東忠男(以下、東):こんにちは、ナビゲーターの東忠男です。
森辺一樹(以下、森辺):こんにちは、森辺一樹です。
東:じゃあ森辺さん、引き続きサッポロホールディングスの野瀬取締役との対談の、ちょっと共有なんですけども。リスナーの方も結構興味があるのは、ベトナムで実際何をやったからそのブランドが確立されたのかとか、次のステージに行こうというところまでの実績を残せたのかってのは、プロモーション…一つはチャネルだと思うんですけど、一つはプロモーションの要素ってのも非常に大きいと思うんですが、その辺については何か野瀬さんは言われてましたでしょうか。
森辺:整理すると、プレミアムのカテゴリーとメインストリームとエコノミーと、上中下とカテゴリ分けて、まずプレミアムのカテゴリから入ってったと。商品を売るには並べることと、選ばれることが2つが重要ですよね。並べる力と選ばれる力。今東さんが言ったのは、並べる力に関してはチャネルであると。
じゃあどうやって選ばれる力をサッポロはベトナムで得たんだというのは、まず一つがプレミアム市場にフォーカスをした。広くブワーとやるんではなくて、まずピンポイントでプレミアム市場にフォーカスをしたということとね、これ多分皆さんももう既にご存知だと思うんですけど、一時期今でもそうですけど、サッポロのキャンペーンガールがベトナム中のMTにサッポロのあのコスチューム着てめちゃめちゃいたでしょう? あれがやっぱりすごくインパクト大きかったんじゃないかと思うんですよね。たまにレストランにもいたような気がするんですよね。
東:結構レストランにもいましたね。
森辺:勧めてね。海外に行くと結構レストランでビール会社の子がビールのコスチュームを着てさ「うちのビールどうですか」みたいな。そこをBTLだと思うんだけど、そこに力を相当入れてたし、野瀬さんも仰ってたんだけどもね、ビールってね、B to B to CとB to Cなんだと。スーパーで売ってるのはB to Cじゃないですか、C向けに。だけどレストランとかって、結局レストランで美味しいビールを飲んで「これがご家庭で飲めますよ」っていう、ここがすごく重要なんですよね、この循環がね。だからレストランも力を入れるし、小売も力を入れるっていう。これはちょっと、菓子メーカーとかじゃ無いじゃないですか。食品とかビールとかにしか多分ないと思うんですけどね。まあ、食品も限られてますよね。なんで、ビールメーカー特有だと思うんですけど、そんなことにすごく力を入れてきたっていうのが、やっぱりあるのかなという風に思えますね。
東:そうすると、B to B to Cのレストランで飲んでもらって、それはただ置いといても飲んでもらえないから、プロモーションガイドをきちんと配置して勧めて飲んでもらって、飲んでもらって美味しいと感じた消費者がB to Cいわゆる小売店で買うような流れを意図的に作ってるということですかね。
森辺:そうね。野瀬さんはこの僕が今B to CとかB to B to Cって表現使いましたけどね、オフのマーケットとオンのマーケットって言ってて、いわゆる小売店は、オフのマーケットなんですよね。対して飲食店で提供されるのはオンのマーケットで、このオンのマーケットでの存在感というか、ポテンシャリティというか、それもやっぱりすごく重要だってことを仰っててね。そこで触れて飲むわけじゃないですか。事としてしっかりと記憶に刻まれると。じゃあこのブランド家でも飲んでみようって、オフのマーケットに繋がっていくっていうことなんですよね。だからここはすごく重要視をされてましたね。
東:結構そこは戦略的に色々やられているということですね。
森辺:僕も野瀬さんにね、色々質問しててね。中国とかもそうなんだけども、アジアとか新興国に行くとね、基本ビールぬるいじゃないですか。日本人はいっつもレストランで怒ると。「冷たい冷えたやつ持って来い」っつてんのに、なんかぬるいやつ持ってこられて、蓋開けちゃってダメだ、みたいなね。基本的にキンキンに冷えてないとダメと。じゃあ日本でのビールのイメージってキンキンに冷えたグラスにキンキンに冷えたビールを注いで、ゴクゴクプハーってのが、いわゆる美味しいビールじゃないですか。泡とビールの比率が何対何とかね。ただ、アジアとかだと、ぬるいビールを飲むと。ちょっと今日暑いな、冷やしたいなと思ったら、そこに氷をがぼっと入れて、もともと薄いビールがさらに薄くなるみたいなね。そういう飲み方だと思うんだけど、その飲み方をやっぱり変えて行きたいって言ってましたね。これはね、別に国によって好き嫌いとかっていうのは多少はあるんだけど、やっぱり先進国になっていけばなっていくほど、キンキンに冷えたグラスにキンキンに冷えたビールを入れて飲むっていうことの美味しさが、やっぱりまだ伝わりきってないって事を仰ってましたね。それをやっぱり伝えて行きたいっていうことを、野瀬さんは仰ってましたね。それは面白いなと思ってね。
東:確かにそうですね。未だにぬるいですもんね。
森辺:韓国とかではね、そういう施策が受け入れられつつあるらしくて、どんどん変わってってるらしいんですよね。だから、あと10年20年30年かかるのか分かりませんけど、アジアでもキンキンに冷えたグラスにキンキンに冷えたビールを入れて、ゴクゴクプハーってのがデファクトのスタンダードになる可能性は充分あるなぁという風に思いましたね。
東:分かりました。じゃあ森辺さん今日はここまでにしたいと思います。ありがとうございました。
森辺:はい、ありがとうございました。