【特別対談】明治大学 経営学部 原田 将 教授と語る – ブランド価値経営とグローバル市場 その3
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この放送の要点
- 消費財企業では営業起点で薄利多売から付加価値型への転換が始まる。
- 社内に点在する強みや思いをコンセプトにまとめ、分かりやすく発信する。
- クワイエット・ラグジュアリーは、控えめな表現の背景にある哲学も伝える。
- レクサスやセンチュリーを例に、日本ならではの高級ブランドの方向性を語る。
日本企業の強みをブランドとして伝える方法について話す回です。原田将教授が、消費財企業の付加価値型への転換と、社内に点在する価値の発信を解説。クワイエット・ラグジュアリーやレクサス、センチュリーを例に哲学の重要性を語ります。
テキスト版
森辺一樹(以下、森辺):皆さん、こんにちは。SPYDER INITIATIVEの森辺です。今日も引き続き、明治大学の原田先生をお招きしております。原田先生、どうぞよろしくお願いいたします。
原田将先生(以下、原田):よろしくお願いします。
森辺:先生、ブランド価値経営が大変重要だということで、前回、前々回とお話をお聞かせいただいて、いろんな部門に関わってこのブランド価値経営というのは成り立っているということなんですけど、いくつか先生の今までのご経験の中で事例みたいな、こんなふうに関わっていて、こんなところを改善して、こんなふうに良くなったみたいな、そんな事例があればご紹介をいただきたいんですけど。言える範囲でお願いします。
原田:前回も、ブランド価値経営だとかブランド価値の向上がうまくいっている企業の共通点として、マーケティング部門以外の人たちがブランド価値に対する理解であったり、問題意識を持っているって話をしたと思うんですけれども、いわゆる消費財企業の中で、ブランド価値経営に着手してうまくいっているところっていうのは、結構、営業起点で話が始まることが多いなっていうのが、私が調査しているときの印象です。
従来ですと、営業の成果指標というのは売上個数だったりして、とにかくたくさん個数を出すと。そうすると、工場の稼働率も上がりますし、事業部としてはうまくいっているように見えるのですが、でも、実際いくらで売っているのかだとか粗利の観点からだとかするとあまり良くないというような状況の中で、全般的に市場があまり伸びているような市場というのが少ないというか、日本市場全体がシュリンクしていっているような状況の中で、薄利多売型のビジネスモデルに限界を感じて。
森辺:そうですね。
原田:じゃあ、これを付加価値型に変えましょうと。でも、じゃあ、付加価値型といっても、今まで100円で売ったものを120円で売りますってなったときに、じゃあ、この20円の差は何なのかっていうようなことを、じゃあ、どういう軸でお客さんに説明したりしていくのかっていうときのキーワードとしてブランドというものが出てくる企業が多いと。ですので、先ほどの営業起点で規模追求型のビジネスから変わっていこうってするときに、ブランドだとかっていうことがキーワードとして出てくるようなところが多いっていうふうに思いますね。
森辺:そうですよね。いや、特に2000年代以降、海外でもね、中国で何でもつくれるようになってしまってから、日本企業だけがつくれる状態じゃなかったので…。日本企業しかつくれなかったら、品質と機能だけ磨いておけば、どうせ日本企業しかつくれないので買いますみたいな。でも、中国の企業でもつくれるようになってしまうと、やっぱりコスト競争でこれ勝つという戦略ではないですよね、われわれはね。
原田:なかなか難しいですよね。前回のテレビの話とかでも、森辺さんはもうソニーのブランドの。
森辺:信者なんですよね。
