森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、じゃあ、そのフレームワーク、前回やったね、フレームワークのお話をしていこうと思います。
ちょっと視点を変えて、フレームワークを絡めてちょっとお話をしていこうと思うんだけど、事業をすでにアジア新興国でやっていて、なかなか思い通りに事業が進んでいないという状況においてね、何を、じゃあ、やっていくべきなのかということなんですけど、今まで見てきて、いろんな企業を見てきて思うのは、皆さん課題感というのはちゃんとあるんですよね。課題が何なのかよく分からないというのはなくて、だって、うまくいってないというのはもう数字で出てしまうので、予定よりうまくいってない、課題はおそらくこんなところにありそうだと。これは現場に近いところに行けば行くほど、その感覚値というのはすごく正しいんですよね、課題感というのはね。ただ、それがなんとなくぼんやりしている、解像度があまりシャープじゃないっていう状態であるというのがたぶん多くのケースなんですよね。いろんな対策は、ぼんやりと課題が見えているので打ってきていると。打ってきているんですけど駄目なんだ、という声がやっぱり現場からは強く聞こえてくるし。一方で本社、現場から少し離れたところで見ている立場の人たちからすると、本当に駄目なの?もっとやったらできるんじゃないの?とか、そういう少し、さらに解像度が粗くなっているという状態で、どうしていいのか分からないという状態。そういう状態で相談がわれわれの会社は多いわけですけども。
そういったときにわれわれが一番最初にご提案するのは、課題感は、聞けばね、もうこれだけ長いことやっていると、その課題感が正しいかどうかっていうのは聞いた瞬間に分かるので、正しい課題感ですねと、おそらくたぶんそれで課題としては合っていますよというお話になるんですが、じゃあ、重要なのって、課題の解像度なんですよね。解像度をすごくシャープにピシャッと見えないといけないということと、シャープに見えた状態で、自分たちの課題感、競合と比較したときにそれはどうなんだと、差異がどれぐらいあるんだと、何が足りてないんだ、ということがやっぱり明確になるということが、つまりは次のアクションなので、ここをやっぱりつくっていくんですよね。そのときに、STPは競合と比べてどうなんだとか、4P・4Cは競合と比べてどうなんだって、ここを深堀っていくということをすると、具体的な策が出てくるわけですよね。プロダクトとプライス、プロダクトとプライスに関してはね、どちらかと言うと、そのメーカーさん中心で、ここをわれわれがやらなきゃいけないとなると、もうちょっと、なかなかご支援は難しいですねという話になってしまうので、プロダクトとプライスに関しては自分たちでなんとかと。もちろん壁打ちは一緒にやるわけですけども、だいたいお客様のところで解決ができて。われわれが担うのはプレイスとプロモーション。プロモーションに関しては、プレイスがしっかり整わないと、いくらかけてもあまり意味がないので、まずはプレイスと。
今まで25年間見てきてね、圧倒的に言えることは、日本の製造業、特に消費財メーカーは圧倒的にこのプレイス、チャネルが弱いですよと。販売チャネルの型がない、型が弱い、販売チャネルの構造がそもそも脆弱であると、販売チャネルの中で動く組織が弱い、組織の中で動く人が弱い、人の動き方が弱い、そんな問題が見えてきて。じゃあ、どう動いたらいいの? どういう組織だったら合っているの?と、そんなことが見えてくるんですよね。例えば、組織がね、球数が足りない。いや、それは経営資源はいつも足りないわけで、じゃあ、人が足りないからすぐに増やせばいいのかって、そんな単純な話ではなくて。人はこんなには増やせない、けど、これぐらいのスピードで増やしていかないと、そもそも求めている売上には物理的に到達しないですよ、という裏付けを取っていったりとかですね。あと、じゃあ、人が足りていないって、単純に人が足りていないんじゃなくて、人の動き方も足りてなかったよねと。競合は、伝統小売20軒、1日に回っている。お宅は10軒しか回ってないと。じゃあ、回っていても、オーナーと会えてないよと、商談できてない、ただ行ってるだけ、みたいなケースもあるし。あと、伝統小売に、これは消費財の話をしていますよね、日用品・飲料・食品・菓子の消費財の話をしてますけど、現場に行ったときにやるべきこと3個が設定されてないから、ただ行ってるだけだとかね。いろんな細かい課題が見えてきて、それを1個1個つぶしていかないといけないんですよね。伝統小売もやったんですと、やったけど駄目だったんですみたいな声は結構現場から聞こえてくるんですけど、誰がどのようにやったかによって得られる結果なんてね、同じことをやっても全然違うので。そこは少し考えて、やり方を変えていくと、同じことをやっていてもうまくいったりもするので。ここがね、またちょっと難しいところではあるんですけど、そんなこともありますと。
なので、そこをしっかり解像度を上げていく、やるべきことを明確にしていくということがやっぱり一番の近道じゃないかな。今までやっぱりそこが、そこでその半分ぐらいはクリアになるわけですよね。課題が何かが明確に分かって、じゃあ、その対策方法が明確に分かるということがまず1つですと。じゃあ、それを今度はアクションをして結果を出すということが2つ目、フェーズ1、フェーズ2というふうに言ってもいいかもしれませんけども、そんなことばっかりずっとやってきているんですけど。でも、それ以外にあまり方法論というか、もうそういうスピード感じゃなくて、M&Aとかね、そういう話はそれはそれであるんですけど、ただ、実際にはそこを改善していくというのがたぶん一番早いし、それ以外、横道に逸れてもね、あんまり必殺技、ウルトラCみたいなものってなくて、そこを粛々とやりきった企業が勝ち残って、やりきれなかった企業が淘汰されているというのがね、たぶんここ20年見ていてもそんな状態なので、僕はそれが正しいと信じて今もやっているというのが実際でございます。
今日もこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。