東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん、遅くにすいませんけど、ただいま何時でしょうか。
森辺:10時35分、22時35分です。
東:こんな生中継でいいのかわかんないですけど。前回、ディストリビューターがどんな人たちなの、というのと、森辺さんが出張行ったときにディストリビューターの人たちとどんな会話をして、どんなことをやってるのみたいな。出張がすごく多いから、Facebookとかを見られていて、皆さんもわかっていると思うので、そんなことをお聞きしたいんですけど。
最後の方に、ディストリビューターの人たちって華僑系が多いって言ってたじゃないですか。華僑華僑って結構日本でも聞きますけど、じゃあ実際に、華僑の人たちと知り合いがいたりする人はイメージ湧くかもしれないんですけど、華僑と呼ばれる人たちってどういう人たちがディストリビューターの華僑系みたいなオーナーなのか、どんなイメージなのかなっていうのはわかるようには。
森辺:僕がなんとなく感じてるのは、2タイプあるんです、大きく分けると、すごく大きく分けると。一つは独立系の華僑なんですね。もう一つが財閥系の華僑で。ディストリビューターっていう業種はどっちかっていうと独立系華僑が多いんですよ。だから売上とかも数百億くらいの会社なんですよね。財閥系っていうと何千億とかの話なので、すごく規模が大きいんですよね。ディストリビューターだけが本業っていう会社は華僑の中でも独立系で、財閥系ではない。数百億ぐらいっていうのが基本メインなんですよね。こういう人たちが財閥系っていうと、いろいろやってる中の、ディストリビューションっていう事業も一つやってるよっていう。ディストリビューションやってるけど、そもそも小売り持ってたりだとか、大きいチェーン持ってたりっていうのがあるので、規模っていうとこんな感じなんですよ。
前者の数百億ぐらいの感じの人たちは、どっちかっていうと僕が話してても会話がだいたい同じくらいの価値観。例えば10万円に対する価値観が同じなんだろうな、というイメージがわきました。もう一つ、どっちもそうなんだけど、華僑の中でも日系慣れしてる華僑と、日系慣れしてない華僑ってあって。日本企業じゃないですか、僕のクライアントって。そうすると結局、最後、日系慣れしてる華僑のほうが長続きするんですね。日本人ってどっちかっていうと、頑張って頑張って頑張って頑張って成果を出すみたいな。そこについてこれなかったりするんですよ。思いっきり華僑だと。バーンと出資してどーんあげてみたいな。頑張ってって何年頑張るんだ、みたいな。その辛抱をできないっていう。そうするとその会社のビジョンっていうのかな、社風、文化みたいなのが違って、途中でだめな時ってあるじゃないですか、うまくいかないときって、物事が。その時に絶対もめちゃうんですよ。あと、儲かったときに、それをどうするのっていう利益配分どうするのっていう、もっと投資をしようっていうのか、すぐにお互いの利益に還元して、みたいな。だから組む相手ってここの文化、ビジョンみたいなところがほんとに合致してるかっていうのは、一番重要といってもいいぐらいで。スキルは逆に言うと、高いほうがいいに決まってるじゃないですか、けど鍛えるってことができるので、でも価値観とかビジョンとか文化みたいなものは、変えるのものすごく大変なんですね。変わらないですよ。だからそこはすごくディストリビューターと最後こことやるって決めるときはすごく重要になってくるんですけどね。
まあまあその話は置いといて。独立系。あとその財閥系みたいなのは、最近、某国のディストリビューターとはもはや呼べないんですけど、ディストリビューションの機能を持ってるんですよ、そこの会社の社長お兄さん、取締役に弟がいて、その方たちとお会いしてきていろいろ接待を受けてきたんですけど、その人たちは10万円に対する価値観が桁が違うなと。僕にとっての10万円は10万円なんですよ。なんですけど、彼らにとっての10万円はたぶん1000円ぐらい。1万円を1000円に思えるっていうことと、10万円を1万円に思えるって大きな差で、僕は1万円を1000円に思えるイメージは湧きます。ただ10万円を1万円に思って買い物はできない。でも彼らは100万円を1万円とか1000円に思えるぐらいに資産を持ってるんですよね。
だからすごく余裕のある人たちで、いつからビジネスが始まるとか、いくらの注文をくれるとかそういう話には一切ならないですね。それだけのことを経験してきて今があるので、結局どれだけロングタームで一緒に事業をして面白いものを作れるかっていうことに、すごく見てる軸がね、そっちなので。ほんとに切った張ったをするわけですよ。独立系の人たちと話すときっていうのは。だけどこういう財閥系の人たちと話すときっていうのは切った張ったの話というよりかは、お互いがお互いのポテンシャルをセンサーし合うというか、感じ合う。その中で気が合うな、この人とこんなこと考えてるんだなって、うまくやれるなって、お互いがそれを思ってやっていくっていう。だから会議が全然変わってくるんですかね。それはお互い経営者であって、トップになってるわけですよね。それだけ違うので、こっちも会議の持ってき方を全然変えていくっていうんですね。そんな違いがあって、今回の場合は彼らの自宅にも招かれたんですけどね、高級車が。
東:どんな所に住んでるんですか。イメージ的に言うと。
森辺:都心から少し離れた郊外の大豪邸みたいな。隣の家は政府の何とかの家とか。隣の家は何とかテレビの社長の家とか。そういうのが住んでる特別なエリアなんですよね。使用人が何人もいてっていう、そういう世界で、ファミリーで住んでるわけなんですけど、息子とか、あと親戚なのかな、自分の親とかね。そういう人たちも一緒に住んでるんですけど。なんだろう、ほんとにお金持ちっていう世界で、お庭にヘリポートがありましたね。近郊の国にはそこからヘリでプライベート、自分の空港まで行って、空港からプライベートジェットで飛ぶって言ってましたけどもね。あと同国内の離れたところまでヘリコプターで移動するっていうのは言ってましたけど。
東:そういう人は一代でそこまで来てる?
