話者の表記:◆アズマタダオ/男性/質問者
話者の表記:◆森辺一樹/男性/回答者
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◆アナウンス
森辺一樹のグローバルマーケティング。すべてはアジアで売るために。
ポッドキャスト、森部一樹のグローバルマーケティング。すべてはアジアで売るためには、過去10年間で1,000社以上の海外展開の支援を行った森部一樹がグローバルマーケティングを分かりやすく解説します。
グローバルマーケティングとは、世界のニーズに応えて利益を上げること。アジアで売るためには、物作りプラス、グローバルマーケティングを武器とした戦略を持たなければなりません。
日本には素晴らしい企業が多く存在します。その企業と共にアジア市場を目指したい。再びジャパンアズナンバーワンと呼ばれる時代を作りたい。森部一樹はそんな思いを持ちながら、この番組を皆様にお届けいたします。
◆アズマ
こんにちは、ナビゲーターのアズマタダオです。
◆森辺
こんにちは、森辺一樹です。
◆アズマ
森部さん、前回は日本製の優位性じゃないですけど、まだまだ世界で通用しますよと。ただBtoBの家電とかの業界とか見ていると、消費財メーカーにもあと10年とか15年で同じことが起きる可能性があるんじゃないかといったときに、1つ考えなきゃいけないのは、やっぱり何度も言ってるようにTT、トラディショナル・トレードの市場をどうやって取るかっていうところだと思うんですけども。そもそも論として、こないだの我々の自社セミナーとかでも質問があったんですけど、TTが●●(00:01:51)とか、MTに置き換わるんじゃないかみたいなことを大部分のセミナー見に来た人でいえば結構そういった意見を信じていて、戦略を立てているみたいな共感部分。今の現状よりも希望的観測を見て戦略を実行しているメーカーさんも少なからずというか、そういう方もいらっしゃると思うんですけど。そのへんについては、何度か触れているとは思うんですが、改めて森辺さんどう考えてると。
◆森辺
伝統小売の比率が例えばVIPだと8割じゃないですか。近代小売が2割、伝統小売が8割と。その中で今後近代小売の比率が5割とか上がってくるっていうことは、数十年の時間をかけて起こり得ることなんですよ。それは、国のいろんな成長と共にじゃないと上がってこないんですね、小売は。なんで近代小売化するかっていうと、自動車の普及率が増えて、道路が整備されて、鉄道が走って、地下鉄が通って、いろんな国の道路インフラ、交通インフラが成り立つから、初めて小売は近代化できるわけなんですよね。それが成り立たないと、いきなり小売だけ近代化したって全く意味がないので、国の都市計画と共に小売ってのは近代化していくわけですよ。そうすると国の開発計画をバーっと見ていくと、タイが近代小売50、60までくるのに何年かかって、どういう開発計画を立ててきたのかっていうのは、ある程度開けば、だいたい想定が出るわけじゃないですか、ベトナムがいつになるかってのはね。例えばベトナムの話でいうと、恐らく数十年かかりますよ。数十年かかったときに、伝統小売が減って近代小売が増えるのかっていうと、必ずしもそうではなくて、伝統小売は伝統小売で増えるんですね。でその中で近代小売も増えていくと。よく日本の企業が間違っちゃうのは、伝統小売は低所得者層が買い物する場なんだっていう理解をしているんですけど、必ずしもそうじゃなくて、我々にとってコンビニ的位置付けなわけですよ。ですから決して低所得者だけで活用する小売ではないわけですよね。高所得者も活用すると。便利だから活用するわけで、家から出て、すぐ目の前にあるわけじゃないですか。そうなってくると、この伝統小売で慣れ親しんだ商品を、小売が近代化しても買うっていう可能性のほうが著しく高いわけですよね。そうすると、数十年後に近代小売が増えました、私たちの商品はいい商品ですよ、参入しますってやったって、伝統小売からずっとカスタマー買うわけですよ。そうすると、結局日本企業にとっては小売が近代化しようが、何しようが今現状の伝統小売を取っていかないと、取れないですよ、近代小売化したって。ということが一つじゃないですか。それをASEANで今やらなかったら、メコン経済圏がその後あって、98%伝統小売のインドがまだあって、その先にはアフリカがあってっていう中で、ASEANで培ったノウハウを提案できるわけですよね。少なくとも3大陸に。それを今やらないと永続的に出遅れることになるので、やっぱり伝統小売の攻略というのは今投資すべきことなんだと思いますよ。
◆アズマ