原田:信者なので、いいんでしょうけれども、例えば、今、画像の品質を人間の目でどこまで判断できるのかって言われたときに、なかなかその差を認識できるというのは難しいと。そうなってくると、要は、じゃあ、なんでこういうテレビをつくっているんですかだとか、ほかに、要はテレビの映像以外の付加価値の機能としてどういうものがあるんですかだとか、そういうようなちょっとストーリーの話も伝えていかなければいけないと。
森辺:僕は勝手にソニーのストーリー頭にあったんだけど。あとね、有楽町、ビックカメラでしたっけ、ヨドバシでしたっけ、どっちでしたっけ。ビックカメラかな。
原田:ビックカメラ。ビックカメラ。そうそう。
森辺:ビックカメラですよね。の売り場でね、僕、家で気づいて、「ああっ」と。65万の一番高いやつを買ったんですよ。じゃなくて良かったなと。ソニーはソニーでもっと安いのあったので。3機種ぐらい並べられて、並べるとね、ビックカメラで、「やっぱりいいね、こっちのほうが」ってなるんですけど、家に帰ってきて1台しかなかったら、これが果たしていいのかどうかが分からないんですよ。ということはね、「うわ、上手いな」と思って、あのビックカメラのあの売り場もマーケティングで。
原田:そうですね。
森辺:これ、今、消えているじゃないですか、モニター。黒くわれわれの影が映っていますよね、黒い画面に。
原田:はい。
森辺:僕が買ったやつは、これが映らない、新しい技術なんですと。
原田:へえー。
森辺:だから、自分が映らないんですよ、消していてもね。確かにと。映ったら気になるって。家電量販店はもっとライトビカビカなので、ここの黒い消した画面がビカビカしてるんですよ、現場で。こんなの嫌だなと思っていたんですけど、家の中、そんなビカビカライトしてないのでね。
原田:(笑)
森辺:いや、映らなくて良かったみたいな。「うわ、マーケティングすごいな」と思って。なので、僕はソニーの信者で洗脳されていた上に、ビックカメラの売り場マーケティングの2つにやられた、何たるあれだと思って、いいカモだなと思ってね、そう、後悔して。何の話なんだって話なんですけど…。そうですよね、ブランド、重要だよな。
そう考えたときに、日本企業って、僕、ブランド価値って、幹の部分と枝葉の部分があると思っていて、実はこのブランド価値って、もう幹の部分は日本国の成り立ちとか、われわれ日本の大和民族がどういう人物なんだっていうことを、日々1億2,000万人が世界と接して証明し続けているから、意外に世界から好かれているじゃないですか。
原田:そうですね。
森辺:これもまさにブランドで、これが企業、だから、日本製品いいよとか、品質いいよねとか、トヨタのブランドとかね、分からないですけど、日産GTRの神がかったブランド力とか、ああいう良いものはあって、それは全部日本国、日本人という幹の部分から派生しているものじゃないかと。あと1つ、下手なのが枝葉のところ。幹が悪いと、もう枝葉をどうやってごまかしたってたぶん無理で、そういう国の企業もあると思うんですよ。もう、うちの国ないですと、幹ボロボロですと。ただ、枝葉でなんとなくその国じゃないようなイメージつけて売りますみたいなね。ただ、良い幹持っているから、枝葉の努力でなんとでもまだ上がるんじゃないかと思うんですけど、ダメですか、どうですか。
原田:いや、もうその通りだと思います。いっぱいブランドとして訴求したほうがいいというのは、例えばその企業の方といろいろディスカッションするときに、いっぱい点在しているんですよね、社員が。でも、それをまとめてコンセプトにして発信する人がいないだけであって。
森辺:そうですよね。
原田:それをまとめてブランドというかたちでパッケージ化して発信することさえできれば、日本企業のポテンシャルというのはすごいんじゃないかなって、いつも思うんですよね。
