アジア新興国 – ”日本人っていい人”と現地マーケティングの向き合い方 その1
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テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日は、日本人って本当にいい人だなというお話をちょっとダラダラしたいなというふうに思います。なぜそんなことを話そうと思ったかというと、最近ちょっと出張が続いていて、いろんな国に行っていろんな国の人と商談をしていたんですけども、会議自体はうちのスタッフが中心に進めるので、僕は会議中、暇だったのかな。暇じゃない…。暇じゃないと思うんですけど。(笑)なんとなくふと思ってしまったことがいくつかあって。海外に行くとね、皆さんも海外の企業と打ち合わせをしたことがたくさんあると思うんですけど、ASEANも、中国も、インドもね、どこへ行ってもね、会議のときにテーブルにいっぱいいろんなものが出てきますよね。日本だと水、お茶とか、コーヒーとか、そういうだけですけども、3つ出てくるなんていうことはないと思いますけども、基本的にどれか1つ選んでとか、最近だとお好きなものをどうぞとかいう、そういうスタイルが多いのかもしれないですけど。まあまあ、海外へ行くとね、コーヒーから、水から、お茶から、クッキーから、フルーツから、まあ、何ですかと、懇親会でもやるんですかぐらいの勢いでテーブルにいろんなものが並ぶと。温かいよねと、面白いよねという経験をされたことがあると思うんですけど。
その中で僕は日本で会議をしていて、自分の飲みかけのペットボトルを持って帰るなんていう国民は、僕はもう日本人以外に見たことがないなと思っていて。これって当然ね、自分が飲みかけのペットボトルなので、これは無駄になってしまうから持って帰るという。空でも持って帰りますよね、ペットボトルね。僕も自分でそうしているので。それはなぜそうするかというと、相手に無駄な労力をかけさせたくないとか、相手のことを思っての、われわれでいう礼儀というやつですよね。でも、それが美徳としてわれわれの社会では通っているんだけども、インドでも、中国でも、マレーシアでも、シンガポールでも、インドネシアでも、ベトナムでも、フィリピンでも、そんなところに神経を研ぎ澄ませている人なんていないんですよ。ペットボトルを持って帰るフィリピン人なんか見たことないので。例えば、紙コップに出されてね、紙コップをバッグに入れて持って帰ったらこぼれてしまうので、それはいないんですけど。でも、紙コップに半分残ったコーヒーやお茶を全部飲み切って空にして、使った砂糖の袋とか、くるくる回すやつとかを全部紙コップの中に入れて、何なら右左の人の紙コップもグーッと1カ所にまとめて帰っていくという、これがわれわれの礼儀ですよね。こんなことをしている人も、僕はいろんな国の、何十カ国の国の人と今まで会議をしましたけど、ただの1人も見たことがないんですよ、そこに神経を尖らす人。この相手を思う気持ち、すばらしいし、この細かな神経の尖らせ方が製品開発にも生きるんだろうなとか、そんなこともあるので、すごくいい面もたくさんあるんですよね。
ただ、一方で新興国市場のマーケティングということに置き換えたときに、この全方位的な神経の尖らせ方が、最も売上を上げる上でとか、シェアを上げる上で重要なキーファクター、ある一定のキーファクターに経営資源を投下集中させなきゃいけないということの阻害にはなるんだろうなとかって考えたりするんですよね。だから、われわれの日本人らしさ、日本人らしい良さ、これはこれですごく良くて、僕も大好きで、これを大切にする必要があると思う一方で、それが事業に置き換えたときに、こういう神経の張り方をしているから事業もこうなってしまうんだなとかっていうことを思うことがすごくあって、僕がその上で気をつけていることがあるのは、日本人としてのこういう立ち振る舞い、礼儀、これを礼儀と思っているわけですから、それはそれで僕は大切にしつつも、それをマーケティングのテーブルに載せたときには、合理性の追求をやっぱりしっかりしていくということをね、その上ではそういう礼儀とか文化みたいな、われわれの商習慣みたいなのは載せてこないということを意識的にそうしていて。これを意識的にやらないと、載ってきてしまうんですよね。気づいていないんだけども、載っているということが結構多くて。なので、そんなふうに考えていた今日この頃というか、何を言っているんだ、こいつというふうに思われてしまっているかもしれないですけど、言いたいこと伝わっていますかね。われわれの良さは時にして、悪さとは言わないけども、足を引っ張るということにもなっているので、そこの見極めみたいなところって重要だよねというふうに思ったりした今日この頃でした。
今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、また次回お会いいたしましょう。