森辺:僕が会った人は2代目で、お父さんの話を聞かせてもらって、いかにしてその地位を築いてきたのかっていう。それを長男が継いで、弟がそれを支えていくっていう。三男がまたそれを支えるという、そういうファミリービジネスですよね。だから完全にファミリーで。上場企業なんですけどね。上場企業なんで、ある一定のところは上場企業ですけど、もう一つのところはやっぱり、ファミリーとしての資産というか財産をどう次の世代に引き継いでいくかってことも当然あるんで、日本よりも、上場企業といってもファミリーが強い上場企業。
東:華僑の人たちっていうのは、金儲けがうまいってのは、よく日本でも一般的に言われるじゃないですか。それってやっぱ森辺さんもそう思いますか。
森辺:その通りだと思いますね。
東:どこが、感じるところでいいんですけど、ここだって限定はできないかもしれないんですけど、どの辺がやっぱ違うんですかね。
森辺:二つあるんですけど、1つはスピード。めちゃめちゃ速いんですよ。
東:どんな感じですか、スピードは。
森辺:たとえば、日本の大企業が1年かけてやることを3日でやるみたいな。スピードが速いってことに結びついてくるんですけど、決断が早いんですよね。これが一つですよね。
もう一つが、張るんですよ。張るっていうのは、これだと思ったところに、投資をバンって張れるんですよね。その投資をしっかり張れるなっていう強さ。怖いじゃないですか、投資って、張るわけですから。その強さがあるので、ここと思った時にバンとスピーディに張って、それをリターンに変えていくわけじゃないですか。それがやっぱりうまいんですよね。この二つが多分一番かなと思って。
東:そこで張るってときに、戦略的に張ってるから張れるってことなのか、もう感覚的にそういうものがあるのかって言ったら、どんな。人によって違うのかもしれないですけど。
森辺:我々のコンサルの業界でいうような戦略があるかっていうと、それはないですよね、経営者のセンス。それが実は我々の業界でいう戦略に当てはめてみると、ぴったりいい戦略に当てはまってるっていうのは絶対あると思うんですけど。それはありますよね。だから戦略的に何か描かれたものがあるのか、データベースで、っていうとそうじゃないけど、その社長の頭には明確に戦略があって、っていうのは絶対ですよね。センスもそうですし。その2つがまあ一つはある。で3つ目があるんですけど、仲間でビジネスがちゃんと成り立ってるんですよ。仲間っていう人たちの中でビジネスがちゃんとこう成り立ってるので、そこがまたそれでお金を生んでやっていくっていう、その3つですかね。そこ驚きますよね。だいたいうまくいってる会社の社長は華僑ですよ。ASEANなんかはほとんどそう。
東:ほとんどそうですよね。そうするるとやっぱ、日本企業も海外出るときに、華僑系のオーナー社長から学ぶことって結構、今言った3つもそうですし、あるんですかね。
森辺:なんかすいません、日本でいうと、僕もお会いしたことはないですけど、孫さんとか、孫正義さんとか、ユニクロの柳井社長とか、こういう人たちの華僑版なんですよ。
東:そういう人たちがいっぱいいる、
森辺:いっぱいいるみたいなね。そういうイメージで。孫さんとか柳井さんみたいなでかさじゃないですけど、あれの中位版がいっぱいいる。財閥になってくると、孫さん、柳井さんと対等、もしくはそれ以上みたいな、そういうイメージなんですよね。なので、安易に行くと火傷しますよって言ったのは、そういうことで。これはそうですね。
東:今日はお時間が来たのでここまでにして、また次回、よろしくお願いします。
森辺:お願いします。