東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:それでは森辺さん、引き続きハウス食品グループ本社の広浦専務をお迎えしているんですけども。
森辺:広浦さん、どうぞよろしくお願いします。
広浦康勝(以下、広浦):お願いします。
森辺:前回、御社の海外事業展開についてお話をお聞かせいただいたんですが、今回その中でも中国の事業についてお話をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
広浦:はい、わかりました。それでは、中国のカレー事業の経緯ですね、からご説明したいと思います。中国でのカレー事業のスタートは1997年のスタートでありまして、これはカレーレストランと日本からの製品の輸出からスタートを切ってます。その後2002年にレトルトカレーを発売しましたし、続いて2005年ルーカレーを発売したと。これはここにありますハウスバーモンドカレー、これがもっとも重要ブランドと位置付けて展開してるというところです。おかげさまで非常に堅調に推移してきてますので、やはりここ2~3年が「○○(非連続の客体?)」(2'38)に向けては非常に経営資源も投下して、勝負をかけなければいけないなと、いうタイミングかなと理解しています。
森辺:中国で生活をしてる方なんかは、ハウス食品が中国でカレーをものすごく頑張ってるってのはすごく理解をしてるところだと思うんですが、結構日本にいらっしゃるような方だと「カレーライスを中国人食べるのかな」みたいな疑問を浮かぶと思うんですよね。御社はカレーライスを中国人民食へっていう風に掲げられてやられてきていて、1つの食文化を向こうで作り上げようという非常に強い意志を、傍から見て感じるんですけど。当然これだけハウスのカレーが中国で認められるようになるまではいろんな苦労もあったと思うんですよね、その苦労話なんてのも、もしお話しできる範囲で何かお聞きできればどんなところが難しかったですかね。
広浦:はい、わかりました。今お話しいただきましたように、私どもの中国での展開っていうのは、カレーライスを人民食にという目標を掲げて、みんなの考え方も統一して取り組んでいるわけですけど。カレーの可能性があるなという風に実感したのは、カレーレストランと製品輸出をスタートしたときに、いろんなチャレンジをしてですね、お客様にも当然、日式カレーを食べていただいて。実際に食べていただいてるこの様子っていうんですか、おいしそうに食べていただいてっていう、このシーンなりを見て中国でカレーがあるなという風に実感したのが、このレストラン事業と輸出の時の大きな我々としての認識なんですよね。
しかし、今お話がありましたように新しい食文化を作るということになってきますので、文化っていうものを作るということは長い時間を要しますし、我々として取り組む意思ですね、ここも強く持っておく必要があるなという覚悟のもとに取り組んだわけです。一番の苦労っていうんですか、中国でのカレーの普及でポイントだなって位置づけたのは、食べたことのないカレーライスをですね、いかにやはり知っていただくのかどうかという、ここが一番のポイントで。まずは食べていただいて、おいしさを実感いただいて、おいしさだけではなしに記憶に残るっていうんですか、心に残るっていうんですか、そういう感動体験を、この我々の提供するカレーでいかに持っていただくっていうのがポイントだな、という風に。
そういう風に考えますと、ハウスもですね、創業して国内においてもやはり創業期に展開した最も大きな活動の柱はですね、街頭試食宣伝だったわけですよね、宣伝カーもたくさん出して。まさしく中国での今までやってきた、カレーライスを知っていただく、食べていただくというのは、それの中国での展開だという位置づけでですね、とにかく試食デモを展開して少しでも多く食べて感動いただくということに我々も注力してますし、もっとも苦労した点はやはりその点ではないかなと。今だいたい1年間で延べ1万店/日っていうんですか、ぐらいの試食を今も。
森辺:なんか中国の方が住まれてるマンションっていうかアパートの下のところの広場で総合住宅団地みたいなのあるじゃないですか、日本で言われる。そういうところで試食をやってるのを何回か私見たことがあって。すごくコンサルタントとして客観的に思うのが、食文化を異国で植えつけるって、ものすごいパワーと根気とその信念と、かかると思うんですね。結構中国ビジネスなんてのは、中国の経済が発展してる時にポンと行ってちょっと行ってだめだから撤退するって企業がほんと多い中、ほんとに根気強くハウスさんはこのカレーをやられたなっていうのをずっと見てきて。ものすごい辛抱と不安と全部を乗り越えないといけない、この過去10年っていうのはものすごい企業としての価値になってるんじゃないかなって気がするんですけど、やっぱり今、こうして広浦さん簡単におっしゃってますけど、それはままならぬ大変さというか、あったんですよね。
広浦:そうですね、もう少し大きなテーマで海外展開を考える中でですね、やはり米食民族って全体から見たらすごい数なんですよね。米食民族に対して、カレーライスを広めていこうというのがカレーをベースとしたハウス食品グループの根底のミッションだという風に理解してますので、その米食民族に対してトライしようという風に決めて展開したのが中国が第一弾の展開ということです。展開のところっですね、一つのポイントは、先ほど団地の下でっていったんですか、ショッピングセンター、いろんな街頭での販促活動のお話いただいたんですけど、やはりカレー事業をもっともっと広いメーン展開をしてお客様との接点を最大化させるのかどうかっていう、ここが一番ポイントだったなと今思ってます。
ですから流通を通して、スーパーさん等での店頭で家庭用製品を展開するからもちろん柱なんですけど、それだけではなしに、やはり先ほど冒頭でも申しましたカレーレストランですね。それともう一つはやはり業務用にも力をかなり入れてまして。そこはハウスというブランドは出ないですが、コンビニエンスさんの弁当であるとか、事業所の昼食っていうんですか、学校での給食等々ですね、いろんな食の場面でカレーというものを大きく普及させていこうということから行きますと、この家庭用とレストランと業務用、この3つの展開をトータルで回して、サイクルを回して輪を広げていくっていう。ここが一番のポイントだという風に思ってます。
森辺:ありがとうございます。そしたら広浦さん、今日もまたお時間が来てしまいましたので、また次回どうぞよろしくお願いいたします。
広浦:ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。