東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、今日は素敵なゲストをお迎えしているんですけど。
森辺:はい、今日のゲストはですね、ハウス食品グループ本社株式会社、専務取締役国際事業本部の経営企画担当の広浦さんにお越しいただきました。広浦さん、どうぞよろしくお願いいたします。
広浦康勝(以下、広浦):はい、広浦です。どうぞよろしくお願いします。
森辺:そしたら広浦さん早速なんですが、ハウス食品の商品が実は中国なんかでも非常に有名で、向こうでの生活者とかビジネスをされているような方は当然ハウスが中国で何やってるかなんてのはもう十分わかってるんですが、リスナーの方々にはまだハウス食品のグローバル化について全く分かっていない方もいらっしゃるんで、御社の海外展開についてお話を少しお聞かせいただいてもよろしいですか。
広浦:はい、わかりました。そしたら少しお話をさせていただきます。ハウス食品グループ中期計画を立てて展開をしておりまして、今ちょうど第四次の中期計画に取り組んでます。これは年度で行きますと2012年~14年のスパンですので、ちょうど今年が最終というところですね。この第四次中期計画の中でですね、大きくやはりハウス食品グループとして海外へのシフトを加速していこうということで明確に中期計画の中身、海外事業のシフトアップということでテーマを掲げました。まさにこの中期計画から海外事業をよりスピードを上げると、いうタイミングなのです。今ご質問のありました海外事業展開の現状なんですが、大きくは3つのエリア、4つの事業で今展開をしてます。1つは米国なんですけど、実は豆腐をやってまして、
森辺:それは驚きですね。
広浦:そうなんです。これはずいぶん前からやってまして、1983年からやっております。順調に伸びておりまして、今年のチャレンジがちょうど1億ドルにチャレンジしようということですから、ちょうど100億。それぐらいの規模まで育ってきました。
2つ目の展開事業が中国です。中国については、カレー事業でやっております。中国の展開は1997年からやってまして、スタートはレストラン、カレーレストランですね、それと輸出で展開をしておったわけですけど。ちょうど10年目になるんですが、ルー事業を始めてまさにここ2~3年が大きく成長するかどうかという勝負の年に入ったかなという風に理解してます。
それと3番目はASEANでの食品事業展開なんですが、これは国によって少し展開している事業が異なってきます。タイとベトナムで今展開しておりまして、タイについてはC-vittというビタミンCの機能性飲料で展開しております。ベトナムについてはこれは昨年からですけどパウダーデザートで展開しています。まだまだ今立ち上げのところです。
最後ですね、4点目がアジアで展開してます。カレーレストラン事業です。ブランドはcoco壱番屋さんとマスターフランチャイズ契約を組みまして、中国台湾韓国が私共が展開しているエリアということで、昨年末でちょうど3か国合計で78店舗の規模になってます。
森辺:そうするとおもしろい海外展開をしてる印象が非常にあるんですけど、ハウスさんっていうとカレーのイメージが非常に強いんですけど。米国で豆腐を1983年からやっているっていうのも驚きなんですけど、中国でカレーっていうのは一見中国でカレーってどうなんだろうみたいなのも感じる方もいらっしゃると思うんですけど、実は中華料理でちょっとカレーの味がしたりするのって結構多かったりするんで、中国人にカレー浸透するんじゃないかなって私も思ったことはあったんですけど。
今はルーの販売も現地でやってるという、そんなあれなんですよね。ASEANはASEANでいわゆるC-vittとデザートをベトナムでということなんですけど。エリアでそれぞれやってることが異なるんですが、それはやっぱりその現地に適したものがこれなんだということで戦略をエリアごとに分けていたと。そんなイメージが、
広浦:そうですね、この基本的な考え方につきましては、やはり現地現地のその生活のニーズであるとか食のニーズ、それを我々がどう理解して、そこに提供できる我々のものは何かっていう風に考えているのがベースなんです。特に先進国成熟エリアの米国なりヨーロッパですね。ここにつきましては非常にやはり食の需要、文化も進んでますし、健康志向もどんどん進んでますし、食そのもののやはり外部化ってのも進んでますから。このエリアにつきましてはやはり、日本で我々が培ったものをそのまま持っていくということではなしに、むしろそういったニーズに合うものを発見していく。そういうスタンスが必要ではないかなという風に考えてまして、そういう中からやはり米国での展開っていうのは豆腐がもっともいいのではないかということで、社長がやはり現地の豆腐をやっている企業と組んでスタートしようという風に展開したのがスタートですね。
森辺:お豆腐の事業って日本ではやってないですよね。
広浦:これはやはりちょっと法律の問題がありまして、豆腐は日本では大企業でないというところで。
森辺:客観的にハウス食品さんを見たときに、なんかすごくこれ素晴らしいなと思うんですけど、多くの日本企業さんは日本で成功したものを、日本の国民に対して、それを無理やり海外の市場に「どうだ、いいだろう」っていうことで押し込んでいく、いわゆるそのプロダクトアウトっていわれてるような海外展開をやりがちなんですけど、結局その各市場が何を求めてるかってところをベースにして、その中から自社が何を提供できるのかってのを次に考えてるっていう、その戦略の姿勢というかそのものが素晴らしく、またユニークだなという印象をずっと思っていたんですけど。今回そうしてしっかりとした戦略のもとに国別で売ってるものを変えてるってのが分かったので、非常に勉強になりました。面白いですよね。タイなんかはやっぱりこのビタミンドリンクではいいっていう、なんかあったんですかね。これが市場で求められてるんだ、みたいな。
広浦:そうですね、先ほど米国欧州の話をしましたけどね、少し新興国成長エリアの我々のとらえ方なんですけど、先ほど言いましたように、食のニーズ生活のニーズから行きますと、食のニーズはやはり多様化ですよね。それと生活ニーズから行きますと、まだまだ子供の成長なり家庭の幸せ、健康というところもまた別の意味で重要なファクターになってきますから、そういう意味では我々グループとして持っているこれはC1000の国内のブランドなんですが、それを持っていくことができるのではないかと。これはあくまでも日本で構築したモデルを向こうで展開するという考え方ですよね。
森辺:わかりました、広浦さん、そろそろお時間になりましたので、ちょっとこの辺で今回はいったん終わりにしたいと思います。また次回よろしくお願いいたします。
広浦:はい、ありがとうございます。