森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、ちょっとお話の前に番組から1点ご案内です。先日、クロス・マーケティングさんにお呼びいただいて、東京でクロス・マーケティングさん主催のセミナーで私はお話をさせてもらったんですが、まあまあ好評だったようで、大阪での開催をすることになりました。まだね、クロス・マーケティングさんから正式なご案内はこの番組の放送時点ではないかもしれませんけど、もう日程は決まっているので案内してしまっていいのかな。(笑)ちょっと分からないですけど…。11月20日木曜日の、たぶん午後2時とかからだと思います。ご参加ご希望の方はぜひクロス・マーケティングさんにお問い合わせをいただくか、ホームページなんかで見ていただいたら、おそらく近々載ってくると思います。消費財メーカーが中心になります。まあまあ、消費財メーカーじゃなくても参考にはなると思いますので、ぜひ皆さんまた会場でお会いできればと思います。
じゃあ、今日は、ご案内はこれぐらいにして本題のほうに入っていきたいと思いますが…。前回ね、日本の企業の課題はみな同じですよみたいな話をしたと思うんですけど、少しちょっと日本の消費財メーカーさんがアジア新興国市場で何に悩んでいるのか、何を課題としているのかを少し、もう少しちょっと踏み込んでお話をしていこうかなというふうに思います。
まずね、絶対的にあるのが、ステージ別の課題というのがやっぱりあるんですよね。大きく言うと、輸出でやっている企業と現産現販でやっている企業ではやっぱりステージが違うんですよね。大きく分けて2つのステージがあって。だいたいアジア新興国市場というか、海外販売と言ったらまず輸出でやって、ある程度のところまでいってから初めて現地生産に切り替えて現地販売をすると。もちろんこのあいのこみたいなのがいっぱいあって、大手でもね、この国は現産現販だけど、この国は輸出ですとかね、あと、はたまた、この国は隣国でつくったものを隣国から輸入していますとかね、そういうハイブリッドの傾向があるので。1つが海外展開のステージによって課題が変わってくるということと、あと、国によっても全然違いますよね。例えばASEANとかだと、VIPとかで言うと、課題はもう近代小売の攻略はもちろんなんだけども、それプラスアルファ、伝統小売をどうやって攻略するの?ということをクリアしないと基本的には儲かりませんと、シェアが上がりませんと、利益が出ませんという構造なので、基本的には伝統小売の攻略が非常に大きな課題で、皆さん悩んでいるところは伝統小売の攻略。これも、これからどう進めていけばいいのかという企業もいれば、やっているんだけどもなかなかうまくいかないという企業もいますよという、こういう2つのパターンですよね。SMTなんかで言うと、タイなんかはね、特にまだまだ輸出でやれたりもするので、基本的には近代小売の棚をどう効率よく獲っていくのか、どうストアカバレッジを伸ばすのかみたいな、参入戦略を0からやるというケースもあれば、すでにやっているんだけどもうまくいかないので、それを再調整してやるという、こういうかたちになってくるかなというふうに思います。
やっぱり課題感って、輸出…、うん、輸出のステージと現産現販のステージ、それから、どの国をやるのかということを考えて、もうこれだけ失敗事例ってたくさんあるので、ちゃんとマトリクスをつくって、この国でこういう進出ステージだとこうやると失敗するよねと、こうやらなきゃいけないよねって、もう答えがほとんど出ているんですよね。どうやったら失敗する可能性が高い、どうやったら成功する可能性が高いというのは答えは出ていて、結局それをかなり無視して、「いや、いいものをつくればいけるでしょ」みたいな状態が、もしくは本社に戦略がないのに「取りあえず行ってやってみて考えよう」みたいなところで多くの企業が無駄な労力、経営資源を使っていると。本当に大変なのは、やり方は分かっているんだけども、じゃあ、それを誰がどうやると突破できるんですかという、もうここなんですよね。だいぶ進んでいる企業さん、特に伝統小売の攻略なんていうのは、誰がどうやるから突破できるのかというところにかかっていて。結構ね、中途半端にやったところはね、「いや、もうそれはやったんです。やったんだけど駄目だったんです」というね、こういう回答がやっぱり出てくるので。いや、それはもう、誰がどうやったかによって全然結果は変わるわけだから、もうやったんだけど駄目だった、じゃあ、ほかにどんな方法があるの?という話でね。結構ブレークスルーは、何か全然ノーマークだった方法が突然ポンと現れてブレークスルーになるかということなんていうのはまずなくて、もう日本の企業は優秀なのでおおよそ方向は間違ってなくて、それを誰がどうやるかによって突破できるかできないかというのは変わってくるので、そこが本当の大変さになってくるということなので、課題が何かなんていうことはもう可視化されているので、そこで悩むのは時間がもったいないなというふうに思います。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。