東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):アニョハセヨ、森辺イムニダ。
東:(笑)
森辺:すいません、最近韓国づいちゃって。韓国語全くできないんですけど、ちょっと韓国語で挨拶してみました、はい。今日は引き続き韓国。
東:具体的に今回は色々視察も兼ねて行ったと思うんですけど、森辺さんは。どういった商品が目につくか。例えばお菓子系だと、日本の商品って並行では結構うまい棒も入ってますし明治さんの商品とか色々入っ…グリコさんの商品も入ってると思うんですけど、どんな印象でしたね。
森辺:やっぱ地場だけにロッテコリアの商品が圧倒的に強いですよね。日本の商品で言うとグリコのポッキーが入ってますけど、明治の姿も森永の姿も他の国で見るような感じにはなっていない。並行品で流れてるかもしれないけど、ほとんど無い。大手のいわゆる近代的なスーパーコンビニ流通で言うとね。
一方で、これはどこの国でも同じだと思うんだけども、欧米の先進的な菓子メーカーさん。例えばオレオだったりとかスニッカーズ、それからロシェ、フェレロー。それから…
東:ロッカーなんかも。
森辺:ロッカーもそうですね。ウェハースって言うんですか、あの。後M&M's。そんな感じですかね。彼らはどこへ行っても強いですけど、韓国でも相当な存在感をどの流通言っても出してると。流通別のサイズ展開、グラム展開って言ったらいいのかもしれないですけど、そういうものもきっちりされてるし、非常に戦略的ですよね。
東:「○○(こりょう?ほりょう?)」(3'13.17)とかマースのM&Mとか、キットカットがネスレだったり、そういうのが強いのはまだどこの国も強いじゃないですか。一方でフェレロ・ロシェとか、後フェレロがやってるキンダーですとか、後ロッカーってイタリアの会社で、そんなにメジャーな企業ではないと思うんですけど、最近日本のコンビニでもフェレロとか入ってますけど、結構この2社ってアジアへ行くとどこでも入ってる印象があるんですけど、準大手になるのかもしれないですが、結構日本メーカーもこれくらい出来てもいいのかなという感じはしますけど、どうなんですかね。
森辺:ここ10年ですよね。彼らがグワーッと来たのって。ネスレのキットカットはもう分かるじゃないですか。なんですけど、彼らはここ10年でディストリビューション・チャネルの作り方ちゃんと考えてますよね。どうやってそのストアのカバレッジあげて、どうやってインストアでのヘッドシェア上げるかってことをちゃんと考えて、それに応じてディストリビューション・チャネル作ってるのが、もう傍から見ててよく分かるんで、戦略的に意識的に仕掛けてるってのが小売の現場でもすごく感じられる。
一方で日本のメーカーは、日本から輸出商社使ってるのかインポーター使ってるのか分かんないですけど、とにかく輸出して、後知りませんみたいな。その国の中に入った時のマーケティングに一切介在しないスタンスというか、してないスタンスが見え見えなので。一番大きな違いは、そのチャンネルの作り方がしっかり考えられてるか考えられてないかってことと、その国にマーケットインした時に、その国その国内でのマーケティングに関与してるかしてないか。ここが大きいんじゃないかと思いますよね。
東:国内のマーケティングに関与するかしないかって、結構スタンスとしては大きな違いだと思うんですけど、その辺はどうしてったらいいのかっていうのか。なかなか難しい…口を出せば当然お金もついてくるみたいな感じになってしまうと思うんですけど、出さなければお金もついてこないけど…
森辺:シェアも上がらない
東:売上も上がっていかないっていう。
森辺:基本的には出さなきゃダメだよねっていう。投資もしなきゃダメだよねっていう話で。結局投資って別に悪じゃなくて、そのリターンがすごく具体的に読み込めるんだったら、誰でも投資できるじゃないですか。10億儲かりますっていうんだったら、1億2億投資するってことは当然物理的にというか、出来るよね。
なんだけども、幾ら儲かりますっていうところの具体的な予測を立てられないから投資ができないんだけの話しで、しっかりといくら儲かるのかを計算をしていくというか、シュミレーションしっかりしていくことをやれば、別に投資をしていくことはそんなに怖いことじゃないので。介在しないんだったら海外やる意味ないですよね。
一番僕が思うのは、日本国内で改善しないっていうことはね、消費者とのコミュニケーションを断ってるということなんですよ。いわゆるその国消費者が何を求めてて、どうしたいのかっていうことに一切介在せずに、とにかく輸出しまくっていく。そんなことでセルスルーが永続的に続くわけないじゃないですか。それを日本で絶対にやらないはずなのに、海外ではそうやってしまっている。
韓国でも同じようにそうやってしまっているって現状は、非常にメーカーとしては怖くて。その商品のブランドイメージとかね、その商品の適正価格とか、そういうものが現地で崩れていくことになるわけじゃないですか。だからやっぱりそこって手を出さないといけないとこですけどね。
そこがさっき言ってたフェレロとか、もう一個ロッカーでしたっけ…は、グローバルでも戦略的にやられてるっていうのが、大きい違いなんじゃないかなと思うんですけどね。
東:なるほど。結構そこはその一歩踏み込むか踏み込まないかで成果も違ってくるし、色んなものが違ってくるっていうことですよね。
森辺:中途半端にやっちゃうと当然投資もできないから、中途半端な結果しか…
東:出ない。
森辺:産まないですよね。だからそこがね、なんか惜しいんですよね。
東:あと1歩とか半歩とか、そういう感じなんでしょうね。
森辺:そうなんですよ。だって物自体は負けてない、むしろ勝ってるわけで。そうすると、いかにその現地の消費者の求める製品。4Pで言うとプロダクトとプライスの部分と、いかに現地の消費者が買いやすいプレイス、つまりはチャネル。そしていかに現地の消費者に選ばれやすいプロモーション。この4Pを打ってかないと、当然商品というのは流通してかないので、何かすごく中途半端なことをやっちゃってるっていうのがもったいない、っていうのは思いますよね。
東:分かりました。じゃあ森辺さん今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:ありがとうございました。