東:こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
森辺:こんにちは。森辺一樹です。
東:森辺さん、早速なんですけど、今日は素敵なゲストをお招きしているんですけれども、ちょっとご紹介いただいてもいいですかね?
森辺:はい。「中国の下着を変えた日本人」で有名な、我らがスパイダー・イニシアティブ株式会社取締役ヴァイス・プレジデントの金津大輔でございます。
金津:こんにちは。金津大輔です。
東:じゃあ、金津さんの少し、簡単な略歴をここでご紹介したいと思います。1975年生まれ。高校より在米歴8年。コロラド大学卒(東アジア研究を専攻)。北京大学留学、ジョンズ・ホプキンス南京大学院中国米国文化研究所卒。在中歴10年。その後、大和証券SMBC(現大和キャピタルマーケッツ)国際業務経営企画部を経て、中国にて女性下着インターネット通販“LAMIU”を共同創業し、取締役に就任。米DCM、大和企業投資、三木谷(浩史)氏(楽天代表)らに対して総額20億円以上の第三者割当増資を実施。2012年、LAMIU取締役を退任し、スパイダー・イニシアティブの立ち上げに参画。取締役ヴァイス・プレジデントに就任し、現在に至ると。何かすごい経歴ですけれども。
森辺:そうですね。金津大輔はですね、まあ大輔なので大ちゃんというふうに社内で呼んでいますけども、今日は金津さんということで、ゲストにお招きしていますので、呼びますが、もともとのLAMIUですよね、eコマースを通じて中国の下着のeコマースだったんですけど、下着市場を変えてったっていうことでですね、今日はそんなところの中心のお話をしていただきたいなと思っております。その前にですね、ちょっと金津さんとの出会いなんですけども、ちょうど金津さんがLAMIUにいた時にですね、私は金津大輔と知り合いまして、それから彼の、たぶんリスナーの皆さん声でどれぐらい感じていただけるか分からないんですけど、持っている雰囲気というか人間性というかですね、非常に大らかな人柄を、人格の持ち主でございまして、そんなところの魅力にリスナーの皆様も触れていただければおもしろいんじゃないかなというふうに思っております。
東:じゃあ、ちょっと金津さんに、森辺さんの最初の印象ですとか、森辺さんがどういうところで会ったのかっていうのを二人にお聞かせいただければありがたいんですけど。きっかけはどういったかたちで金津さんとは?
森辺:そうですね。あんまりちょっと、お話できることとできないことがあるんですけども、彼の会社にある企業が興味を持ちましてですね、その会社を買いたいということで私が依頼主のFAとして入らせていただいて、そこで彼と出会ったっていうそんな流れですよね。
東:その時の金津さんの印象って、森辺さんはどういう印象だったんですかね?
森辺:北京だったんですけどもね、本社が。北京の、今でも覚えていますけど、非常に大きなビルで、金津さん、あれ、どれぐらい広さあったんですかね、LAMIUっていうのは?
金津:1600平米ぐらいですかね。
森辺:1600平米ぐらいですよね。ものすごいきれいな事務所だったんですね。そこに向かいに来られた時の金津さんの格好ですかね、八分丈ぐらいの白いパンツとワイシャツにスカーフみたいなのを首に巻いてですね、本当に、おしゃれだなこの人、さすがアパレルのeコマースの会社の経営者だな、という、そんな印象がありましたね。もう少し前に彼と会ったのは、日本で会ったんですけどもね、ランチをある人の紹介ですることになりまして、その時に僕は金津さんに、一番最初の一発で彼の雰囲気にやられちゃいましてですね、ランチ食いながら、何か一緒にビジネスしてくださいっていう話を唐突にして、金津さんが困っていたのをよく覚えていますね。けっこうシャイな男でございましてですね、慣れてくるとたぶんいっぱい話してくれると思いますんで、よろしくお願いします。
東:金津さんは一方で、森辺さん、どういう印象でした?
金津:印象は、なかなかクールな感じで、いいなと思いましたけど。
森辺:ありがとうございます。
東:じゃあ金津さんの簡単に高校時代から、アメリカということだったんですけど、どういう経緯でアメリカに行って、そのあと中国に、在中歴10年って書いてあるんですけど、どういうかたちで中国に行ったのかみたいなところをお話いただけませんでしょうか?
金津:はい。アメリカに行ったきっかけは、高校生の時から行ったんですけれども、日本の教育にちょっと合わずですね、兄がアメリカに行っていたので、アメリカの高校のほうが合うんじゃないかということで留学に出まして、中国に最初に行ったのが96年で、それは父の貿易の関連の工場を見学しに行きまして、それが上海、無錫(ムシャク)、南通(ナンツウ)だったんですけれども、そこで中国すごいなと、いいなと思いまして、97年にアメリカの大学から北京大学に交換留学をしまして、サマースクールをいくつか重ねて、中国北京語言文化大学に1年、上海師範に1年、南京大学で大学院というかたちになっています。
森辺:なるほど。すばらしい経歴ですね。で、そのあといったん帰国されて?
