森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日は、久々にタイの話をしようかなというふうに思います。
うちの会社でもやっぱりASEANのご相談が非常に多いですよね。かつては中国がやっぱり半分以上だったのが、今、中国がグーッと小さくなって、ASEAN。そして、インドがグーッと出てきて、中国、あと中東とかね、アフリカとか、南米とか、そういう地域が若干ありますけども、基本的にはASEAN、インド、中国という地域の中で。このASEANもやっぱり日本の消費財メーカーがクライアントの大半なので、消費財メーカーの抱えるASEANの課題って、やっぱりタイという非常に大きな市場をどう獲っていくのかといことと、あと、VIP、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ここが人口が非常に多いわけですよね。ベトナムで1億300万人ぐらいで、インドネシアで2億7,550万人ぐらいだったかな、フィリピンで1億900万人ぐらいと。平均年齢もね、フィリピンが24歳、インドネシアが29歳、ベトナムが32歳かな。日本と比べると全然若いですよと。タイが40歳ぐらいかな。小売市場規模もタイは大きいんですよね、17兆円ぐらいあって、ベトナムも23.5兆ぐらいあったかな、インドネシアも45兆ぐらいあって、フィリピンも23兆円、全部足すと109兆円ちょっとぐらいになるんですよね。なので、この4つの地域を足していくと、4つの地域の平均年齢は30歳だし、小売市場規模は109兆円を超えているし、人口は5億6,000万人ぐらい。日本の小売市場規模が150兆円なので、109兆円というとだいぶ良い数字ですよね。しかも、日本の北海道から沖縄までの距離よりも短い、距離の近いエリアの中の、円周の中にこの3つの地域はありますから、そういう意味でも非常に重要な市場ですよという大前提があってタイなわけですよね。
タイの市場は、これは消費財メーカーにとってもちろん現産現販、現地でつくって現地で販売というのが一番、消費者のニーズに瞬時に対応できる事業モデルなんだけども、最初からそういうモデルを組むかというとそうじゃなくて、やっぱり輸出で始めるという話になってくると思うんですよね。これは輸出で始める場合でも現産現販でもそうなんですけど、基本的にディストリビューター主導の国ではないということが、僕はタイを今までやってきて思うのはそこが非常に大きくて。ディストリビューター主導にすると、やっぱり思い描いていることがタイムリーに実行できないというのを非常に他の国と比べて感じるなと。なぜなら、ディストリビューター主導でいくということは、やっぱり伝統小売を攻略するためにディストリビューター主導でいかないといけないんですよね。ディストリビューターって何のために必要かというと、やっぱり伝統小売を取るために必要だと僕は定義しているので、基本的にはタイは近代小売、MTで十分輸出でも利益が出ますとなったときに、ディストリビューターを本当に介してやるんですかと。もちろん輸出の場合はディストリビューターを介してという話になるんだけども、通常はね。だって、輸出して向こうで輸入してもらって、小売に入れてもらってっていう話なので。なんだけども、タイは小売の非常に特殊事情があって、ディストリビューター主導でやるよりも、僕はまず小売主導でやるということが大変重要だなと。
何がタイの特殊事情かというと、タイって2強の財閥が小売を牛耳っているんですよね。1つがCPグループですよね。CPオールという小売を牛耳るCP系の会社があって、ここが非常に大きいと。もう1つがセントラル・フード・リテール・グループというのがあって、ここが例えば…。CPグループがマクロとかロータスとかセブンイレブンをやっているんですけど、セントラル・フード・リテール・グループはセントラルをやっていたり、ロビンソンもやっているし、トップスマーケットも、ワトソンズとかファミリーマートなんかもこのセントラルがやっていますよ。あと、ビッグCをやっているBJPとか、ザ・モールをやっているグルメマーケットとか、見たことあるかもしれないですけど、ザ・モールグループというのがあるんですよね。それ以外に外資の小売がちょこちょこ、日系小売がちょこちょこという、こういう状態で。圧倒的にCPなんですよね。どういうふうに圧倒的にCPかというと、まず店舗数から見ていっても、ロータスがだいたい今、230店舗ぐらいあるんですよね。ゴーフレッシュの2,050店舗とかは除いてますけど、そんなの入れたらそれぐらいの、2,050店舗以上ゴーフレッシュあるし、あと、マクロも170店舗ぐらいありますと。セブンイレブンは1万4,000店舗以上あると。コンビニで比較すると、ファミリーマートなんて1,000店舗ないですから、900ちょっとぐらいですし、あと、CGエクスプレスというのもあるんですけど、これも700店舗ちょっとぐらい、ローソンなんかも140店舗ちょっととか、そんな感じなんですよね。だから、コンビニで言うと、もう圧倒的に、1万4,000店舗ですから圧倒的にセブンイレブン。これは日本のセブンイレブンとはもう資本が関係なくて、CPが運営していて、世界で2番目にセブンイレブンの多い国と。さっきのロータスとかマクロもそうですけど、トップスマーケットも160店舗…、166店舗以上あったと思いますけど、ビッグCも150店舗以上、ミニビッグCとか1,500~1,600店舗ぐらいあるので、まあまあそんな感じの店舗数なんですよね。特に売上でもう見てしまうと圧倒的なんですけど、やっぱり売上の上位1位2位がマクロとロータスで、これは両方ともCPなんですよね。3位4位にビッグCとかトップスがきて、5位にセブンイレブンがくるというような話なので、正直、結構CP1強みたいなところはあって。まずCPとどうやって話をつけるかというのが、CPオールとね、これがセブンイレブンは非常に重要で。
輸出でもね、ディストリビューターいなくてもね、然るべき人脈というか、チャネル、ルートを持っていれば、交渉は別にできるんですよね。小売が取り扱う意向があると判断すれば、ディストリビューターなんて後付けで全然OKで。結局、重要なのって「誰と売るか」ということよりも、「誰に売るか」ということが圧倒的に重要で、「誰に売るか」というのはもちろん消費者なんだけど、セブンイレブンに売る、CPに売る、これが「誰に売るか」なわけですよね。そうすると、「誰と売るか」という、このディストリビューターはその次で全然良くて。逆に言うと、小売が本当に取り扱いたいと思えば、小売がディストリビューターを紹介するというケースも全然ある。そうすると、中間流通マージンを非常に薄くして参入戦略を組み立てられるので、全然戦略が変わってくるんですよね。われわれはそんなことをずっとやってきているので、小売からまず交渉するということのほうが圧倒的に優位に立てる市場であると。
ちょっと今日は時間が来てしまったので、これぐらいにしますけど、次回ね、引き続きこの続きをしていきたいなというふうに思います。それでは皆さん、また次回お会いいたしましょう。