸:国事の事情ですとか、あまり技術者向けの書籍というよりは、最低海外事業をやるという方に対して、せめてその国のインターネットの市場とかを知らないと、社内でいわゆる企画書も書けないと思いますので、そういう目的で作らせていただきました。
森辺:アジアも結構シンガポール、ベトナム、タイ、香港すごいですね、国別に色々記載があるのですね。
山岸:やっぱりアジアは言語が変わってきてしまったりとか、たとえばシンガポール1つにしても言語が4つあって、じゃあどの言語でページを作ればいいのかというのもやはり始めに考えなければいけなかったりとか。
森辺:なるほど。結構深いのですね。我々オフラインなんでね、オンラインをご支援するということはないわけなのですけど、やはりオフライン同様深いなとよく分かりました。ロハンさん、ありがとうございます。そうしたら時間が来てしまいましたので、また次回よろしくお願い致します。
山岸:よろしくお願いします。