A:東、B:森辺
A:こんにちはナビゲーターの東忠男です。
B:こんにちは森辺一樹です。
A:森辺さん引き続きアフリカのお話なんですけど、そもそもアフリカって言いますけど、そのアフリカの前に当然中国もあるし、アセアン、インドっていうところもあるし、っていうようなところでまだまだ早いんじゃないかと、少子高齢化といってもいきなりアフリカっていうのは突拍子もないんじゃないのって話がリスナーさんから聞こえてきそうなんですけど、その辺、森辺さんの考えをお聞かせいただければと思っているんですが。
B:たしかにその通りだと思うんだよね。結局日本はたとえば消費財メーカーとかの場合は特にだと思うんだけど、ケツに火がついているんだよね、少子高齢化ですって若者が減ります、高齢者が増えます、消費財をそんなに使いません、そんなに食品を食べません、だから海外での売上を伸ばさなければいけないというのは変わらない事実ですよと。そうなったときにまず中国だよねって。それは正しいと思います、今はアセアンということでアセアンがあって、順当にいけばアセアンのあとにメコンがあって、アセアンもSMTを先にやって、VIPをやって、メコン経済圏があって、インドがあって、ブラジルやロシアがあって最後にアフリカっていうのが順当な考えだと思うんだよね。
A:SMPとVIPを。
B:SMPはシンガポール、マレーシア、タイランド。VIPはベトナム、インドネシア、フィリピン。それが順当でいくと。ただ僕がここですごく言いたいのは、結局アセアンの展開も消費財の世界でいうとP&Gとかユニリーバ、ネスレは1980年代後半の88年とか89年、彼らが準備してたのが87年だから、すでに80年代後半には行ってるんだよ。日本企業が出たのが2000年台前半とか工場としての進出ではなくてマーケットとして捉えたのが、ぶっちゃけ今じゃないって、特にVIPに関しては、そしたら圧倒的にマーケットシェアの差があって、それは何の差かというと、間口ツールの差であって、その間口占有率をとっているのがディストリビューション・ネットワークの強さであって、結局そもそもの投資が20年遅れたわけで、日本企業は、アフリカもアセアンと一緒で、そのいわゆる伝統交流のマーケットなんですよ。ここのいわゆる占有率を高めなかったら、間口獲得数を高めなければマーケット・シェアというのはとれなくて、マーケットシェアの間口獲得には時間がかかるわけです。アセアンで20年遅れてしまった同じ過ちをもう一度ふたたびアフリカで起こすんですかっていうことなんです。インドなんかはもっとそうだと思っていて、結局アフリカだろうがインドだろうがアセアンだろうが、新興国のマーケットを取る上で重要なのが間口数をとるのはどの国も変わらないんですよね。その間口数を取るためには強固なチャネルが必要ですと。そうなったときに良いディストリビューターなんて遅れて入ったら取られちゃってるわけですよ。良いディストリビューターっていうのはただそこに存在しているのではなく、メーカーがそこに普通のディストリビューターをいいディストリビューターを育て上げていかなければならなかったりするんだよね。そうするとインドもアジアもアフリカもほぼ同時多発的にやらないと、間に合わないですよっていうことを申し上げていて、アフリカがあとなんていうのは普通に考えてたらあとですよ、そんなことしてたらアセアンと同じ状況になるよっていうことを申し上げているだけなんだよね。
A:もう一つそうすると、当然TTとかとかGTに入ってくる時に現地で、商品とか製品の価格の問題ですとか、よくプロダクト・アウトとマーケテット・インっていうような考え方を言われますけど、大手企業はマーケット・インの考え方が強い、大手企業、日本企業は全くじゃないけどプロダクト・アウトの発想が強いんじゃないかと森辺さんによく言われますけど、そこの相関関係というのも課題としては出てくると思うんですけど、それはどう思う。