なるほど。その投資すべき伝統小売企業の中で、前回ディストリビューターの実務よりな話をしてたと思うんですけど。最終的に伝統的小売を攻略する上で、森辺さん何が重要だとお考えになるのかなと。
◆森辺
一つは間口のカバレッジ。やっぱりこれが上がらないと、売り上げが絶対伸びないですよね。100店舗で商品が置かれているのと、1万店舗で商品が置かれているのでは全く違うじゃないですか。そうすると、間口のカバレッジが100よりも1000のほうが絶対いいですよね。だから間口のカバレッジを増やすということを一つやらないといけないんですよね。もう一つやらないといけないことは、その置いた店舗でいかに売るかって話なんですよね。それが店頭シェアって話になるんですけども。店頭シェアを上げていかないと、伝統小売のお父ちゃんお母ちゃんが、こんな物売れないって言って返してくるわけで。結局返品になっちゃうわけですよ。そうすると間口をいくら取っても、売れないといけないので、横軸に間口を伸ばしていく、カバレッジを伸ばしていくということと同時に、縦軸に店頭シェア上げていくことと、ほぼ並行してやっていかないといけないのが、伝統小売攻略の基本的な法則ですよね。
◆アズマ
そうすると、もう1回その二つを教えていただきたいんですけど。
◆森辺
いかに自分たちの商品を置く間口数を増やすか。つまりは間口カバレッジを上げるということですよね。これは横軸。で、置いた間口で、いかに店頭シェアを上げていくか。これが縦軸で、店頭シェアっていう話で。いくら置いても全然売れなかったら意味ないじゃないですか。日本企業の場合は、近代小売に置くわけですよ、商品を。けど、高々近代小売500店舗に置いてあってもね。確かに近代小売でかいんで、1日に伝統小売が1個しか売れなかったとして、近代小売10個売れる、20個売れるってのはあるかもしれないですけど。仮に20個売れたとしても、そもそも近代小売の数が少なかったら、500店舗とか1000店舗に並べても、かける平均10個とかにしても、5000個じゃないですか。そうすると、出し値40円とか50円で商品出してたら、いつまでたっても儲からないって話になるわけですよね。だから、伝統小売やれって話になるんですけど。その間口のカバレッジも近代、伝統問わず、間口のカバレッジを伸ばすってことと店頭シェアを上げるっていう、この二つをやらないといけない。
◆アズマ
なるほど。それが具体的になぜ重要なのかっていうのをもう少し詳しく教えていただきたいんですけど。やってる人は実感値として、それが重要だなっていうのは、なんとなくスッと入っていきそうなんですけど、なんとなく間口のカバレッジかけると言われても入ってこないっていう。
◆森辺
単純に10店舗でしか売れてないですよっていう商品と、100店舗で売れてますよっていう商品だと100店舗のが売り上げ高いじゃないですか。でも、100店舗に入っても50店舗でしか売れてなかったら、残りの50店舗は動いてないっていうことになるんで。全店舗の店頭シェアを上げないといけないわけですよね。だから方程式でいうと、売り上げ、イコール、間口カバレッジ、かける、店頭シェアじゃないですか。間口も増やさなきゃいけないし、1間口当たりで売れる数も上げていかないといけない。これが売り上げを作る要素なわけですよね。そうするとメーカーがやるべきはその2つをいかにして実現するかっていう話になってくるわけなんですよ。で、そこに過去にも何回か前に話してるディストリビューターを活用してって話になってくるんですよね。セールスとデリバリーって話しましたよね。そういう話は出てくるわけで。ディストリビューターと共存共栄っていうのが出てくるわけなんですよね。全ては間口カバレッジを増やすことと、店頭シェアを上げること、ここに尽きる。この二つが実現してるのに、うちは売り上げが上がりませんっていうのは、存在しないですよ、物理的に。
◆アズマ
そうすると何を置いてもその二つをきちんと上げていけば、売り上げがきちんと上がる。その売り上げを上げるためにディストリビューターをどう活用するかっていうのも考えないといけない。そういうことですね。
わかりました。森辺さん、今日もお時間がきましたのでありがとうございました。
◆森辺
ありがとうございました。
◆アナウンス
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森辺一樹のグローバルマーケティング。この番組はスパイダーグループの提供によりお送りしました。
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