東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:今日はスパイダーで定期的に自社セミナーを開催しているんですが、その告知というか、今回面白いゲストを招いてますので、ご紹介をさせていただきたいんですけど。
森辺:スパイダーグローバルマーケティングセミナーというのを年に何回か開催していて、次が3月24日(火)13:30~。13:00から受付を開始するんですけど、「白物家電世界最大手ハイアール飛躍の秘密から学ぶグローバル・マーケティング」ということで、作家でありジャーナリストの莫邦富氏をお招きして、特別基調講演が第1部で、第2部は日本企業の対中戦略を今どう見直すべきかということで、莫先生と私と対談をさせていただくという、そんな内容になっています。
東:莫邦富先生って非常に有名な方だと思うんですけど、森辺さんの印象とか簡単にご紹介いただけると、リスナーの皆様も知らない人もいらっしゃると思うので。
森辺:莫先生は有名ですよね。テレビも出てますし、本を何十冊と書いてるんだよね。「ノーと言える中国」とか「蛇頭」、それから10万部を超えてるベストセラーがかなりあって、プロフィールを簡単に説明すると、1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て85年に来日してるんですよね。日本で修士、博士課程を修了して、95年莫邦富事務所を設立と。知日派ジャーナリストとして、政治経済から社会文化にいたる幅広い分野で発言を続け、「新華僑」、有名な本ですよね、あと「蛇頭」といった新語を日本に定着させた。また日本企業の中国進出と日本製品の中国販売に関して積極的にアドバイスを行っており、日中の経済交流に精力的に取り組んでいるという、そんな作家でありまたジャーナリストの方です。
東:もともと森辺さんは莫先生とどういう関係なんですか。
森辺:莫先生とは2008年くらいからだと思うんですよね。僕の優秀な部下がアポを取ったんですよね。一緒に来てくださいって言われて、おお莫邦富さんじゃんと思って、よくアポ取ったね、って言って会いに行ったのが一番最初だった気がします。非常に優しい方というか、温厚な方で日本のことすごい好きなんだなというのがよく分かる、そんな印象があります。あんまり否定的なこと言わない先生。前向きな先生。よく日中関係の話になるとどっちかの肩持って否定的なことをガンガン言うコメンテーターとかいっぱいいるでしょ。そういう感じは一切ないよね。前向きな人だと思いますよ。ものすごい一生懸命になる先生で、僕はすごい好きなんですけどね。一回ポッドキャストのゲストにも来てもらってますよね。なのでその先生をお招きしてハイアールの飛躍の秘密からグローバルマーケットを学んでいきましょうと。今ハイアールといえば世界最大の白物家電メーカー。三洋のアクアのブランドを買ったことで日本では有名ですもんね。なのでそこから学んでいきましょうと。いつもどっちかっていうと消費財と言っても日用品とか食品の話ばっかりここではしてますけど、今回は家電系のハイアールという、そんな感じのお話ですかね。
東:莫先生の詳しい情報を知りたい方はカタカナで「モーバンフ」と検索していただければいろいろ出て来ると思いますので引いていただくのと、リスナーの方にはなんで今更中国なの、みたいな話もあると思うんですけど、森辺さんとして、中国市場って今どうみたいになりますかね?年末から今年にかけて、我々の会社にも中国の問い合わせが非常に多くなってるじゃないですか。
森辺:そうですね。一時期の経済成長率12%とか13%とかっていう時代から、ちょうどつい先日まで全人代がありましたけど、7%程度ということで、日本のメディア報道は一斉に、中国経済減速化、みたいな報道をしてる印象がありますけれども、中国にたくさん行かれてるリスナーもいると思うんで。マクロで見たときには確かにそれだけ減速してるんだけど、中国のバイイングパワーって我々の実生活の中では全然衰えていないし、中国のマーケットでかなり高いシェアを取ってる日本企業であれば、経済の減速っていうのがすごくセンシティブに気になるのかもしれないけど、まだまだ取り切れてない企業ってたくさんいると思うんですよね。そうすると、そこを気にする以上にまだやれることってたくさんあるでしょうし、今まで以上に中国を一国として見るんじゃなくて、省別に、省一国単位で見ていく。そして最もROIの高い省を狙って徹底的にチャネルを作っていくっていうことを、ますますしていかないといけない時代になったんじゃないかなっていうのは、すごく感じますよね。
もうひとつは日本で消費するための生産拠点ではもうない、中国の今の人件費とかを考えると全く効果が出ない感じになると思うので、いかに中国の内需を取るための中国の生産拠点であるべきかっていうことも重要だし、もっと言うと、中国がこれで経済減速しちゃうのかっていうと僕は必ずしもそうは思っていなくて。中国って確かに人件費が上がって生産コストは高くなったんだけど、原材料調達力の強さと、これだけ世界の工場としての地位を築いてきた中で、昔は安かろう悪かろうって言われたけど今はそんなこと言われないでしょ、そうするとやっぱり生産性が格段に上がってるわけじゃないですか、中国の工場って。そうすると、中国は次の進化をするんじゃないかなって僕は思ってるんですよね。ますます期待をしてるというか、最近の日系企業はASEANシフトが流れになってますけど、中国まだまだこれからやれることいっぱいあるんじゃないかなと思いますけどね。
東:今までってどっちかっていうと上海、北京中心に広州とか沿岸部が中心だったと思うんですけど、徐々に内陸部に市場がシフトしてると思うんですけど、その内陸部の可能性とかってどう考えますか。
森辺:内陸部の可能性はしばらく前からこう言われてるけど、これからますますだと思いますけどね。重慶とか四川とかね。すごく発展してるし、昔の様子とは全く違いますよね。だからそこはすごく注目をしていった方がいいし、日本にいるとどうしても報道が、ちょっと経済成長が下がっただけで中国経済減速化っていう、それが我々の印象になるでしょ、でも実際にビジネスをしてみる、行ってみると全然違うじゃない。そりゃ今世界経済第2位の大国でしょ。それで12%の経済成長をずっと続けていくなんて無理じゃない。日本だって数%なのに7%っていいんじゃないのってイメージなんですけどね。まあ先進国入りしたって証拠ですよね。
東:それだけそう言われることがあるってことですかね。じゃあ最後にもう一度今回のセミナーのお知らせをしていただいて、莫先生と森辺さんが一緒に話すことはなかなか珍しいことだと思うので、詳しくもう一度いただけないでしょうか。
森辺:3月24日に「白物家電世界最大手ハイアール飛躍の秘密から学ぶグローバル・マーケティング」ということでスパイダーのセミナーを開催します。弊社のホームページspydergrp.comのセミナーのところでお申し込みができますので。参加は無料のご招待になってますが、お席が募集80人なのでもし埋まってしまったら、申し訳ない、抽選になってしまうんですが、まだ若干お席の方はご用意できると思いますので、ぜひお申し込みをいただければと思います。また会場でリスナーの皆さんとお会いして名刺交換出来ることを楽しみにしておりますので、よろしくお願いいたします。
東:森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。