森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDERの森辺です。今日も引き続き、タイにおける市場参入戦略の話Part2ということで、していきたいと思います。対象は消費財メーカーさん、B2Cのメーカーになります。
前回ね、タイの市場は非常に特殊で、小売が非常に強いですよと、2強財閥が小売市場を牛耳っているので、CPとセントラルの2強市場なので、2択ですと。もっと言うと、1択のCPオールとどれだけやるかという、マクロ、ロータス、セブンイレブンをどう落とすかというのがエントリー上、非常に重要になるよと。これは輸出でやろうが、現産現販でやろうが一緒ですと。
そもそも市場の構成が近代小売で十分利益が出る市場で、伝統小売が非常に重要なべトナムとかインドネシアとかフィリピンと違って、まず近代小売で勝つということがすごく重要で。近代小売をディストリビューター主導でやるなんていうのははっきり言ってナンセンスで、近代小売とのコミュニケーションをメーカーが放棄したら一体何をやるんですかという話なので、やっぱりここはメーカーがしっかりやっていかないといけないし、「誰と売る」よりも「誰に売るか」のほうが圧倒的に重要で、もちろんこの「誰に」は消費者なんだけども、セブンイレブンに売りたいんだよね、マクロに売りたいんだよね、ロータスに売りたいんだよねということがあるのであればね、こっちのほうが圧倒的に重要で、こことのコミュニケーションを最初から放棄するなんていうのはもってのほかで。日本で考えてもそうだと思うんですけど、イオンやセブンやローソンやファミリーマートと直接コミュニケーションを取らない、対話をしない、問屋さん経由で連れていってもらいますみたいなメーカーがいるんだとすると、ちょっと相当だと思うんですよね。商流自体は問屋さんを通すのかもしれないけども、基本は本部商談をしないで何するんですかという話なので、そことの商談をしっかりやっていくということが大変重要で。
輸出でも、面白いのが、十分参入できるという話でね、結構よくありがちな、日本企業のなかなか商品が輸出で浸透しないのは、そもそも輸出なので商品が高くなりますと。これは日本の値段よりも高いと思うので、タイの消費者は値段に非常にコストコンシャスなので。日本にもよく来ているし、日本のインターネットもよく見ているし。そうすると日本で売られている実売価格、これは小売の人たちも見てますけども、これよりも大幅に高くなったものはまず買わないという、ここがまず1つの関門としてあって。これがクリアできないのと、最初のエントリーでやっぱりマクロとかロータスとかビッグCとかトップスとかセブンイレブンとか、こういうところは大きいので避けて、日系のドラッグストアからみたいな、日系の小売からみたいなね、こういう傾向で。実際に入れてみるんだけども、何ケースか売れましたみたいなね、何千個か売れましたみたいな。そんな商売をやって海外輸出やるんだったら、国内をやってたほうがよっぽど費用対効果良くないですかみたいな、そんな状態で終わってしまう。もしくはドラッグチェーンにドーンとやったんだけども、導入費がかかって、結局はけないから棚落ちしましたとか、こういうケースがやっぱり結構多くて。
それだとやっぱりなかなかね、継続的に売りがセルアウトしていかないので、やっぱり僕は特定のまず小売としっかり腰を据えてやっていくということが重要で。もうコンビニで売れるような商品を取り扱っているんだったらセブンだし、スーパーなんだったらロータスかビッグCかトップスか。マクロは結構…、マクロで最後、売れたら非常に良いんですけど、卸売用、業務用の結構、コストコみたいなところなのでね。そことやっぱりまずは商談をして、そこがやっぱり本気になる提案をしていかなきゃいけなくて。ここも結局、「すみません。日本で売れてます。こんなメーカーです。非常に日本では有名なんです。どうですか?」みたいなトーンで持っていっても、今ね、まったく相手にされないんですよね。この商品がもちろん日本で実績がある、日本で実績がないものはそもそも無理ですから、まず実績があるということはあって。じゃあ、それがタイでどういうふうに売れていくんだというシミュレーション、マーケティングプラン、プロモーションプラン、参入戦略プラン、メーカーとしてのサポートプランみたいなものが全部セットになって、「これだけあなたたちの小売が儲かりますよ。ぜひやるべきだ」という持っていき方をしないと、基本的には小売の棚はスペースなんて空いてないわけですよね。皆さんも行ってお分かりの通り、常に小売の棚はぎちぎちに埋まっていますと。新しい商品を入れるということは、その棚から何かどこかの商品を出して、その出したスペースに新しい商品を入れていくということなので、その出す商品よりも確実に売れるということをバイヤーは求めるわけですよね。なぜならば、苦労して出して入れ替えたのに、逆に売上が下がった、利益が下がったじゃ、まったくもってあれなので。その辺のこともマーケットリサーチのデータとともに持っていくということをしっかりやらないといけないので、「いいものあるのでどうですか」というスタンスだと、もうなかなかちょっと厳しい。15年ぐらい前だったらそれで良かったですけど。10年ぐらい前も良かったかな。なので、そういうことが重要で。逆にそこがしっかりしていないんだったら、もう持っていかないほうがいいっていう。なぜならば、敗者復活戦が非常に難しいから。結局、1回持ってって、よくわけが分からない話をしたら、次、会えなくなってしまうし。じゃあ、逆に中途半端なマーケティングプランで棚に並べてしまってセルアウトしなかったら、逆に敗者復活戦がものすごく大変になる。なので、そこは簡単にいくという話でもないので、しっかり考えていくということが非常に重要になってくると。
僕がタイ市場をまとめてみると、まず3つ大きくあって、ポイントがね、キーサクセスファクターとでも言ったほうがいいのかな。まず、CP1択というね。僕はCPから行ったほうがいいと思うので、何かとその先のことを考えても、CP1択。これはCPオールの圧倒的な存在感がやっぱりあるし、他のMTとの交渉が優位になるんですよね。いや、ロータスで入っているんですよ、セブンで入っているんです、マクロで入っているんですよということであれば、今度はセントラル側のビッグCとかトップスマーケットとか、こういうところとの商談が楽になるので、基本的にCPをまず落とすというところが非常に重要。非常に戦略的な会社だし、ジェントルな会社だし、でも、非常に厳しい、公平。人間関係で「わー、行きましょう」みたいなのは無理ですから。商品選定に委員会がしっかり設置されていて、本当に客観的に合理的に「この商品が本当に売れるのか」ということが審議されますからね、このCPをまず突破すると。
あと、自社主導のマーケティングというのも1つ重要なポイントで。とにかくこれはいずれのケースもそうなんだけど、ディストリビューター主導はやめましょうと。ディストリビューター主導でやって成功している会社なんて僕は見たことないので、成功がずっと続いている会社なんていうのはね。だから、小売と直接商談だし、ディストリビューターの主導をやめていきますと。あと、価格の設定、これも非常に重要で、高い理由をしっかり浸透させる。僕はね、高いもの、1円でも高く売るのは全然いいと思う。1円でも高く売ったらいい。ただ、その高い理由がちゃんと浸透しなかったら、理解しなかったら、これはお客さんはお金出さないですよね。日本だから高いとかもはや通用しないし、品質が良い以外の優位性を見出さないとね、これはなかなか通用しないし、日本の価格は常に見られているというふうに思ったほうがいいということで、この3つが重要かなというふうに思います。
ということで、タイの市場参入戦略に関して2回にわたってお話をしましたが、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。