金津:で、大和SMBCという会社で国際業務企画というのをやっていまして、それは主に海外支店のコントロールをするという役割をやっていまして、そのあとに商社に3年ほど勤めて、そのあと友達と中国で通販会社をやろうということで起業したと、いうかたちになります。
森辺:これがLAMIUですよね。このLAMIUが、日本人が金津さんだけということで、他は中国の?
金津:そうですね。中国、まず僕の友人であった董路(ドン・ルー)というCEO、彼とは日本で会いまして、彼は北京生まれの日本育ちでアメリカ留学と。金融機関に勤めておりまして、彼が中国に戻ったあと起業して、その時に一緒にやろうというかたちで誘われたと。
森辺:なるほど、なるほど。
東:その辺の経緯は2013年の2月11日の日経ビジネスの82ページに書いてある「中国の下着を変えた日本人」というところに書いてありますので、詳しくは皆さん、こちらをご覧いただければと思うんですけど、そのドン・ルーさんというのは日本のゴールドマン・サックスなどの勤務を経て、中国での起業を検討中だったって書いてあるんですが、どういういきさつで金津さんっていうのはドン・ルーさんに誘われたんですか?
金津:起業する数年前に、もともと金融関係だったので、ぼくの後輩の親戚ということで紹介されて、意気投合してお友達としてはずっと数年間、付き合っていたんですけど、ある機を境に、起業するということで、じゃあ一緒にやりましょうということですね。
森辺:なるほど。その他にも優秀なメンバー結構いましたよね、中国の人とかアメリカ人とかね。
金津:そうですね。ファウンダーとしては、ロシアに留学していて、人民大学でMBAを取ったハオという中国人と、あとはオックスフォードと【UPenn(ユーペン)】(00:09:27)、ペンシルバニア大学(UPenn)ウォートン(Wharton)でMBA、DBベンチャーキャピタル9年強の経験を持つビルというアメリカ人ですね。
森辺:すごかったですね、ビルさんはね。
金津:そうですね。
森辺:なるほどですね。で、そのLAMIUなんですけど、ちょっとリスナーの皆さんにもご紹介をしていただいてもよろしいですかね。どんな会社なんですかね?
金津:基本的には、マルチブランドのマルチチャンネルを掲げた企業、ブランドとしてはゼロから立ち上げたんですけれども、モデルとしては米国のビクトリアシークレットをビジネスモデルの参考にして作った会社なんですけれども、2008年に起業しまして、まずはカタログとインターネットで販売を開始して、順調に販売が伸びましたので、北京の百貨店に店舗を出して、あとは自分たちで物流センターとコールセンターを持っていったという感じですかね。
森辺:そうですね。物流センターのほうにも私、以前行かせていただいて、非常に広い物流センターと、コールセンターも非常に、もともとどちらかのコールセンターにいらっしゃった責任者とか、物流の責任者なんかも、大手のeコマースの物流をやっていらした方とかですね、いわゆる経営陣以外のマネジメント層も非常に優秀なメンバーが集まっており、一時期、従業員で何人ぐらいいたんですかね?
金津:一番多い時で350ぐらいですかね。
森辺:350ぐらいいましたよね。ものすごいかっこいい事務所に、本当に素敵なところでしたね。このLAMIUさんというのはどんなことをやってる会社なんですかね?
金津:基本的には下着を中心としたアパレル商品を中国で製造し、消費者の元にまで一貫して届けるというのをビジネスモデルとしていますね。
森辺:で、店舗を持って?
金津:そうですね。実際の店舗もいくつか、直営とフランチャイズを、が、ありまして、主な販売チャンネルとしてはeコマース、インターネット上の販売が多いという形ですね。
森辺:リアル店舗のほうも売り上げナンバーワンとかになっているんですね。
金津:そうですね。北京の百貨店で売り上げがよかったもので、他のショッピングセンターから引き合いが来て、2店舗目、3店舗目と広がっていったというかたちですね。
森辺:この日経ビジネスさんに取材を受けた金津大輔の「中国の下着を変えた日本人」の特集以外にも金津さんってダイヤモンドとかに取材…。
金津:そうですね。それはたぶん起業して1年半か2年ぐらいですかね。中国のインターネット企業でファウンダーとして働いている日本人はいないということで、そこの視点から取材はされたと思うんですね。
森辺:テレビの取材も一回受けていましたね。
金津:そうですね。ビジネスサテライトですかね。
森辺:テレビ東京ですね。
金津:そうですね。あれもまあ、中国のeコマース企業が日本に進出するというタイトル、テーマですね。
森辺:なるほど、なるほど。あと、モデルさんで日本の有名なモデルを活用していたとかっていうのも、一時期非常に話題になっていましたよね。そうですよね。で、そのLAMIUが欧米系のファンドを中心に、非常に大きな資金調達をされたんですよね。総額20億円強ぐらいですかね。このeコマースの会社を創業してですね、経営を続けてきて、昨今の著しいeコマース市場の成長を、中国において、それを実際に実業家として体験した金津大輔にですね、次回以降、中国のEC、一体どうやればうまくいくのかというようなお話を、ちょっと聞いていきたいなというふうに思っております。