東:こんにちは、ナビゲーター東忠男です。
森辺:こんにちは、森辺一樹です。
東:チャネル・ディストリビューターという話をしてきましたが、長く付き合っているディストリビューターさんを客観的に分析してほしいというご依頼が、去年の末ぐらいからバタバタと入ってきていますが、その有効性とか、それをやることによってどういうことが得られるのか、ということを教えていただきたいと思います。
森辺:上場企業さんで、海外やってない会社は、そんなにないですね。力の入れ方がどうかは別にして、基本的にやってますね。ディストリビューターは、すでにいたりするわけです。むしろ10年、20年、30年と付き合ってる会社もあります。その中で、ディストリビューターの客観的評価を、メーカーがし始めているというのは、その背景ですが、一つ、その市場に対しての本気度合が変わってきたんだな、というのはすごく思います。
今までは、どちらかというとそれほど重要視してないから、ずっと付き合ってるし、ここ以外の選択肢ってないよね、という。なので、売上成長率みたいなところも明確には追いかけていないし、アジア新興国の成長に伴って、アジア新興国でのディストリビューターを通じて売上も上がっていく、という状況で、悪くいえば放置してた、ということになるんでしょうね。ただ、そこで客観的な評価をしたいというのは、メーカーが本気になったということだと思います。
その中で、どういう効果が得られるか、ということですが、何事も客観視するのはいいことで、日本企業のひとつもったいない点は、いろんなマーケットや市場のこと、小売りのこと、消費者のこと、チャネルのこと、すべてディストリビューターに言われたことが全てになってしまっている。ディストリビューターの能力に関しても、ディストリビューターが言ったことが全てになっていて、そのディストリビューターを他社と相対比較して、自分たちのディストリビューターがどうなのか、ということを今までしてこなかった。そもそもこのディストリビューターで、本当に100億狙えるの?という客観的な分析がされてないんですね。
例えば、キャッシュが1億しかない会社は、10億売上げることはできない。なぜなら、10億売上げるということは、仕入れが5掛けだとしても5億円のキャッシュが必要なので、基本的には難しいですね。それと一緒で、100億やろうと思ったら、50億、60億のキャッシュがないと基本的には100億できない。そういうことが一つ大きな問題としてあると思います。そういうものを、自分たちの目指してる目標に対して、本当にこのディストリビューターでそれが実現できるのか、という客観視も必要だし、競合他社のディストリビューターと比べて、本当に勝てるのか、という客観視も重要だし、我々はそんなことを見ていくわけです。
東:そういった客観視をしていくこで、一歩前に進めるというか、進む材料、交渉する材料になるということですかね。
森辺:BtoCだと、ディストリビューターがんばってるよと。配下率も高い。95%だ、100%だ、そういう報告をプリンシパルにしてくる。でもその実態が本当なのか、ということを調べていくと、実は全然違ったとか。実はまだまだこの国って、伸びる余地があるんだね、ということが見えてくるし、ディストリビューターにとって、必ずしも成長のカーブを急激に上げていくことが、彼らにとっての利益かというと、そうではないじゃないですか。成長が急激に上がっていくということは、キャッシュが必要になるし、プロモーションも必要になるし、セールスマンの数も必要になるし、そうするとある一定の売上でちんたらやるほうが、利益率でいったら、いい場合もある。そうすると、メーカー側との利害関係がそこでひとつ異なってくる。だからそういう意味でも、客観視というのは重要だと思います。
東:そういった意味でも、ASEANのことを知る、ということが重要になってくると思いますが、ここでせっかくなので、そういったことを知る機会で、我々5月26日にセミナーをやりますので、森辺さんから、我々が何をやってるかというのも2部で話しますし、今回は素敵なゲストを基調講演にお迎えしてますので、そのへん含めて、森辺さんからお知らせください。
森辺:2016年5月26日富士ソフトアキバセミナールームで、いつも我々がやってるspyderのグローバルマーケティングセミナーをやってる会場ですけど、ここで「ASEAN経済共同体発足の実態から見る!!巨大経済圏ASEANを攻めるASEAN企業セミナー」という、ASEANのマクロ経済の話は過去にもやってますが、ASEANを攻めるASEAN企業のセミナーは、なかなかやってこなかったと思います。でも今もう、欧米企業だけが競合ではなくて、地場の企業が競合になっているので、第1部で基調講演で「もはや格下ではない成長著しいASEAN企業の実力とは」ということで、日本経済研究センターの牛山さんという主任研究員の方を呼んで、ASEANを攻めるASEAN企業セミナーを開催します。
この牛山さんは、元々日経新聞の記者で、シンガポールやハノイに駐在してて、マクロ経済学者じゃない。現場感のある話をすごくされると思います。2部で、牛山さんと私でパネルディスカッションをやりますが、そのタイトルが「躍進するASEAN企業、これからの日本企業の新戦略とは」ということでお話をさせてもらいます。ここでは、今お話したような、基本、私どもは、製造業が専門じゃないですか。BtoCの製造業、BtoBの製造業が、私どもの得意分野であって、市場参入戦略や、チャネル構築が僕の専門です。その中で、東さんが言ったような、ディストリビューターの客観視の重要性とか、BtoB、BtoC、それぞれ参入戦略やチャネルでやることが変わってきます。そんなお話をさせていただこうと思っているので、結構面白い話になると思います。
東:最後に皆さんに、このセミナーのセールスポイントを森辺さんからお伝えして終わります。
森辺:基調講演の牛山さんが、結構面白い人です。マクロな話をするというか、主任研究員ってタイトルついてる人って、どっちかというと眠たくなるような話をするんですけど、この牛山さんは全然違いますので、楽しい話をすると思います。私もリポビタンD飲んで、パネルディスカッションでは、いいことを言おうと思ってますので、ぜひ皆さん、来てください。ちなみに無料です。ご招待です。
東:お申込みされたい方は、SPYDER initiativeのホームページから、お申込みできますので、検索してください。では、森辺さん、今日はありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。