森辺:そうですよね。なんかこう、日本企業ってどこか、言わなくても分かってくれるはずとか、僕も小さいとき、親父に「男は黙ってサッポロビールだ、一樹」って言われてたのでね、そういうところあるじゃないですか。「男は黙ってサッポロビール」って。でも、この「男は黙ってサッポロビール」もそもそもブランドだと思っていて、この「男は黙ってサッポロビール」だよという価値観を輸出しろと思っていてね、そういう良さですよね。だから、もうちょっとのアジャスト。幹がしっかりしてるんだから、そう、だから、エバンジェリストみたいな人がいる必要があって。だって、スイスの高級時計ブランドの展示会とかに、私ちょっと行ったんですよ、最近ね。そしたら、どうでもいい機能をものすごい一生懸命説明するわけですよ。パーペチュアル・カレンダーって、400年変えなくていいですと、日付をね。でも、機械式時計なので、止まるわけじゃないですか。400年動いてないんですよ。そうすると、400年変わらないことに価値なんてないんだけども、それがあたかも価値のあるように語るわけですよね。でも、もうそれ、すぐに飲み込まれていっちゃって、すごいなと、「パーペチュアル・カレンダー」とか言ってしまってるわけですよ、僕もね。
原田:(笑)
森辺:そういうことですよね。
原田:いや、控えめであることの美学だとか、謙虚、謙虚なのかな、でいることだとかって、日本人のやっぱり美学の1つだとは思うんですけれども、ことブランドに関して言えば、自分たちがどういう思いで、なぜこういうものづくりをしているのかだとかっていうことをやっぱり伝えないと。
森辺:そうですよね。
原田:お客さんってやっぱり、黙っていて分かってはくれないんですよね。例えば、いわゆる高関与商品と呼ばれるような、例えば先ほどの時計だとかっていうのは、好きな人はいろいろ調べてくれるからまだいいと思うんですけれども、いわゆるそういう低関与商品と呼ばれる日用品とかの場合だと、お客さんは調べてはくれないので、やっぱり企業側のほうから積極的に伝えていかないといけない。
森辺:そうですね。
原田:しかも、分かりやすく。そこにやっぱり自分たちの信念だとか、価値観だとか、それがお客さんにとってどういう付加価値をもたらすのかというかたちで、ちょっとパッケージとして伝えていかないといけないんですけれども。
森辺:そうですよね。
原田:何でしょうね。オーケストラで言ったら、ちょっと指揮者がいないような状況なんですかね。
森辺:なるほどね。
原田:要は優れたバイオリニスト、優れたフルート奏者だとか、ピアニストとか、いっぱいあるんだけれども、それをまとめて伝えるっていう、そこの意識が弱いのか、いないのか。
森辺:そうですよね。いや、日用品にとったって、それはこだわる人もいるし、こだわる人もいないのかもしれない。こだわってないことにこだわっているというか、こだわってないことが好きみたいな人もいるので、なんか、うん、そうだよな。でも、結構最近、アパレルブランドの世界でクワイエット・ラグジュアリーみたいなことがここ何年か言われているじゃないですか。
原田:そうですね。
森辺:このクワイエット・ラグジュアリーに日本企業って、僕、合致するんじゃないかなと思っていて。
原田:ですね。
森辺:見せないけど、実はすごく良くて、そのストーリーが実は掘っていくとあったりするじゃないですか。
原田:ありますね。
森辺:なんでそのストーリー、会社、何百年史とかっていうのには書いているのに、それ社内で配っておしまいみたいな、それ外に出さないで、宝の持ち腐れじゃないですかみたいな企業、結構見るのでね。なんか、このクワイエット・ラグジュアリーをうまく活用していったら…。ひと昔前にクールジャパンみたいなやつあったじゃないですか。自分でクールってなんで言うんだろうなと僕思ってたんですけど。そういうことじゃなくて、クワイエット・ラグジュアリー。いや、先生、何か、クールジャパンと関わっていたら申し訳ないんだけど。
原田:いやいや。何もないです。(笑)
森辺:いやいや。別にクールジャパンの悪口言ってるわけじゃなくて、なんか、そう、そんなことができたら面白いですよね。
