阪西:皆さんこんにちは、ナビゲーターの阪西です。今日は東が海外出張中で収録に間に合わないため、代わりに私が務めさせていただきます。森辺さん、よろしくお願いします。
森辺一樹(以下、森辺):よろしくお願いします。リスナーの皆さんすいません、うちの東が年末で忙しいみたいで、収録が間に合わなくてですね、今日は前回300回記念で大石先生との収録でナビゲーターをやらせていただいた、私の秘書で広報担当の阪西がナビゲーターを務めますんで、よろしくお願いします。
それじゃあ阪西さん、今日はどんなお話しをしましょう。
阪西:はい、今日は久々にリスナーの方々からの質問にお答えいただきたいと思います。多くの質問にあるんですけれども、「既に10年以上現地の代理店があるにも関わらず、思うように売り上げが上がらない」っていう質問が、B to B・B to Cのお客様両方に共通して多いお悩みのようです。このことについて、どう解決すれば良いか、今日はお聞かせください。
森辺:僕の会社に来る相談の多くがその類の相談で、海外に代理店はいるんだけど、思ったような売り上げが上がらないと。全くの更地にこれから参入をしていくための参入戦略やチャネル構築をお手伝いするってことも当然あるんだけど、多くのお客様はね、既に出てるんですよね。もしくは、現地法人は無いながらも、現地には代理店があると。結構10年15年前から代理店自体はあるっていう会社さんが多いっていうのは、これはB to CもB to Bも一般的で。うちの場合はB to Cの比率の方が圧倒的に多いんだけども、B to Bも3割4割ぐらいはお客様としてあって。結局その問題は、チャネルの再構築っていうことをやっていかないといけなくて。上手く売り上げが上がらない要因分析ができてないっていうケースが凄く多いです。それは現地で自分達の商品を売るっていうことは、マーケットに対して受け入れてもらうっていうことをするわけですよね。でも同時に競合と戦って、競合よりも優位に立って、マーケットに初めて受け入れられるっていうことですよね。
そうなってくると、自分達の代理店がそもそも自分達の競合よりも優れた代理店なのかどうなのかっていうところを見ていかないと、新たな代理店に変えるって言っても、本当に変えて良いものなのか、変えて良くないのかの基準が持てないし。多くの日本の企業さんはね、もう10年も付き合ってて、大した商売にはなってないと。数億円ですわと。私達が望んでいるような事業には、全くもってこの10年なってないと。ただ10年も代理店やってるんで、関係だけはそこそこあるんだよね。だから一応切らないですと。切らないんだけど別の代理店も作りたい、みたいな、こういう相談があるんですよね。
じゃあ新たに契約をしようとしてる代理店にしてみたら、自分達以外にも代理店がいてね、特にB to Bの場合は。B to Cは一カ国一代理店は、伝統小売の構造上適していないと僕はずっと言ってきてるけど、B to Bに関しては一カ国一代理店でも充分販路は築けるっていうのが、僕の考えなんだけどね。そうした時に、B to Bだともう一つ代理店を作ると、新しい方はあんまり良い気はしないよね。元々いる代理店がダメなのに、そこを切らずに自分達が保険みたいな形で代理店になって、っていう。
そういう面でも、既存の代理店をどうするのっていうことを見ていかないといけない。これって、お客さんがその国で幾らやりたいのか。それをやるためにこの代理店は本当にそれをやるだけの能力があるのか無いのかっていうことを、見極めないといけない。これが一つのポイント。もう一つのポイントは、競合の代理店と比較してどうなんだっていうポイントね。この二つのポイントって、一つ目のポイントは、自分達の求めてる売り上げを物理的に上げられるだけの能力がある代理店なのかどうかっていう、内々の都合の話じゃないですか。これはまず一つ重要ですよね。10億やりたい、100億やりたい、それに適った代理店なのかどうか。物理的に無理なんだったら、いくらその代理店とやったって無理ですからね。
もう一つは、競合の代理店と比較して、自分達の代理店が勝っているのか劣っているのか。これは、マーケットシェアを上げていく、競合に買っていくって考えた時に、競合よりも劣ってる代理店じゃ、どんなに頑張ったって勝てないわけなので、この二つの観点が必要ですと。
最低限最初の観点のお話しをすると、チャネルとか代理店って、水道管なわけですよね、パイプなわけですよ。自分達が求める売り上げが100億ですと。そしたら、毎分100リッターこのパイプに水を流したいと思ってるのに、そのパイプの太さがストローみたいな細さだったら、絶対毎分100リッターなんて流れないですよね。それを見ていかないといけないと。本当に自分達の求めてるのが、毎分100リッターの売り上げなんだっていった時に、この代理店の能力っていうのは、それに耐えうるだけのパイプになってるのかどうかっていうのは、見ていく。
もう一つは、市場に出るっていうことは、対競合との競争になるわけなので、競合の代理店よりもどういうところが優れていて、どういうところが劣っているのか。自分達の代理店には何が足りていて、何が足りていないのかっていうことを見ていくと。この二つの観点が必要なんですよね。
この事実を全く客観的に把握をしようともせず、ひたすら「うちの代理店10年も付き合ってるんだけど、中々売り上げが上がらないんだよね」って言っている企業が非常に多いんだけど、そもそもその問題って日本企業側にあるんじゃないのって僕は思ってるんでしょ。だって自分達のディストリビューターが、本当に自分達の売り上げを達成できる能力があるのかないのか、それから競合のディストリビューターと比較して強いのか弱いのかも全く分からない状態で、ただひたすら「現地のディストリビューター、ダメなんだよね」。いやいや、ダメなのは現地のディストリビューターもダメなのかもしれないけど、あなたもダメでしょと。こういうことが非常に多い。
…まだ時間大丈夫?
阪西:後…もう少し大丈夫です。
森辺:後もう少し大丈夫?…大丈夫だね。
じゃあそれをどう解決していくかっていう問題なんだけど、まず自分達の求めてる売り上げを上げられるだけのスキルセットとマインドセットが本当に備わったディストリビューターなのかっていうことを、客観的に見ていかないといけない。例えば、凄いシンプルだけどね、100億やりたいと。けど、その会社の売り上げが10億だったら、代理店ってキャッシュフローのビジネスですからね、年間に100も買えないわけですよ。そうすると、現実的に無理だよねっていうことが分かる。
じゃあ、その代理店が持っているユーザー、販売先。B to Bだったらユーザーだし、B to Cだったら小売だし。そこが本当に100億を流せるだけのユーザーや小売を持ってるの?っていうところが、もう一つのポイントだよね。それを全部見てったら、物理的にこの代理店で100億やれるとか、やれないとかっていうことが分かってきます、ということが一つ目。
二つ目の対競合との比較なんだけど、これはね、競合のチャネル戦略と、競合のディストリビューションネットワークと、競合のディストリビューターのマネージメント方法、この3つを自分達のこの3つと比較すると、非常に分かりやすく明確に、自分達が劣っているのか勝っているのかっていうのが見えてくるということです。
今日ちょっと時間来たから、また続きを次回やりましょう。
阪西:はい、よろしくお願いいたします。
森辺:はい、よろしくお願いします。