B:プロダクト・アウトとマーケティングって紙一重だと思ってるですね、どちらも間違いじゃないんですね、よくいうのは日本企業はプロダクト・アウトで、自分たちのいいと思うものを市場に押しつけて独りよがりのアイウォンチューだからだめなんだとかいいますけど、例えば欧米系の企業、アップルの話をどうするんだって感じですけど、あまりにもすごいから、彼らは自分たちがいいと思うものを市場に出して、これが気に入らない人はいいですよってスタンスで、メルセデスベンツもそうで、BMWもそうだよね私たちはこういう会社で私たちの会社はこういう製品です。さあみなさんどうですか。それに対して軸ブレをしないんですね。だからそこに消費者が酔いしれて買い求めるってまさにプロダクト・アウトじゃんってただその前段階でマーケット・インの思索がいろいろあって基本的にはプロダクト・アウトで、僕が日本企業のプロダクト・アウトでいけないって言ってるのは、あまりにも製品だけに拘りすぎるっていうね、マーケティングを全く軽視して製品の力だけでマーケットをとろうとするということが駄目で、むしろ新興国は製品の力は当然重要なんだけど、それ以上にマーケティングの力、つまりはチャネルの力。こういうものがすごく重要になってきますよっていうことを申し上げていて、特にアフリカなんかは中国や韓国企業がもうすでに進出していて、欧米のグローバルメジャーもすでに進出していて、その中でだいぶ現時点でもう遅れてしまっているっていうのはすごくあるし、もう一つプロダクト・アウトとかマーケット・インとかハードとか製品に拘るとか日本企業みたいなことを直す意味でもアフリカっていうのはすごくよくて、ケーススタディを作るにはね、なぜかというとアセアンは何か言ったら、なんとなくアセアンがもう少し成長すれば私達の製品に追いついてくるんじゃないだろうかという甘い期待を持っちゃうでしょう、だからまあMTだけまっておこうと、TTまでわざわざ苦労しても、みなさんMTで買うようになるんじゃないの、TTもMT化するんじゃないのって言う人もたくさんいるんですけど、そんなの50年、100年先ですよって僕は80年代アセアン住んでいたときにあったTTと今のTT変わっていない。むしろTTの数が増えていますから。そう考えた時に、アフリカまでいってしまうと、そういうことも想像しないわけですよ。このひとたちが、もう少し所得が上がったときになんて考えないから、あ、これはまず製品の現地の適合化しなきゃいけないと思えるんだよね。そうすると覚悟が決まるじゃん日本企業としての。これはやんなきゃいけないと。アフリカで初めて商品の現地適合化されて、MOP以下の人たち、BOPにもあう消費開発、価格帯、それから全部整って、マーケットに出て行くっていうことになるんだよね。そうすると今度それをアセアンに持ち込める。今リバースイノベーションというと新興国から日本にとか先進国にって話になってるけど、リバースイノベーションというのはアフリカからアセアンに持ち込んでアセアンで勝つというのも僕はありだと思っていて、そういう意味では日本企業の覚悟を決めるために今アフリカ行っちゃえということをすごく強く申し上げたいんですけどね。
A:最後に何でそんなにアフリカって言ってるのってリスナーさんが驚いているかもしれないんで。
B:いやまあね、その米倉先生と意気投合したというのも一つあるんですけど、アセアンのその案件としてのご依頼が多いじゃないうちは。いくらアセアンの需要尾を可視化して戦略を提言をしても、そのメーカーとしての製品の現地適合化の度合いがどこかいつかMTになるんじゃないのって中途半端な製品適合化と、あとチャネルをとらないとだめだ、ベトナムで5万間口、9万間口、10万間口取らないとじゃないと駄目だっていうことがわかっていても、いやいや製品力で売れて行くんじゃないのっていう淡い期待をどのお客さんも持っているわけですよ、フィリピンしかり、ベトナムしかり、インドネシアしかり、でもアフリカにいったらその望みは完全に断たれるから、一回アフリカに行ってそういう思いなんですよね。
A:今日はお時間がきたので。
B:アフリカツアー。10月31日米倉誠一郎と行くアフリカツアーがありますんでぜひJTBに問い合わせしてみてください。私も一緒にいきます。これ一週間のツアーなんですけど、アフリカどうこうっていうのもそうなんですが、米倉誠一郎という先生と一週間一緒にいれるっていうことは非常に価値のあることだと思います。あの先生下までずっと降りてきてくれるので道中いろんな話をしながらいけるっていうのは非常におもしろいツアーだと思うので、ぜひご興味のあるリスナーさんはぜひJTBに問い合わせしてみてください。あと9月7日弊社で米倉先生を基調講演にお招きしてアフリカセミナーを開催しますのでぜひお時間ある方は弊社のホームページからお申込みをお願いします。ちなみに無料です。以上です。
A:森辺さんありがとうございました。
B:ありがとうございました。