原田:クワイエット・ラグジュアリーは、いわゆるロゴマークだとか、そういったものを前面に出さずに、いわゆるちょっと普遍的なデザインであったり、そういった商品を出しているというようなブランド群のことだと思うんですけれども、例えばイタリアのブルネロクチネリとかは、あれはもう村全体でやっているんですよね。村全体でものづくりをやっていて、高品質なものを自分たちのそういう哲学に基づいて、世界中に配給しているという。だから、普遍的であまり訴求しないことがどこから来ているのかということまで伝えると、要はストーリーとして全部完結して、だからこんな値段でもモノもいいし、かっこいいなっていうのに共感する人たちは買うっていう。
森辺:そうですよね。
原田:だから、いろんなやり方はあると思うんですけれども、ただやっぱり、自分たちの会社がどういう理念に基づいてやっているのかっていうことは、しっかり持って、それを意識して、やっぱりすべての活動が調整されてるっていうことがすごい重要じゃないかなと思いますね。
森辺:重要ですね。ヨーロッパは上手いですよね。
原田:上手いです。
森辺:そういうのね、見せ方が。でも、日本も幹がしっかりしているだけに、枝葉の調整を本当にちゃんとやれば、もっともっといい価値が生み出せるんじゃないか。
あっ、クワイエット・ラグジュアリーで思いましたけど、センチュリーってブランドあるじゃないですか、トヨタの。
原田:トヨタの、はい。
森辺:あれがもう、センチュリーをレクサスの上に持っていったじゃないですか。
原田:置きましたね、はい。
森辺:あれ、青山にショールームがあって、そこを通るときに見るんですけど、ロールス・ロイスのカリナンっていうランドクルーザーみたいな車。
原田:ありますね。
森辺:センチュリーも出してるじゃないですか。僕、意外に、もうなんか、ロールス・ロイス乗って、ロレックスつけて、ルイヴィトン着てみたいな、見せるラグジュアリーに吐き気がしてきている人たちって、あのセンチュリーとかのああいう、クワイエット・ラグジュアリーじゃん、まさにセンチュリーとか思っちゃって。なんか、あれまさに日本の良さのもう根幹じゃんと思って、この間感じていて。なんか、相性いいんじゃないかなと思うんだけど。ロゴを出すなということを言ってるんじゃなくて、本当の良さを、何て言ったらいいのかな、枝葉の良さをお金をかけて主張するんじゃなくて、本当に自分たちの信念とか価値を丁寧に伝えていく、そういうことをしていくと、いや、こっちのほうが高いんだけど、こっち買うみたいな、そこ、もうちょっと頑張ったらもっといいいんじゃないかなっていう気がします。
原田:そうですね。ちょうど7月にトヨタのCBOのサイモン・ハンフリーズと対談する機会があって。
森辺:えーっ、すごい!
原田:ポートフォリオの問題であったり、デザインとブランド価値の関係であったり、トヨタ、レクサス、センチュリーの方向性であったりというのを議論したときに、やっぱり彼はデザイン出身ということもあって、デザインの観点からブランドというのを考えてはいたと思うんですけれども、センチュリーは、トヨタのブランドというよりかは日本が考えるラグジュアリーブランドだっていうような意識でやっぱり出していきたいと、世界で出していきたいと。だから、それこそロールスだとか、あとはベントレーだとか、あの辺とたぶん戦う気で、日本が考える、日本人が考えるラグジュアリーとはどういうものなのか、その定義をたぶんあのブランドでしたいと。その一方で、レクサスっていうのはもう少しエッジのある日本ならではの先進技術を生かした、新しい、モダンなラグジュアリーだとかプレミアムな提案のブランドになるというかたちらしいんですけれども。
森辺:はいはい。そうなんですね。
