(東さん)
こんにちは。ナビゲーターの東忠男です。
(森辺さん)
こんにちは。森辺一樹です。
(東さん)
我々は今、ディストリビューターとの交渉をしてきたところです。
そこで代理店の選定方法についてのお話がありましたが、選んでから決定するまでに、結構な時間があります。
そしてビジネスが開始してから、契約前までに話したことは、後に響いてきます。
そこをどうしていけば良いのか、外資はどうしているのかを、今まであまりお話してこなかったので、伺っていきたいと思います。
(森辺さん)
全体的な流れで言うと、ディストリビューターを選定し、そこに訪問して絞り込んでいく。
いわゆるショートリスト、ロングリストです。
最後に絞り込まれた数社とストラテジーなどの話をして、最終的な1、2社が選ばれます。
この1、2社との話の内容として、「条件の話」「ストラテジーの話」大きくこの二つに分かれると思います
今回、我々も某国でラストワンマイルの交渉を通算6時間×4日=24時間して来ました。
大枠で何をして来たかというと、マージンをどうするか、その後のプロモーション・ストラテジーやセールス・ストラテジーをマージン含めてどうするのか、そこにA&Pのコストをどのように支援していくか、という綱引きをしました。
結局日系企業は、ここまでのことをしていない企業が非常に多いです。
売り切りが多いので、この仕切りで出すから後は好きなようにやってくださいと依頼し、ディストリビューターから年間これ位のプロモーションコストが欲しいと言われたら、高いけど、それ位なら良いだろうと投げてそのプロモーションが実際に何に使われているのか分からないと言うケースが大半です。
このように、日系は仕切りで出して後はお任せと言う所が多いですが、これでは伸び代に限界があります。
我々は例え輸出ビジネスであってもコストやマージンの構造を全て可視化してその中で適正なマージンとコストを出します、そして戦略に一緒に関わっていきましょうというのが我々の方針です。
そこがすごく重要で、上手くやっているグローバル企業や、レラティブ・マーケットシェアを2割取っていこうと言う人たちは、我々と同じやり方で細部に至るまで打ち合わせをして最後は倒れそうな位綱引きをします。
そうすることで、その後の立ち上がりが早く、売り上げのスピードが速いです。
レラティブ・マーケットシェアの2割を取っていく所に着実に進んで行く為にはそこまでやらなければいけないと思います。
(東さん)
言われれば、事前の交渉が大事だと言うことが分かると思います。
森辺さんがよく言われる「輸出ビジネスからチャネルビジネスへ」と言う言葉にも繋がっていて、輸出でやっていてもチェネル寄りのビジネスを展開していくべきだということですが、それをやるには、どのような交渉が重要で、どうやって交渉をしていけば良いのか。
ディストリビューターは華僑系が多いので、やり取りが上手い人種に対して、どういった交渉をしたら良いのかという、単純な疑問なのですが、森辺さんはどうお考えでしょうか。
(森辺さん)
まずマージン構造を理解しなければ全く持って交渉になりません。
ディストリビューターの言うままにマージンやプロモーション・コストを出す。
そこでリテール・マージンは一体いくらで、リストリビューション・マージンはいくらなのか。
リテール・マージンにもいくつかの種類があり、リスティングフィー、流通マージン、プロモーション・マージン、メーラーのようなものや、●●(7:02)のようなプロモーション系のものもあります。
そしてマージンがプロモーションフィーと一緒の場合と別の場合。
ディストリビューションのマージンに関しても、バックフロントでディティールを含めて
考えている所もあれば、種類がいくつかに分かれるので、その構造を分解して理解をしないと、いろいろな所で不適正なマージンを取られることになるので、そこをまず理解することがすごく重要だと思います。
これは「これはいくらで品質が良いから買ってください。」という買う、買わないと言った1回きりの商談ではありません。
ディストリビューターとはこれからある一定の期間、もしかしたらずっと一緒にやっていくパートナーです。
そこに商談するスタンスでいく会社は絶対に成功しません。
パートナーと一緒に、市場でどうやってレラティブ・マーケットシェアの2割を取るかということを一緒に考えていく場なので、そのマインドが入り口から間違っていたら難しいと思います。
このエアコンすごいね。ホテルが寒いんです。皆さんすみません。
(東さん)
商談ではなく、パートナーになるための打ち合わせで、いろいろと歩み寄らなければいけないということですね。
商談が駄目な理由を単純に言葉にするとどういうことでしょうか。
(森辺さん)
商談は1回切りなので、その場良ければ全て良しと言う感じです。
しかしパートナーは最低でも1年、通常2、3年は1社と付き合ってから、このままやっていくか、切り替えるのかという話をしていきます。
継続的に売り上げを上げていく相手なので、どちらかが腹落ちしていなければ、上手くいきません。
両方がこれだったら一緒にやっていこうと長期的な握手をするわけです。
商談は1回きりの握手なので、全く次元が違います。
(東さん)
分かりました。
今日は時間が来ましたのでまた次回よろしくお願いします。
森辺さんありがとうございました。
(森辺さん)
ありがとうございました。
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沢山のご質問をお待ちしております。
それではまた次回お目に掛かりましょう。
「森辺一樹のグローバルマーケティング」この番組はspyderグループよりお送り致しました。