東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:では森辺さん、最近質問を中々やってないんで、リスナーさんから来ている質問をいくつか回答いただきたいんですけれども。
まずひとつ目なんですが、現状数か国への海外展開を行っていますが、今後新たな国への販売を検討していますと。戦略を作るためには、具体的に何からはじめたら良いでしょうか、みたいな質問が来てるんですが。
森辺:なるほど…なるほどね。(笑) おっしゃりたい事はよく分かるんですけどね。回答が結構大変で、現状数か国に海外展開やってますよと。どこも一緒ですよね。こんな感じですよね。で、今後新たな国への販売を検討している、戦略を作るために具体的に何からはじめたらいいのか分からないという事だと思うんですけど。
そもそも今現状複数カ国やってるっていうのも、何か会社として戦略のフレームワークはちゃんとあって、それに応じてやってきたかっていうと、逆に言うと何か成り行きでやってきたっていう感じだと思うのね、この質問からしても。だから、質問の答えはちょっと後になっちゃって恐縮なんですけど、まずその現状数か国への海外展開を行っていて、今後新たな国への販売を検討しているっていうところを先に考えるべきだと思うんだよね。
つまりは、今やっているところを更に伸ばす方が、新たな国をやるより楽なわけですよね。だとすると、僕であればまずそっちを先にやりますと。その上で新たな国をやるべきだという判断をするんであれば、新たな国をやるっていうことだと思うので、まずそこを一点申し上げたいっていうのと、じゃあ新たな国をやる時の参入戦略をどうやって作ればいいのか分からないと。
具体的に何からはじめたらいいの? っていうことだと思うんですけど、これはやっぱりマーケティングの基本プロセスのフレームワークを使うっていうことからはじめるべきなんじゃないかなと思うんですよね。もしくは、3C4Pのフレームワークを使うか、スパイダーが推奨している8つのステップをやると。この3択なんじゃないかなと思うんですけどね。
東:具体的にはどうしたらいいんですかね、これは。まずは数か国の戦略の練り直しからっていう感じなんですか?
森辺:まずは、新たな国に展開を検討してるって書いてあるじゃないですか。だから、まだ検討なんだと思うんですよね。そうすると、その新たな国に検討してて、その戦略を作るのに具体的に何からはじめたらいいのか分かんないっていう事だと思うので、まず数か国の僕は現状を分析するっていうことを先に、僕だったらやる。
その現状を分析した上で、やり残していることがないか、もしくはもっとやれる事が無いかを考えると。なぜならば、既にやっている国の数字を上げる方が、これから新たにやる国の数字を作るよりも圧倒的に楽だから、という事だと思うんですよね。そうすると、まず今やっている数か国の現状を分析するっていう事をやる、っていう感じです。
東:その後に、新たな国の販売の戦略を立てるっていう事ですかね。
森辺:そうですね。その戦略を立てるのに使うフレームワークは、さっき言った3つのフレームワークを使ってはどうかという形ですかね。
東:一つだけでもいいので、3つのフレームワークの内、どんなフレームワークなのかっていうのを、ちょっと教えていただきたいんですけど。
森辺:基本的に、さっき言った3つのフレームワークって、全てマーケティングの基本プロセスがベースになってるので、マーケティングの基本プロセスを考えたらいいと思うんですよね。マーケティングの基本プロセスって、多分このポッドキャストでも再三…昔かな? 話してるよね。RSTPMMで、Rはマクロ環境・ミクロ環境・SWOT分析の3つから構成されているわけなんですけど。平たく言うと、マクロ環境分析ってどれくらい儲かる市場なの? 具体的に幾ら儲かるの? ミクロ環境分析は、そこにはどんな競合がいるの? 具体的に彼らの戦闘能力ってどれぐらい高いの? SWOT分析は、その市場に入ったら起こるの?どういう機会とどういう脅威があるの? その機会をお金に変えるために、自分達は何が出来るの? 脅威を未然に防ぐために自分達は何ができるの? って事を徹底的に考えるのがRなんですけどね。まずは、それをやると。
その後STPに進むわけなんですけど、セグメンテーション・ターゲッティング・ポジショニングの略ですよね。自分達が攻めるべきセグメントってどこなの? その中でも具体的にターゲットは誰なの? そのターゲットに対して、自分達がどういうポジショニングでいるべきなの? っていうことを徹底的に考えるってのがSTPですと。
最後の最も重要な4P、マーケティングミックス、MMですよね。これを考え、組み立てていくと。何を売るの? 幾らで売るの? どこで売るの? どうやって知ってもらうの? っていうことを、自己都合で考えるんではなくて、相手都合で考える。つまりは、アジア新興国がターゲットであれば、中間層がターゲットになるわけですから、中間層にとって、彼らが買いたいプロダクトって何なんですか? 彼らが買うことの出来る価格帯って幾らまでなんですか? 彼らが買いやすい売り場はどこなんですか? 彼らが手に取りたくなるプロモーションとはどういうものなんですか? という事を徹底的に考えていくと。
この10項目を考えていくと、それが自然と戦略になってるはずなんで、ここを徹底的にやるっていうことだと思うんですよね。
東:分かりました。じゃあ今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。