東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:じゃあ森辺さん、 前回過去3回で講演とかセミナーでの質問事項を共有してきたんですけれども、我々の業務に関わってくるとこなんでしょうけど、アジア新興国を中心に現地での調査っていうことをやられてると思うんですけども、具体的に何をどのように進めてるんですかみたいなところで質問があったと思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
森辺:現地でのその調査っていうのはね、こんな話をしたんですよ。参入戦略とかのチャネル構築とかをする時に、インプットが無いとアウトプットってのは出せないじゃないですか。戦略ってアウトプットだし、チャネル構築どうデザインするかって、これもアウトプットだし。情報っていうインプットを入れないと、アウトプットって出ないですよね。情報量が少ない人はアウトプットも少ないし、情報量が多ければアウトプットは多くなる可能性が高いと。
その中で、日本企業は調査をしてないよねと。「競合のことどこまで知ってますか」「いや競合は強いですよ。予算いっぱい使ってや何かやってますよ」みたいなこと言うんだけど、具体的にその競合のチャンネルがどれぐらい強いのと。自分たちが今持ってるチャネルを10とした場合に、競合のチャネルの戦闘能力ってどれぐらい? って言うと、答えられない企業が多いので。それって競合の事知らないのと等しいと。
その中で、どうやって競合のチャネルの戦闘力とかを調べたらいいんですか、みたいな質問があって。それって、結局消費財メーカーの一社員が、自分たちでやるようなことじゃなくて、外注しなさいと。餅は餅屋で、調査会社ってのは、それなりのネットワークと情報ノウハウ、それから調査の設計のスキルであったり、調査の方法自体のスキルもあるわけでね。そこになんか何百万か何千万かかかったとしても、その情報を元に皆さんの仕事はどう分析してどう戦略に変えて、それをどう実行するかっていうのが本来消費財メーカの仕事じゃないですか。調査自分でやってどうすんですかっていう話をしていて。
マクロ情報を集めるのは自社でやったらいいと思うんですよ。いろんな公開データが出てるんで。なんですけど、競合のこととか、流通のこととか、業界のこととかっていうのは、やっぱりインタビューをベースになってくんですよね。そうした時に、自分達の競合に自分たちがインタビューして何か教えてくれるかっていったら、教えてくれないわけなので。別にうちに依頼をしなさいって言ってるわけじゃないですよ、全然。くれなくていいですよ? ただ、色んな会社あるわけじゃないですか。だから外注した方がいいんじゃないのという回答をしたと。なぜならば、こんなのを一から十まで説明できないし、そんな事やるべきじゃないし。
ただ、外部を使うにもね、選ばないといけないと。できないのにできるって言うところはたくさんあるしね、ピンからキリまであるわけで。費用もね、これはピンからキリまであって、「安い、すごいいいなー」と思っても、アウトプットが全然違うわけじゃないですか。調査なんて1足す1が2にならないものなのでね。だからやっぱり実績っていうところをベースに判断をしていくということが、多分すごく重要なんじゃないかなと思うんですよね。
東:その選ぶ側としては、具体的に何を基準に選んだらいいのかなっていうのはあると思うんですけども、その辺はどうなんですかね。
森辺:設計だと思いますね。どういう手法でどういう情報を取って来るのかっていうことをやっぱり見る。そうすると、何となく想定ができるんですよ。「ああ成る程。この手法だったらこの答えにたどり着けるかもしれないな」とかですね。やっぱり、圧倒的な知識を持ってます、こういう調査が上手くできる人は。だから提案をしてもらう時にコミュニケーションを取るじゃないですか。その時に「ああ、この人の知識も全然違うな」と、「圧倒的だ」っていうの感じなかったら、これなんか業者相手の作業じゃないでね、印刷して来いとか何とかしてこいとかそういう単純な話じゃないじゃないですか。だから、そこはすごく重要だと思うんですよね。なんで、そんなところを目安に判断をしていくってもいいんじゃないですかね。
東:分かりました。じゃあ今回はここまでにしたいと思います。森辺さん、ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。