森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、フレームワークのお話をちょっとしようかなというふうに思います。
先日もその質問が出ていて、フレームワークの正しい活用方法というんですかね、フレームワークは参考書を見て学んでいるんだけども、それをどう実態に落とし込んで活用すればいいのかっていう、フレームワーク、学術的なフレームワークと、それを現場で実際のビジネスに落とし込むときの、このつなぎがうまくいかないというか、つなぎ方がうまくしっくりきていないみたいなね、そういう質問だったんですけど。
まず、大前提として、いわゆる世の中で言われているマーケティングのフレームワーク、基本的なものは、一通り頭に入れておいたらいいんじゃないですかというふうに思います。参考書も、結構、僕も世の中にあるマーケティングの本は一通り、かつて、最近のはちょっと読んでないですけど、かつては読んでいて。同じフレームワークでも、本によって説明の仕方が全然違うので、スッと頭に入ったやつもあれば、頭に入らなかったやつもあるので、基本的に何冊も買って読んだほうがいいよねと。たぶん同じフレームワークでも3冊ぐらい、僕が頭が悪いからかもしれないけど、3冊ぐらい読まないとスッと入ってこないなという気がしていて。フレームワークを一旦頭に入れて、いわゆる実践の現場に出ると、これってこのことだったのかなとか、これってこういうことだったんじゃないかなっていうことが、そこで初めて分かってきたりするんですよね。現場に出てないのに、4Pとか言われても、いまいちよく分からないですよね。3Cとかね、現場に出てないのに言われても。その意味は分かるんだけども、じゃあ、それが実際のビジネスでって、ビジネスしたこともないのに、それは分からないので。ただ、その知識は入れて現場に出ましょうねと。
1つやってはいけないのが、われわれはフレームワークを覚えていい点数取りましょうっていうために覚えているんじゃなくて、それを実地で活用して、より大きなシェアを獲りましょうとか、利益を獲りましょう、売上をつくりましょう、というためにやっているので、やり過ぎないということは1つ重要かなと。なので、ざっと頭に入れますということが1つ。現場に出たときに、それがね、何だろうな、これは感性と言ったらあれなんだけど、このことかっていうのは僕はいっぱい感じたんですよね。もう20何年も前ですけど、若かりし頃にね。なので、そういうものを入れてないと、現場で感じているものが、これだったのかとかっていうことは分からないので、入れておいて良かったなっていう。フレームワークって、整理をするツールだと思うので、今ある、現場で起きていることを客観的に整理をするツール。結構、現場で事業をやっているとね、思い込みっていうんですかね、自分の中で、こうあってほしい、こうあるべきだ、みたいな方向に、どうしても自分のアクションが引っ張られていってしまう、こういう傾向って非常に強いと思うんですよね。それを立ち止まって、いや、ちょっと待てよと、少し俯瞰しながら客観的に見るためのツールが僕はフレームワークだと思うので、そういう目的でしっかり使っていく。やっぱりね、その当人が事業をこうしてやっているとね、やっぱり自分の描いているものが見たいし、自分の見たいものが見たいしね、そっちの方向に絶対流れていく。それを常に見誤らないように客観的な視点で見ていくためのツール、整理をするためのツール、それがフレームワークだと思うので、そういう視点は僕は忘れないようにしてますかね。あと、結局、いろんなツールがあるんだけど、私ね、本当にマーケティングの基本プロセス、R-STP-MMがやっぱり一番基本で、そこをちゃんとやる、これから出る前、出た後含めて、R-STP-MMをしっかりやるっていう。ここにやっぱり違和感があるとうまくいかないので、そこはすごく僕は重要視しているっていうのは1つありますね。それに派生してね、ちょっと3Cをもう少し深く見てみようとか、ファイブフォオース分析をちょっと深くやってみようとか、そういうことはあったとしても、基本ベースはR-STP-MM、マーケティングの基本プロセスで僕は十分じゃないかなと。それ以上のフレームワークを使わなきゃいけないようなのって、ちょっと頭でっかちになってしまっているような気がするので、そこで十分じゃないかなと思うんですよね。
どうやってフレームワークと実態のビジネスをつなぐか。これね、本当難しいですよね。僕も、この話しようって考えて題材をね、このPodcastの題材を決めるんだけども、スクリプトがあるわけでもなくて、こういうふうに説明しようって事前に考えるわけでもなくてドーンとやるのでね、うまく説明できないことも多々あって申し訳ないと思うんだけども。何だろうな…。「フレームワークに当てはめよう、当てはめよう」とは現場に出たときには思っていなくて、現場に行って帰ってきたときに、自分の次のジャッジをする、アクションを決めるときに、「どうだったかな、4Pに当てはめてみよう。あ、こうだったな。じゃあ、次のアクションはこうだ」とか、「実際に現場ではこうだったから、じゃあ、ポジショニングはこうだよな」とか、現場でフレームワークのことなんか一切思い出さないんですよ。考えてないんですよね。だから、現場に行って当てはめるというよりかは、現場で見てきたこと、インプット、収集したインプットを入れるっていうことなんだと思うんですよね。事業会社さんの場合は、自分たちが現場で見てきたインプットだけではフレームワークの中身のインプットとしてはやっぱり圧倒的に足りないので、そこは感性の部分としてインプットをしながら、やっぱりわれわれのような専門とする調査会社にインプットをある程度お願いしていく、使う、活用する、その上でインプットの量と質を高めて最終的な判断をしていくということにはなると思うんですけど。なので、フレームワークのことは別にあまり考えてないんですよね。なので、持ち帰って当てはめて、そこで客観的に見えたものから次のアクションを判断するっていう、そういうために使っているというのが実際なので、それでいいんじゃないかなというふうに思います。
じゃあ、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。