原田:2005年ぐらいに、2005年に日本にレクサスが入ってくるっていうときに、そのブランド室長をしていた方と対談したときに、ヨーロッパに当時、2000年頭とか1990年代後半にレクサスを持っていくと、「あなたのブランドの哲学は何ですか」って聞かれるらしいんですよ。「メルセデスの二番煎じですか」って聞かれると。要は明確な哲学がないと、特にヨーロッパの市場では受け入れてくれない。モノが良いだけでは受け入れてくれない。それで、やっぱり日本発の、要はラグジュアリー、プレミアムブランドにしないといけないということで日本に導入して、そのときにレクサスのブランドブックみたいなのを再整理するんですけれども。要は日本ならびにトヨタが考える、要はトヨタというか、レクサスが考える、要は真の高級車とはなんぞやということを、たぶん世界に。
森辺:ああー。今、鳥肌が立っちゃいました。
原田:挑戦しているのがレクサスだっていうことで。
森辺:いや、どのインダストリーにおいても、欧米の先進企業がだいたいアジア新興国市場、アジアに限らず新興国市場に君臨してるんですよね。そのときに、それの後追い戦略をしたって、彼らはもう世界標準戦略で、もうバンバンそこにお金をつけて、もうすでにブランド立っているし、勝ちようがないって。その中で、小さく同じことを真似るというか、そもそも真似ること自体がわれわれの価値感と違うじゃないですか。だから、トヨタがやっているような、日本の高級車はこういうものだっていう、別にさっきからペンとか鉛筆の話ばかりしていますけど、菓子でも何でもいいと思うんですけど、そういうのっていいですよね。そういうほうが逆に響くんだろうな。
原田:時間かかるんですよ。
森辺:うん。そうでしょうね。
原田:2025年に、日経が調査しているNPSの調査があるんですけど、2025年に初めてレクサスがメルセデスを抜いて自動車のプレミアムカテゴリーでNPS No.1のブランドになったんですよ。
森辺:はー!
原田:要は2005年に入ってからなので、やっぱり20年かかっている。
森辺:なるほどね。
原田:だから、時間はかかりますけど、でも、今何が起きてるかっていうと、販売台数も伸びてますし。
森辺:そうですよね。
原田:非常に業績も好調だし。要は、最初の頃はなかなか大変だったっていうふうに伺ってますけれども。
森辺:僕も50過ぎて、メルセデスからレクサスに変えたんですよ。
原田:そうですか。
森辺:今年ね。あれ、今まで何乗ってたんだろうと思ってて、やっぱり若いときはベンツが、高級車と言えばベンツみたいな。
原田:そうですね。
森辺:ベントレーいいなとか、なんかちょっとこう、何て言うんですかね、そういう時期もあったんですけど、ちょっとおじさんになって、おじさんというか、おじいちゃんに近いおじさんに、50を超えてくるとね、なんかそういう、なんかいかにもっていうものには乗りにくいというか、トヨタを再評価しているというか、トヨタは明らかに、日本の国産車ってみんな一緒かなと思ってたんですけど、明らかに頭が何個か上っていうか、いや、ベンツより全然いいじゃんと思って。そう、今、再認識、自分のリアルライフで再認識しているので。なるほどね、そういうことですよね。
原田:でも、トヨタもチャレンジの途中ですよね、そういう意味では。
森辺:うんうん、そうですね。
原田:やっぱりアジアの調査があるんですけれども、今買っている、自動車で言うと、今買っているブランドは何ですかって聞くと日本車のブランドが並ぶんですけれども、将来買いたいブランドは何ですかってなるとドイツのブランドが並ぶんですよね、アジアの各国で。だから、やっぱり今までよりも、例えばレクサスもそうですし、マツダだとか、日産だとか、ホンダだとか、スバルだとかっていう日本車のブランドを評価する人が、ブランドとして評価する人が増えてきたとは思うんですけれども、でも、たぶんまだ道半ばで。
森辺:そうですよね。
原田:そういうのが分かっているからこそ、豊田章男さんとかは、あれ、ポートフォリオの再編は、豊田章男さんとサイモン・ハンフリーズとかの一部の人間の極秘プロジェクトだったらしいんですけれども。
森辺:へえー! そうでしょうね。
原田:はい。僕も、中日新聞から「明日、トヨタイムズでトヨタがブランド戦略に関する発表をするようです。内容分かりません。それに対して解説をできますか」って言われて。
森辺:わあ、すごい!
