東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:じゃあ森辺さん、今週は色々なところでセミナーとか講演をやられていたと思うんですけれども、その中で出た質問をリスナーの皆さんに共有できればと思うんですが。
一つ目は、大手のディストリビューター自体は、どの国でも外資に取られていて、後発の日経日本企業の立場では、良いディストリビュータがなかなか見つからないと。良いディストリビューターを、どう見つけたら良いですかというような質問をいただいたんですけども。
森辺:そうですね、日本の消費財メーカーはこれからアジア新興国に出て行くとか、前まで使ってたディストリビューターから変更加えていくとかって、このタイミングなのでやっぱり後発になりますよね。その時に、おっしゃる通り良いディストリビューターっていうのは選ばれてるんですよ、すでに。外資に取られてると。そりゃそうですよね、良いところは唾つけられてると。ただね、ここで重要なのは、外資がその良いディストリビューターと付き合い始めた当時、そのディストリビューターが大きくて良いディストリビューターだったかって言うと、必ずしもそうじゃないんですよね。アジア新興国のディストリビューターの歴史って、長くても大体25年ぐらい。そして二代目ぐらいなんですよ。9割が華僑。そんな中で、当時はそんなに大きくなかったんですよ、20年前。もしくは25年前。いわゆる先進グローバル消費財メーカーと言われる欧米の消費財メーカーがお付き合い始めたときね。彼らがそのディストリビューターを大きく成長させてったという、そんな歴史的な背景があって。
例えばピーアンドジーのディストリビューターなんか行くと、「私たちはピーアンドジーに育てられた」って事を社長さんが言うんですよね。ネスレのディストリビューターに行っても。そんな大手のところに日系が後発で入ったら、プライオリティはどうなると思いますか。低いですよね。そんな低いプライオリティの中で、彼らにとって大事なのは、欧米の大手の消費財メーカーであると。そりゃ当然そうですよね。2割3割やってると。
そんなところでプライオリティ下げられてやるんだったら、逆に僕は中堅クラスを見つけて、そこを育てていくっていうことをやるほうが適切だと思うんですよね。大手が取られてるからどうしたらいいのっていうことではなくて、その大手を、先進グローバル消費財メーカーも育ててきたんだし、必ずしも大手がいいっていう…最初から決めつけてるじゃないですか。そうではないので、そこをもう一回考える必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
東:なるほど。そうすると、中堅どころ・外資をやってないところでも、良いディストリビューターはあるんじゃないかと。
森辺:全然ありますよね。例えばその、本当にピカピカの超先進グローバル消費財メーカーじゃなくて、ちょっと外資のそこそこ目立ったところを1社2社やってるようなところ。でもそんなにまだ取引高も大きくなくて、まあまあこれからというような所を狙うっていうのは全然ありなんじゃないかなと思うんですよ。
消費財の場合、フードなのかノンフードなのかに大きく分けられるじゃないですか。大手行くと両方やってるってところも当然あるんですけど、自分達がノンフードだったら当然ノンフードよりのディストリビュータ選びたいし、自分たちがフードだったらフードよりのディストリビューター選びたいし。ここの軸はね、やっぱり重要だと思うんですよね、僕ね。
大きさよりもノンフード主なのか、フード主なのか。ここすごい重要で、自分たちがフードなのにノンフードのとこ行ってもね、彼らがリテールに持ってるアカウントって、ノンフードのアカウントなんですよ。そうすると、フードのアカウントって結構新規で作るみたいな。そうすると棚取るのも大変だし、バイヤーとコミュニケーションとるのも大変だから、むしろ大きさよりもそのフードなのかノンフードなのかっていうことを僕は重要視して、同じフードなんだったらフードのカテゴリのディストリビューターで…小さすぎてもね、お金回さないといけないでしょディストリビューターって。だからダメだけど、中堅ぐらいの所選んで、そことガッチリやるっていうほうが、僕はプライオリティもあがるしね、早いと思うんですよね。
東:分かりました。じゃあ、今日はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。