・こんにちは。ナビゲーターのアズマタダオ(以下A)です。
・こんにちは。森辺一樹(以下 森辺)です。
A:森辺さん。今日はリスナーの方からも質問等、きてるんですけれども。スパイダーが具体的にどんな会社で、どんなサービスを提供してるんですかっていうような疑問が、お持ちのリスナーさんもいらっしゃるみたいなんで。
森辺:ありがとうございます。
A:これに、お答えいただきたいんですが。
森辺:スパイダーが、何を提供している会社かってことかな。大きく分けて、スパイダーが提供しているサービスって三つあります。一つ目が、グローバル・マーケティング戦略支援とうサービス。これは、これから海外市場に参入をしていくお客様もいれば、既に海外で展開をしているお客様も両方いるんですけども、基本的には、グローバル・マーケティング戦略って、海外の市場参入戦略とか、チャネル戦略を考える前の、一番最初の重要な土台になってくるじゃないですか。その中には、いろんな市場の調査もあれば、マーケティング戦略の考え方もあれば、いろんな事が含まれると思うんです。それを、コンサルティング契約として、お客様に提供しているっていうのが、グローバル・マーケティング戦略支援。もう一つ目が、グローバル・チャネル構築支援。これは、もう少し踏み込んだ、ご支援になるんですけど。実際に対象となる国で、チャネル・インフラを、我々がお客様に代わって、おつくりしていく。もちろん、お客様と一緒におつくりしていくっていうことも、当然あるんですが。チャネル・プラットフォームもつくりましょうというのが、このグローバルチャネル戦略の構築支援というのが二つ目です。三つ目が、オープン・チャネル・イノベーション・サービスといって、私どもの会社で最も主要、メインになる、いわゆる市場参入戦略からチャネル作り。もっというと、ディストリビューターの選定からマネジメント。売り上げの管理から、商品・在庫の管理までを一貫して、お客様に代わって提供していく。お客様の海外営業部っていうふうに言うとわかりやすいですかね。対象となる国での売り上げ拡大を、我々がお客様に代わって提供しますよ、というサービスが、このオープン・チャネル・イノベーション・サービスという物なんですが、この三つのサービスを提供しているんです。いろんなお問い合わせがお客様からあります、という中で、ほとんどのお客様の悩みは、今言った三つのサービスのいずれかに集約できるんですよ。よくよく突き詰めていくと、一番最初にお話をした、グローバル・マーケティング戦略の構築支援が必要なお客様。もしくは、グローバル・チャネル構築が必要なお客様。もしくは、この国に関しては、オープン・チャネル・イノベーションサービス、OCIというふうに言ってますが、OCIサービスが必要なお客様。三つのうちのいずれかに、大体お客様はおさまってくる、そんなイメージです。
A:そうすると、具体的に一つずつ順番にいこうと思うんですけど。グローバル・マーケティングの戦略構築支援っていうのは、どういったお客さんがいて、どういった悩みが多いんですか。
森辺:グローバル・マーケティングって、海外展開を考える時の最もベースになる所だと思うんです。その中でお客さん自身が、まだ海外やっていなくて、これから戦略を作っていきたい。そうすると、その市場がどういう市場で、そこにはどういう競合がいて、自分達はどういう戦略で、商品を販売していくことが望ましいのかっていうことが、全くノープランのお客さん。そういうお客さんに対して、当然ファクトを集めていかないといけないわけです。ファクトを集めないと、戦略が出来上がりませんから、ファクトを集めて、戦略を作って、お客さんに、その戦略の構築のご支援をしていくっていう話なんですけど、そういうお客さんが多い。もしくは、自己流でやってきたんだけども、ある一定のラインまでは行ったんだけど、そこからなかなか売り上げが上がらない。そういうお客さんも、戦略が全くないとは言わないんですけど、戦略がまだ柔らかい。そういうお客さんのために、もう一度グローバル・マーケティングの戦略を見直して、戦略の適正調整をするっていうふうに我々言いますけども、そんなことをやるサービスなんですよね。結局、上手くいってないとか、当初、想定してた売り上げに到達しないお客さん。その要因って、絶対グローバル・マーケティング、もっと言うと、マーケティングの基本的なプロセスの中に、不具合が生じてるわけじゃないですか。例えば、RSTPMMの中に不具合が生じていて、その不具合を調整しないと、なかなかそこから先には進まないので、その不具合調整、最適化をするっていう、そんなサービスになります。例えば、物がいいのになかなか売れない、何でだろう。その要因をなぜ、なぜと突き詰めていくわけですよね。そうすると、物はいいんだけど、価格が駄目だったのか、物はいいんだけど、チャネルが弱かったのか、物はいいんだけども、敵よりもチャネルが弱かったのか、物はいいんだけども、プロモーションが弱かったのか、もしくは、その全てが弱かったのか、そんな事を突き詰めていって、改善していくっていう、そんな仕事が多いです。
A:具体的に、それはどういったお客さんが、そういった相談をしてくるんですか。
