・こんにちは。ナビゲーターのアズマタダオ(以下A)です。
・こんにちは。森辺一樹(以下 森辺)です。
A:森辺さん。今日はどこにいるか、皆さんにちょっと。
森辺:はい。私たちは、今、フィリピンのマニラにおります。
A:マニラですね。マニラっていうのは簡単にどういう所なのか、まずちょっとご説明いただきたいんですけども。
森辺:マニラですか。怪しい所です。フィリピンのメトロマニラにおりまして、フィリピンて大きく分けて、3島に分かれてるんですよね。一番上の大きい島がルソン島、一番経済効果の大きい島で、その中の首都がメトロマニラになるんですけれども。そこと、真ん中のビサヤという所です。ここは、皆さんご存知のリゾートで行くセブ島なんかがある島の、いくつかの島に分かれてる、真ん中のエリア。そして、一番下がミンダナオで、今、一部、ミンダナオ島の一番下の左の方で、過激な人達が、イスラム系の人達が、ちょっとごたごたしてるんで、あんまり行っちゃだめよ、と言われてるような、そんな所でございます。
A:人口としてはどんな。
森辺:フィリピンは、今、人口が…どれぐらいだったかな。いろんな国とミックスされちゃった。年間200万人位子供が生まれてる市場なんですよね。2050年には、ASEANの中で、経済規模が最も大きくなると。今、人口が1億人くらいだったかな。
A:1億弱くらいですかね。
森辺:1億弱ぐらいだったと思いますよ。これが、2040年とか50年ベースで、1.5~1.6億ぐらいになると言われていて、ASEANの中で、最も平均年齢が若いっていうのも、このフィリピンの市場の特徴で、22.8歳。22~23歳ですよね。国民の7割がクリスチャンなんです。なので、基本的に、クリスチャンの国で、人は陽気です。陽気な人で、愛想がよくて、ASEAN特有の、いい加減みたいなところは、結構、ASEANの中でも群を抜いていい加減みたいな印象を僕は受けていて、うちのフィリピンのスタッフもそうですけど、1回言っても不安なんで、僕は2回、3回同じことを言いますっていう。マイクロ・マネジメントしないと、なかなかあれなので、そういうのはあるよね。あと、2個同時に言うと、1個忘れるみたいなのは、国民性というか、あると思います。
A:具体的に言うと、それはどういうところで、そういう印象を受ける。
森辺:何だろうな。日々の生活をしてても、例えばコーヒーショップでコーヒーを頼んで、ラテを頼んで、ショット追加のエキストラホットにしてって言ったら、ショットは追加したけど、エキストラショットは忘れるとか。あと、早くしてねって言ってるのに、全然遅い。15分位待たせちゃうみたいなのとか。レストランに行って、塩と胡椒と持って来てって言ったら、塩は持ってきたけど胡椒忘れちゃったとか。1回言っても持って来ないとか。これは、ASEANというか、新興国特有なんで、あんまり気にしてるとストレスになるんで、あんまり気にしないですけど。そういうのは、ありますかね。あと、可愛らしい国民性。アホだなこいつって思うんですけど、どこか憎めないみたいな。そういうのはあると思います。でも、基本的にいい人たちじゃないですかね。心のきれいな、純粋な人たちだと思います。
A:ちょっと、仕事の話というか、小売りの形態のほうに戻って、フィリピンのMTの、モダントレードの市場っていうのは具体的にどうなってるのか。触りだけでも、教えていただいていいですか。
森辺:基本的に、モダン、トラディショナル・トレードの比率って、モダンが2でトラディショナルが8って言われてるんです。モダン系は、財閥系の4社の小売が主要小売で、
SM、Puregold、Rostans、Robinsonsこの四つが、主要な大手小売チェーンになると。あと、トラディショナルの伝統の方は、サリサリストア。サリサリっていろいろっていう意味なんですけど、いわゆるパパママショップが、80万店位フィリピンには存在するという、そんな市場で。モダン・トレードをやるということは必須なんですけど。この国では、トラディショナル・トレードを攻略できなければ、サスティナブルな成長はないという、そんな市場ですね。結構、日系企業が、まだ中途半端な進出で留まっちゃってる企業が多いんですけど、インドネシアより市場規模が大きくなると言われてるんで、結構しっかりやった方がいい市場であると。もうひとつあるのが、国民の第一の選択肢がやっぱりUSなんですよ。
A:アメリカ。
森辺:アメリカの影響を非常に強く受けていて、そこがインドネシアとは違うところで。インドネシアの人たち、消費者は、日本を第一の選択肢として持つんですけど、ここの国民はアメリカの商品を第一の選択肢としてあるっていうのは、大きな違いかなと思います。
A:アメリカの影響が大きいっていうのは、何かあるんですか。
森辺:元々USベースもここにあるし、英語を皆さん、しゃべるじゃないですか。そんな背景から、アメリカに対する憧れ非常に強くて、アメリカのセレブリティたちが何を食べてるのか、何を使ってるのか、何に興味を持ってるのかっていうことは、非常に敏感にアンテナを立ててるし。年齢が40過ぎてるのに、歯の矯正をしてたりとかっていうのは、しょっちゅう見るんです。アメリカだと、歯並びを非常に気にするっていうことで、結構、歯に関して気にしたりとか。あと、パーティーのやり方とかも。招待されてパーティーに行くと、ほんとにアメリカ式のパーティーをするし。すごく、アメリカチック。街もそうですよね。英語表記ですし。あと、いろんなスタイルもアメリカ的だし、食べてる物もアメリカ的な料理が多い。フィリピン料理っていうのは、一応あるんですけど、あんまり旨くないんですけど。基本的に、牛肉、鶏肉、豚肉、魚は食べるんですけど、やっぱり鶏肉が1番安いから鶏肉食うみたいな。フィリピン料理だって出されるんだけど、いや、別にこれ、フライドチキンじゃんみたいな、そういう料理が多かったり。これ、別に肉焼いただけだろみたいな、そういうのが多いっていう。
A:なるほど。
森辺:あと、スペインの植民地だった時代もあるんで、経済的、社会的にスペインの影響は受けていないんだけども、スペイン料理店も結構あるし、スペインとのハーフの人達が、結構まだいらっしゃると。財閥系でも、まだ1社、スペイン系の財閥っていうのが残ってるんです。ほとんど、今ここにある財閥系は、中華系の華僑の財閥系で、スペイン系はだいぶ衰えちゃってるんですけど。銀行から小売から不動産から、全てが財閥系が牛耳っているという。そんな市場です。
A:分かりました。森辺さん。今日は、お時間がきたのでここまでにして、次回にその財閥系の話から、またお伺いしたいと思います。今日はありがとうございました。
森辺:はい。ありがとうございました。