原田:それで、私、僭越ながら解説させていただいたんですけど。あとでトヨタの人に聞いたら、いや、あれはもう社内の極秘プロジェクトで、ポートフォリオを再編して、次の自動車ビジネスに向けてトヨタがこういうふうに挑戦するということのある意味宣言だったっていうふうに伺ってます。
森辺:なるほどね。でも、ドイツ車って、やっぱり顔が分かるんですよね。ドイツ車って、メルセデスベンツ、アウディ、ポルシェ…、ぐらいですかね。
原田:BMW。
森辺:BMW。この4車で、全部高級車で、BMはこの顔、ベンツはこの顔、アウディはこの顔、ポルシェはこの顔って、それぞれ特徴があるじゃないですか。
原田:はい。
森辺:でも、日本車って、ちょっと前まで、僕、本当に日本車初めて自分で買ったんですよ、50過ぎてね。なんですけど、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さん、みんなにいい顔みたいな感じのブランドじゃないですか。それはあまり僕の価値観と合わなくて。僕が好きなのは、このBMWのこのフィロソフィーとか、そういうので車選びをしてたんですよね。なので、買わなかったんですけど、トヨタはいいなっていう、親父が「トヨタはいいな」とかって言ってて、「男は最後はクラウンだな」とかなんか。
原田:(笑)昔はそうですよね。
森辺:そういうことを言うんでね、「ああ、そうか」と思ってレクサスに行ったんですけど。まあ、そうですよね、日産もGTRだけ単体を切り取ると、ものすごいブランド価値じゃないですか。
原田:すごいですね。
森辺:なので、あと、トヨタは全体がいいからあれですけど、でも、トヨタの中にもRX-7でしたっけ。
原田:それはマツダですね。
森辺:マツダか。ごめんなさい。トヨタのあのスポーツカー。
原田:スープラ。
森辺:スープラ、スープラ。スープラ、でも、世界的にすごいファンがいて。
原田:そうですね。
森辺:今、古いのは高いんですよね。
原田:そうです。90年代ぐらいの日本のスポーツカーが、映画の「ワイルドスピード」の影響でプレミアムになってて、もう10万キロとか走ってても1,000万とか超えて取り引きされるらしいんですよね。
森辺:RX-7はそうだ、マツダですね。
原田:マツダですね。
森辺:あれも当時、めちゃめちゃすごかった。
原田:人気でしたね。
森辺:人気でしたよね。
原田:世界で唯一ロータリーエンジンを開発できた会社ですので、やっぱりそういう技術のストーリーあるじゃないですか。
森辺:うんうん。そうそう…。
原田:スバルは水平対向エンジンっていう、要はポルシェと同じ技術を唯一つくった。
森辺:そうですね。
原田:要はポルシェとスバルだけなんですよね。
森辺:うん。そうですよね。
原田:GTRはもうGTRでストーリーありますし、スープラもスープラで。
森辺:はいはい、ストーリーありますよね。
原田:ストーリーあって。だから、もっとうまくパッケージ化してしっかり伝えることができれば、ポテンシャルはすごくあるのが日本企業の気がしてて。
森辺:うん。あと、目移りしすぎちゃっていて、もうターゲットはこいつって決めなさいと、全員をターゲットに、全員にいい顔するのやめなさいみたいな、それ中国車にやらせといたらいいんじゃないのかみたいなね、そんなの思いますけど。マツダって言ったらレーシングカーのすごいやつ。
原田:そうですね。
森辺:F1の…。違う、F1じゃない。デイトナでしたっけ。なんか。
原田:ルマンで優勝したんですよね。
森辺:ルマンだ、ルマン! はいはい。ものすごいきれいな音するやつ。
原田:はい、そうです。
森辺:ヒューーンっていう音するやつね。そうだ、そうだ。
原田:本社のミュージアムに行くと飾ってあったりとかしますね。
森辺:車が?
原田:車が。
森辺:へえー! すごい良い音するやつですよね、あれね。
原田:すごいです。
森辺:あっ。ちょっと24分! 歴代最長に話しちゃってるんですけど。
原田:(笑)
森辺:すみません。ちょっとこれぐらいで今日は終わりにして、また次回、すみません、引き続きよろしくお願いいたします。
原田:よろしくお願いします。
森辺:皆さん、また次回お会いいたしましょう。



