東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:森辺さん前回の続きで、今現状ディストリビューター任せでやってきた時間が長かったので、中々今現状把握ができてないっていうところが一つ課題で、中々そこで何をして次に良いのかっていうのが分からないと。その中で、プロダクトはOKだけども価格がちょっと高い中で、ローカルメーカーの品質が上がってきていて、価格優位性が当然無い中で、今まで品質がローカルメーカーは悪かったから、多分日本企業の物が高くてもある程度売れたっていう構図があったと思うんですけど、その差が縮まって来てるから、消費者からすると極端に言うと日本メーカーでもローカルメーカーでもあまり変わらないよね、というような形まで、極端に言うと多分、消費者目線で言うと来てると思うんですけど、その辺ってどう…
森辺:その通りだと思いますよね。選択肢が日本しか無かったので、日本の商品を買うしかなかったと。欲しければね。けど今は選択肢ができちゃったんで。そうすると初めて、費用対効果じゃないけど、その価格に見合った製品なのかっていうことを、今度消費者がより考えるようになるわけだよね。競合がいないと、そんな事は考えないよね。欲しいか欲しくないかで…
東:比較対象が無いということで…
森辺:なので、そこが苦しみの根源というか、そんなことなんですけどね。
東:そうすると、B to Bなんかはそうだったと思うんですけど、家電であって、韓国とかのサムスンとか、中国のハイアールとかっていうのは、あまり競合と思ってなかった感があるじゃないですか。そうすると、B to Cでも同じような構図が描けてるけど、それにあまり注力してないのかな。
森辺:そうですね。B to Cのいわゆる家電エレクトロニクス系で、もう起きちゃったよね。もうはっきり言って負けたよね。
東:B to Bは。
森辺:B to Cエレクトロニクスだよね。それはもう完全に負けましたと。消費財メーカー、いわゆる日用消費財…食品、日用品の消費財メーカー…B to Cのね。それはB to Cエレクトロニクス家電系のいわゆる事象を、対岸の火事と思ってる傾向がまだ強いんだけども、基本的にはもう…あれだよね。同じことが消費財でも起き始めてるということだと思いますけどね。
東:そこに手を打って行かないと、そういった現象が最終的には決定打となると。
森辺:起きちゃいますよね。特に食品とか日用品って家電よりもその傾向が強い。早く行かないと、早く若い人達の口にその味を…例えば食品だったらね、覚えさせないと、味が固まっちゃってから後で入ったってね、難しいですよね。もうマースなんかは「チョコのデファクトの味は、これだよ」って教え込んでるでしょ?そう思って「ああ、美味しいチョコってこういう味なんだ」って思った後にね、「いや、こっちの方が美味しいよ」って出されたって「いや何か違う」って。アメリカのチョコ食べます?
東:食べます、はい。
森辺:食べる?
東:美味しくないですね。
森辺:美味しくないよね(笑) 食べるけど美味しくないよね。
東:アメリカに行った時とかにね。
森辺:日本でわざわざアメリカのチョコ買わないでしょ?やっぱり我々はチョコレートと言えば明治だよね。あれが一番美味しいチョコだと思ってるわけだよね。明治のミルクチョコレートがね。なんで、そういうことと同じだと思います。
東:そうすると、日本人は日本メーカーのお菓子メーカーさんとかは、品質が高い物を食べてるから、後に来た物を不味いか不味くないかっていうのを判断ができるっていう。でもアジアの人は、例えばマースのチョコレート食べちゃったら、日本のチョコレートを食べても美味しいかどうかっていうのは、別にそこまでの感覚は無いっていう話なんです?
森辺:マースのM&M'Sってマーブルチョコレートあると思うんだけど、日本にもマーブルチョコレートあるよね。あれを食べ比べると、M&M'Sだけ食べてると…僕はアメリカンスクールの時M&M'Sだけ食べてて「M&M'Sうめえな」って思ってたんだけど、日本帰ってきて日本のメーカーのマーブルチョコレート食ってみると、どうやっても日本のマーブルチョコレートの方がマイルドで美味しいのね。アメリカのチョコレートは臭いっていうか、臭く感じてきちゃったの。
それと同じことで…何だろうな。特に早く行かないと難しいよね。「クオリティが」とか言うんですよ、チョコレートメーカーって。でも「あなた達ゴディバか?」って言いたいわけですよ。ベルギーの何とか何とかっていうチョコレートかと。チョコ1万円で売るんだったらクオリティって言ったら良いけど、所詮100円菓子なんですよね。100円菓子の世界で、どんだけクオリティがっつったって、そりゃアジアでは受け入れられない。だったら1万円のチョコレート作った方が、絶対に良い。
東:そうすると、日本と同じものを現地で売るとなると、どうしても価格が高くなりますよね。そうすると、現地で「○○化」(7'34.07)とか森辺さんが言われるように、そこは現地にある程度合わせた商品を、現地に見合う価格で売れる努力をしないと難しいと。
森辺:そうですね。20円ですよと。100円で売ってる菓子は、ASEANに行ったら20円。だって下手したら100円でご飯が食べられる。僕らが行くようなローカルレストラン・ローカル屋台では無理ですよ?僕らが行く屋台と、彼らが行く屋台って二つあるじゃないですか。
東:そうですね。
森辺:日本人は「屋台で食った!現地の人達と」って言ってるんだけど、周り見てみると外人しかいなくて、それは外人用の屋台だと。本当にローカルの住宅街の中にある、近所のおばちゃんが料理出すような屋台は100円でご飯食べられるでしょ。100円でご飯食べられるのに、100円の菓子買うかって、買わないですよね。そうすると、菓子の相場は15円から20円なんですよ、ASEANだと。だから、そこまでにどうやってコスパを合わせて行くのかっていうことは、ありますよね。
東:分かりました。ちょっと今日はお時間が来てしまったので、ここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。