森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、アジア新興国市場の参入において、参入…、すでに参入している方々がほとんどだと思うので、再参入ですよね。今の現状よりもさらに改善を図っていく上で、調査の重要性って本当に、改めて本当に重要だなと。これはパートナー戦略においてもそうだし、参入戦略を構築する上でもそうだし、もしくはディストリビューターのマネジメントとか、パワーバランスをどう図っていくかということにおいても、さまざまな局面で、結局持っている情報の粒度と鮮度、そして量、これが土台になってくるので、結局、情報の粒度と鮮度と量を持っていない企業は勝てないですよね。なので、改めてこの情報調査が重要だというお話をしていきたいと思います。対象は製造業全般、B2C、B2B問わずです。いつも通り事例が、うちの会社は7割8割、日用消費財のお客さんが中心なので、そっち系の食品・飲料・菓子・日用品の事例になるかもしれませんが、B2Bの方は自分たちの事業に置き換えて聞いてもらえればと思います。
改めて、調査が重要ですよということなわけですけども、われわれもさまざまなプロジェクトで調査ということはベースになるので、調査をするんですよね。基本的にわれわれの業務の大部分というのは、お客様の売上やシェアをどうやって上げていくかということを達成することがわれわれの仕事なわけですよね。多くの場合は大手の企業さんがクライアントなので、実際にもうやっていますよと。やっている中から課題を見つけ出して、その課題に対してアプローチをしていくということになるんですけど。総じてこの番組でも再三言ってきておりますが、日本の製造業のアジア新興国展開の最大の弱点は販売チャネルですと。プロダクトとプライスは改善の余地はあるとしても、この左右の前輪に関してはお客様自身で何とでもなると。なぜならば、プロダクトをどう改善しなきゃいけないかとか、プライスをどう改善しなきゃいけないかみたいな話というのは顕在化しているし、目に見えているし、それを直視できるかどうか、腹決めできるかどうかという問題なので、逆に言うと、その本人でないとできない話。一方で、後輪の左右、チャネルとプロモーションって、チャネルが整っていないのにプロモーションしたって、これは砂漠に水をまくような話なので、基本的にはチャネルを固めないとプロモーションは打てませんよと。この四輪がしっかりとバランスを保って同じ速度で同じ回転数で回るから、初めて事業は前に進むということになるわけですよね。そういう意味で言うと、このチャネルが非常に弱い。対競合比で考えたときに、チャネルの競争力が著しく弱いというのが日本の製造業の実態。そもそも、そこの視点を持ってない企業が大半で、チャネルが弱いなんていう発想に至っていない。どうしようと、手詰まり感たくさんみたいなところで漠然と困っているというような企業が多いんじゃないかなと。仮にチャネルが弱いというふうになんとなく感じている企業というのは、かなり感性がいい企業なんじゃないかなというふうに思います。
このチャネルを設計をしていくということからわれわれは始めていくわけですけど、チャネルを設計するなんていうことをそもそもしっかりやっている企業に僕は会ったことがないので、結果論として今のチャネルになっていると。それがいいのか悪いのかも分からないし、対競合に比べてどうなのかということもいまいちよく分からないと。つまりは基準値がないという企業がほとんどですよね。競合の競争力を100とした場合にね、販売チャネルの競争力を100とした場合に、自分たちの販売チャネルが70なのか、50なのか、30なのか、ここが数字で把握できていないと。この差を埋めないとシェアなんていうのは埋まらないわけなので、この差を埋めていくということをやるんですが、これをやろうと思うと、やっぱり基本的には調査をするということが大前提で、敵がどうやっているのということをなんとなくこうなんじゃないかと、なんとなく市場で見ているとこうだよみたいな感覚って、実は調べていくと、すごく違ったりとか。あと、なんとなくで把握していたんじゃ駄目で、数値で把握しないと、これは基準値にならないので、全部数値に落とし込むということをやっていかないといけない。
そもそもそんな考え方をしたことないから、できてないことで当然でね。また、これって自分たち、メーカー自身が自分たちでやるような調査じゃないので、基本的には現場のセールスに調査してこいと言ったって、それは現場のセールスは自分たちが解釈の良いように情報を伝達していって、その伝言ゲームで実際に情報が必要な上層部に伝わってくるときには、バイアスかかりまくりの情報が入ってくるので、やっぱりわれわれのような客観的な第三者機関に依頼をして調査をするということになるわけですけども。ここの情報がないと戦略の立てようがないし、販売チャネルの設計のしようがない。なので、勝つためのロードマップがつくれないんですよね。日本国内の場合、そんなこといちいちしなくても、自分たちでやってきているので、経験値が圧倒的に高いので、わざわざ調査費用を払って調査をするなんていうことはしないですよね。なんなら、消費者の需要度を定点観測するために消費者調査をやるのかもしれないですけど、ここで言っている調査って、消費者調査の話をしているのではなくて、もっと産業寄りの調査の話をしていてね、戦略をつくる上での調査の話をしていて。なので、まず日本国内は経験値で組み立てていくので、基本的にはそんな調査は必要ないので、そもそも調査に費用を割く、お金をかけるということ自体が理解できないというケースが、結構、20年ぐらい前とかはものすごく多かったと。正直、今、そこの予算を渋っている会社はさすがにもういないと思いますけど、やっぱりここをしっかりやっていくということがすごく重要で。戦略にしろ、販売チャネルにしろ、これは設計をしていくわけですよね。これは情報がないと、設計できないので、仮に設計したとしても、それは希望的観測で設計しているような話だし、間違ったインプットで設計しているような話なので、質が悪い。質が悪いものを設計して、それを実装しようと思っても、これは仮に実装できても、意味のないものを実装する、意味のないものを実装することになるし、多くの場合は実装できないんですね。なので、この設計でしっかり予算を割くということはね、調査をしっかりするということは本当に重要なことだなというふうに思います。
情報なくてね、何をするのか。よく分からないので、情報がないこと、知らないこと、自分たちが知らない、こんなに知らないんだ、自分たちってっていうことすら気づいていないというケースがほとんどですよね、われわれが報告会なんかをするときに、こんなことも知らなかったんだということを、その事実を目の当たりにして初めて認識するので、やっぱり情報の粒度と鮮度とその量というのはすごく重要だし、知らないのにパートナーと対等の交渉なんてできないんですよね。やっぱりパワーバランス変わってきてしまうし、なめられてしまうし。マネジメントなんてできないですよね。マネジメントって、マネジメントされる側よりも、する側が圧倒的に知識と経験があるから初めてマネジメントって成り立つので、基本的には調査というのは本当に重要ですよというお話でございました。
皆さん、今日はこれぐらいにしたいと思います。また次回お会いいたしましょう。