森辺:事業部門もいれば、経営企画部とか海外事業部とか、そういう部門もいらっしゃいます。現地法人っていうのも、当然、中にはあって、結局、輸出で今までやってきたんですよね、お客さんて。物は、日本企業しか作れない、いい物があって、それを20年前か30年前ぐらいから輸出をしてきましたよ、と。当時アジアとか新興国なんて、そんなに大きなマーケットじゃなかったから、海外のインポーターとか、日本にいるエクスポーターに商品任せて、あと自由にやってくれと。うちから出せる仕切りはこんな値段みたいな感じで、ずっとやってきた背景があるんですよ。グローバル・マーケティングを考えるとか、戦略を考えるっていうのは一切やってこずに、海外の輸出をやってきたっていう、そんな背景があって。けど、今、競合も増えてるわけです。欧米の先進グローバル企業もそうだし、地場の企業も競合になってくる中で、今までやってきたやり方では、どうもここから先、劇的な成長はなさそうだと。一方で、アジア新興国の市場は猛烈に成長していると。そんな中で、もう一回戦略の見直しが必要だというふうに感じられた方が、ご連絡をしてこられるっていうケースが多いです。その中で、今、上手くいっていない要因がどこにあるのかっていうことを、グローバル・マーケティングの中から特定していって、改善していくっていうのが、このグローバル・マーケティング戦略構築支援になるんです。絶対、マーケティングの基本プロセスの中に要因がありますから。そこを、ものすごく細かく開いていく、可視化していく。それで、要因のほとんどは特定できるんです。改善方法も提示できるんです。なので、どちらかというと、動くというよりも、要因を特定して、改善方法を提示するというのが、このグローバル・マーケティング戦略構築の、一番の醍醐味というか、サービスの特徴になると思います。
A:森辺さんがこういったサービスを提供していて、お客様の傾向値というか、どういったところで陥りがちというか、何に気を付けた方がいいかとか、そういったことは、一般論で構わないんですけど、どう考えられますか。
森辺:一般的に、日本企業さんの場合、物はいいですねと。物はいいんですけど、それ以外の所が、なかなか良くないと。特に、それ以外の所で良くないのが、チャネルが弱いっていうのが絶対あるんですよ。競合と戦って、マーケット・シェアってとっていくわけじゃないですか。そうすると、競合よりもチャネル力が弱いっていうのが、一番大きな理由で、そのチャネルを改善しないと、なかなか競合よりも高いシェアを稼ぎ出すことは出来ない。つまりは、売り上げや利益を稼ぎ出すことは出来ないっていう要因が一つあるっていう。あと、競合のことを知らなさすぎる。これは、欧米の先進企業がどれぐらい強いのかっていう。強いっていうのは分かってるんですよ。ただ、どれぐらい強いのかっていう事も知らなさすぎるし、今、地場の企業がもう強いわけじゃないですか。BtoB、BtoC問わず。そうすると、その地場の企業が具体的にどれぐらい強いの?地場の企業のチャネルってどうなってるの?ディストリビューターってどんな強い所をどれぐらい使ってて、どういうふうにマネージメントしてるの?みたいなことが全く見えてないっていうのがひとつあります。
A:地場の企業が強いっていうのは、具体的にいうとどういったところが。
森辺:例えば、食品会社とかでも、タイとかインドネシアとか行くと、1兆円超えるような食品メーカーって、もう育ってるんですよね。20年前、そんな会社なかったわけですよ。1兆円を超える食品企業なんて、日本の中でも数える程しかないわけじゃないですか。そういう会社が育ってきてるし、日用品メーカーだって、アジア発の日用品メーカーが、ものすごく存在感を出してるんですよね、今、アジアで。彼らの脅威っていうのを、安かろう、悪かろうでしょっていうことで、ずっと放ってきたんですよ。けど結局、市場もそんなに日本のオーバースペックの商品を求めていなかったりする背景もあって、伸びてるわけです。タイとかの食品メーカーなんて、すごいですよね。アジア、ASEANを制覇しつつも、日本飛び越えて、欧米の市場に進出してたりとか。そもそも、こういう食品メーカーって、バックグラウンドが財閥系じゃないですか。ですから、資金力も潤沢にあって。本当、そのうち日本の食品メーカー買収されちゃうんじゃないかなっていうぐらいの、脅威な会社って多いですよね。そういう実態を、ほとんど分からないまま、市場に飛び込んでいくというのもそうですし。あと、日本企業でよくありがちなのが、トラディショナル・トレードの戦略が全く出来てないとか。あと、結局敵と戦ってシェアをとっていくわけじゃないですか。そうすると、競合に対して、自分達のポジショニングをどう取ればいいのかっていう、ポジショニングの姿勢が不明確っていうのも問題であるし。あと、日本での成功体験が、どうしても尾を引いちゃってる。日本での成功体験を、そのままアジアに持って行ってしまって、なかなか上手くいかない。うちの会社はこれで成長してきたし、これがうちの強みなんだっていうものを、そのままアジアにぶち込むんだけども、それが独りよがりになっちゃってるっていう傾向もあるので、いろんな所のネジを微調整していって、最適化していくっていう、そんなイメージです。
A:分かりました。じゃあ、今日はちょっとお時間がきたので、ここまでにしたいと思います。また、次回もよろしくお願いします。
森辺:はい。よろしくお願いします。